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n8n情報

n8n情報更新日:2025/09/09

n8nとは

n8nとはSlack、Gmailなどネットワーク上の様々なサービスを接続し、ビジネスまたは個人の作業をノーコードまたはローコードで自動化するツールです。例えば、

  • 特定のタイトルのメールが届いたらSlackに通知する
  • 自社に関するXの投稿を監視し、見つかった場合にはメールで通知する

などの自動処理を簡単に登録、実行する事ができます。また、OpenAIやGoogleなどが提供するAIサービスを自動化処理に組み込むこともできます。
n8nの核となるアプローチはワークフローを「ノード」と呼ばれる個々の作業単位として視覚的に構築することです 。各ノードはデータの取得、処理、または送信といった特定の役割を担い、これらを直感的なビジュアルエディタ上で接続することで複雑な自動化プロセスを設計することが可能になります 。
n8nはn8n社によりSaaS型の有償サービスが提供されている一方、自分でホスト環境を構築して無償で使用することもできます(但し、n8nを自社のサービスとして有償で顧客に提供する等、営利目的での運用においては、n8n社と別途有償契約を結ぶ必要があります)。
なお、本プロダクトの名称である「n8n」は公式サイトによると(pronounced n-eight-n) と記されており、エヌ・エイト・エヌと読むのが正しいようです。

主な特徴

ビジュアルエディタの採用

n8nは各ノードが特定の「アクション」「トリガー」「データ変換」を表す視覚的なノードベースのエディタを採用しています。この直感的なインターフェースにより、ユーザーはノードを接続し、データの流れを定義することで、ワークフローを容易に設計できます。視覚的な操作によって複雑なプロセスも直感的に把握でき、複雑なフローも容易に構築することが可能です。

ビジュアルエディタ上での編集画面(例)
ビジュアルエディタ上での編集画面(例)

豊富なテンプレート

よく使うワークフローがあらかじめテンプレートとして用意されているため、それらを使うことで構築の手間を省くことができます。なお、テンプレートは日々追加、アップデートされており現在4000個以上が登録されています(2025年7月現在)。

AIサービスとの連携

ChatGPT、Google Gemini、ClaudeなどのAIサービスをワークフローに組み込むことができます。またAIの処理結果に不安がある場合には処理結果をユーザーが確認するステップをフロー中に組み込むことも可能です。

DBとの接続

MySQL、PostgreSQLなどのDBへのアクセスも可能であり、大規模なデータ収集や解析まで網羅できるポテンシャルを持ちます。

オンプレミス導入

ローカルサーバ上にn8nをセットアップし、完全にローカルな環境で自動化処理を構築・運用することもできます。

メリット・デメリット

メリット・必要性

  • 利用の容易性

SaaS型サービス(クラウド版)を利用すればサーバを立ち上げる手間もなく直ぐに利用できます。

  • ほぼノーコードで利用可能

単純なパターンであればプログラミングの知識なしで利用できます。

  • コードによるカスタマイズも可能

ノーコードで利用できる一方、JavaScriptやPythonによるカスタムコードによる拡張性も確保しