CentOS情報
CentOSとは
CentOS(セントオーエス)とは、Red Hat Enterprise Linuxとの完全互換を目指した無償のLinuxディストリビューションです。
CentOSは、「Community Enterprise Operating System」(コミュニティベースで開発された、エンタープライズレベルのOS」)の略語と言われています。
CentOSは、Red Hat Enterprise Linuxの中の、無償で提供する上で制約となるライセンス(商標やパッケージ等の意匠、他の OSS とは異なる許諾条件など)を含まない形でリビルドされています。
したがって、CentOSは、無償でありながらRed Hat Enterprise Linuxとほぼ同等のアーキテクチャをサポートし、動作が非常に安定しているため、個人・企業を問わずさまざまなシステムのサーバOSとして幅広く使用されています。
CentOSをベースにしたLinux ディストリビューションも数多くあります。
CentOS公式サイトは2020年12月に、CentOS 8のサポートを2029年5月末から2021年12月末へ変更すること、今後CentOS 9以降のリリースは行わず、Red Hat Enterprise Linux のアップストリームとなるCentOS Streamというディストリビューションの開発に注力すると発表しました。
CentOS(セントオーエス)の最新バージョンは以下の通りです。
CentOS 6 |
CentOS 7 |
CentOS 8 |
|
---|---|---|---|
最新バージョン |
6.10 |
7(2003) |
8(2004) |
CentOSのEOL(End of Lifetime)は下記のようになっています。
CentOS 6 |
CentOS 7 |
CentOS 8 |
|
---|---|---|---|
フルアップデート |
2017年 5月 |
2020年 Q4 |
2021年 12月 |
メンテナンスアップデート |
2020/11/30 |
2024/6/30 |
2021/12/31 |
CentOSは、Red Hat Enterprise Linuxのソースコードのリビルドによって提供されていますが、Red Hat社はCentOSのサポートを実施していません。
主な機能
主な機能は以下のとおりです。
CentOS 6 |
CentOS 7 |
CentOS 8 |
|
---|---|---|---|
カーネル |
Linux 2.6.32 |
Linux 3.10.0 |
Linux 4.18 |
パッケージ管理 |
RPM |
RPM |
RPM |
コンパイラ/ツールチェーン |
GCC 4.4 |
GCC 4.8.5 |
GCC 8.2.1 |
言語サポート |
22 |
22 |
TBD |
SELinux |
○ |
○ |
○ |
Ext3パフォーマンス拡張 |
○ |
○ |
|
Bluetoothサポート |
○ |
○ |
○ |
ネイティブPOSIXスレッドライブラリ(NPTL) |
○ |
○ |
○ |
ハイパースレッディングスケジューラ |
○ |
○ |
○ |
IPv6のサポート |
Ready Logo Phase 2 |
Ready Logo Phase 2 |
○ |
V4 autofs |
○ |
○ |
○ |
LVM(logical volume manager) |
LVM2 |
LVM2 |
LVM2 |
監査ログ |
audit |
audit |
audit |
互換ライブラリ(ツールチェーン) |
CentOS 4&CentOS 5 |
CentOS 5&CentOS 6 |
CentOS 6 &CentOS 7 |
LSBサポート |
4.0 |
4.1 |
TBD |
NFS |
○ |
○ |
○ |
Webサーバ |
Apache httpd 2.2.15 |
Apache httpd 2.4.6 |
Apache httpd 2.4.37 |
サーバーメッセージブロック(SMB) |
Samba 3.5.x (オプション4.0.x) |
Samba 4.1.x |
Samba 4.9.x |
データベース |
MySQL 5.1.x、PostgreSQL 8.4.x |
MariaDB 5.5.x、PostgreSQl 9.2.x |
MariaDB 10.3.x、PostgreSQL 9.6.x/10.6.x |
プログラミング言語 |
php 5.3.3、python 2.6.6、perl 5.10.1 |
php 5.4、python 2.7、 perl 5.16.3 |
php 7.2、python 3.6.8、perl 5.24/5.26 |
デスクトップGUI |
GNOME 2.28、KDE 4.3 |
GNOME 3.22、 KDE 4.14 |
GNOME 3.28 |
グラフィックス |
X.org 7.4 |
X.org 7.7 |
Wayland 1.15 |
オフィススイート(※1) |
Libreoffice 4.3.7.2(C6.3から)(※2) |
Libreoffice 5.3.6.1 |
Libreoffice 5.3.6.1 |
デフォルトブラウザ(※3) |
Firefox 68 |
Firefox 68 |
Firefox 68 |
マルチメディア機能 |
mp3(リポジトリ追加で) |
mp3(リポジトリ追加で) |
mp3(リポジトリ追加で) |
プラグ・アンド・プレイ |
○ |
○ |
○ |
※1 Suiteはライフサイクル中に更新されます。
※2 OpenOfficeは6.3で廃止されました。
※3 Suiteはライフサイクル中に更新されます。
CentOS 6 |
CentOS 7 |
CentOS 8 |
|
---|---|---|---|
その他アイテム(CentOSと分離して入手可能) | |||
Cluster Suite |
該当せず(ベースOSに含まれる) |
該当せず(ベースOSに含まれる) |
該当せず(ベースOSに含まれる) |
グローバルファイルシステム |
該当せず(GFS2はベースOSに含まれる) |
該当せず(GFS2はベースOSに含まれる) |
該当せず(GFS2はベースOSに含まれる) |
インストールパッケージセット | ||
---|---|---|
セット名 |
概要 |
内容 |
Desktop |
CentOSをデスクトップOSとして利用する場合 |
クライアント管理ツール、ディレクトリ接続クライアント、インターネットブラウザ、オフィススイート、Xウィンドウシステム、グラフィカル管理ツール、フォント、リモート接続クライアント、GNOMEデスクトップ、ネットワークファイルシステムクライアント、デバックツール、印刷クライアント、サーバープラットフォームなど |
Minimal Desktop |
必要最小限のGUIデスクトップ環境 |
Desktopの中で、インターネットブラウザ、オフィススイート、GNOMEデスクトップ、Xウィンドウシステム、日本語対応などが含まれていないもの |
Minimal |
最小構成 |
クライアント管理ツールと日本語対応のみ |
Basic Server |
サーバ構築用の基本機能 |
Perlサポート、コンソールインターネットツールなど |
Database Server |
DBMS(MySQL、PostgreSQL)用サーバ機能 |
パフォーマンスツール、システム管理ツール、MySQL/PostgreSQLデータベースサーバ&接続クライアント |
Web Server |
Web Server用サーバ機能 |
パフォーマンスツール、システム管理ツール、PHPサポート、TurboGearsアプリケーションフレームワーク、Webサーバ、Webサーブレットエンジン |
Virtual Host |
Basic Server に仮想化機能が取り込まれている |
パフォーマンスツール、システム管理ツール、ハードウェア監視ユーティリティ、仮想化プラットフォーム、仮想化クライアント |
Software Development Workstation |
システム開発用環境、Desktop 環境に、開発ツールやフレームワークを取り込まれている |
クライアント管理ツール、印刷クライアント、Emacs、TeXのサポート、グラフィックツール、技術文書、仮想化プラットフォーム、インターネットブラウザ、オフィススイートを除くデスクトップ機能、Eclipse、デスクトッププラットフォーム開発、開発ツールなど |
主な特徴
CentOS(セントオーエス)は、次のような特長があります。
- ライセンス費用はゼロで、無料で使用できる(有償保守サポートを依頼する場合は別途費用がかかる)
- Red Hat Enterprise Linuxとほぼ同等の機能を持ち、さまざまな用途のサーバOSとして利用可能である
- 長期間の運用に耐えうる高い安定性と品質、セキュリティを備える
- 利用可能なハードウェアが多い
- サポート期間が長い
- CentOS Projectによるオープンで積極的な開発がされている
- オフィススイートやGPUドライバ、マルチメディアツール等をインストールすることにより、デスクトップOSとして用いることも可能
導入事例
CentOSは、Red Hat Enterprise Linuxとほぼ同等のアーキテクチャをサポートし、動作が非常に安定しているため、中小から大規模まで、さまざまな業種・システムでのサーバOSとして幅広く利用されています。
近年では、ホスティングサービスなどの大規模な企業システムでもCentOS(セントオーエス)が採用される事例が増加しています。
類似プロダクト
商用ソフトウェア製品では、AIX、HP-UX、Red Hat Enterprise Linuxが同様の機能を提供しています。
動作環境
前提となる動作環境は、以下のとおりです。
CentOS 6 |
CentOS 7 |
CentOS 8 |
|
---|---|---|---|
アーキテクチャ | |||
x86(32ビット Pentium/AMD/VIA) |
○(※4) |
○ |
× |
x86_64(AMD64/EM64T) |
○ |
○ |
○ |
ppc/ppc64(IBM Power、Mac) |
× |
○ |
○ |
IA-32 |
× |
○ |
○ |
ARMv7hi |
× |
○ |
○ |
AArch64(arm64) |
× |
○ |
○ |
※4 物理アドレス拡張可能なCPUのみサポート
CentOS 6 |
CentOS 7 |
CentOS 8 |
|
---|---|---|---|
最大論理CPU(※5)(※6) | |||
x86 |
32 |
該当せず |
該当せず |
x86_64 |
448/4096 |
768/5120 |
768/8192 |
※5 8(x86_64版)または64(その他のアーキテクチャ)のCPU数はlargesmpカーネルを使用する必要があります。
※6 論理CPUは、コア/ virtualCPUsに相当しますので、デュアルコア(非ハイパースレッド)CPUが2論理CPUとしてカウントされ、シングルハイパースレッディングCPUはCPU合計を求めるために2論理CPUとしてカウントされます。
CentOS 6 |
CentOS 7 |
CentOS 8 |
|
---|---|---|---|
最大メモリ | |||
x86 |
16GB |
該当せず |
該当せず |
x86_64 |
12TB/64TB |
12TB/64TB |
24TB/64TB |
ARM |
該当せず |
該当せず |
1.5TB/254TB |
CentOS 6 |
CentOS 7 |
CentOS 8 |
|
---|---|---|---|
ファイルシステム | |||
最大ファイルサイズ(ext3) |
2TB |
2TB |
2TB |
最大ファイルシステムサイズ(ext3) |
16TB |
16TB |
16TB |
最大ファイルサイズ(ext4) |
16TB |
16TB |
16TB |
最大ファイルシステムサイズ(ext4)(※7) |
16TB/1EB |
50TB/1EB |
50TB/1EB |
最大ブートLUNサイズ(BIOS) |
2TB |
2TB |
2TB |
最大ブートLUNサイズ(EFI) |
任意(※8) |
50TB |
8EB |
x86 プロセス単位最大仮想アドレススペース |
約3GB(※9) |
該当せず |
該当せず |
x86_64 プロセス単位最大仮想アドレススペース |
128TB |
128TB |
128TB |
※7 1EBはext4で通常サポートされていますが、CentOS6.3での更新のようなパーティションを操作可能にするext4ツールが必要なパッチとしてCentOSの上流にバックポートされていません。サードパーティ製のディストリビューションのe4fsprogsツールを使って作成されたパーティションを利用することが可能です。
※8 UEFIとGPTは、2TBブート以上のLUNサポートが必要です。こちらを参照ください。
※9 x86の"HUGEMEM"カーネルは、CentOS 6で提供されていません。
CentOS 6 |
CentOS 7 |
CentOS 8 |
|
---|---|---|---|
推奨最小要件 | |||
x86 |
128M CLI、512M GUI/論理CPU(※10) |
該当せず |
該当せず |
その他アーキテクチャ |
1GB |
1GB/logical CPU |
1.5GB/logical CPU |
最小ディスクスペース |
1G |
10GB |
10GB |
※10 もともとの6.0の最小ローエンド128Mは、TUIのインストールにも問題ないでしょう。CentOS6の6.1ポイントアップデートで始める際は、依存関係の解決は極めてRAMのメモリ消費量が多いです。
CentOS 6(※11) |
CentOS 7 |
CentOS 8 |
|
---|---|---|---|
KVM仮想化 | |||
ホストの最大コア数 |
160 |
該当せず |
該当せず |
ホスト最大メモリ |
2TB |
該当せず |
該当せず |
仮想化ゲストにおける最大vCPU数 |
160/160 |
該当せず |
該当せず |
仮想化ゲストにおける最大メモリ |
2TB/2TB |
該当せず |
該当せず |
仮想化ゲストにおける最小メモリ |
512MB/512MB(※12) |
該当せず |
該当せず |
※11 ブート可能なP2VおよびV2V ISOイメージは、6.3から提供されています。リリースノートを参照ください。
※12 テキストモードのみ推奨。グラフィカルモードは1GBが必要です。
CentOSのライセンス
CentOS(セントオーエス)のライセンスは、GPLライセンスです。
GPLライセンスの正式名称は「GNU General Public License」です。ソフトウェアのコピーや配布、ソースコードの公開を原則とし、ソースコードを改変も認められています。
製品ダウンロード
参考情報
オープンソース年間サポートサービス
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サポートしているOSSは下記ページをご参照ください。
関連OSS
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Ubuntu
ウブントゥ。高い完成度と使いやすさを誇る、世界で人気No.1のLinuxディストリビューションです。
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サポート対象
Red Hat Enterprise Linux
レッド ハット エンタープライズ リナックス。Red Hat社によって開発、販売が行われている製品版Linuxディストリビューション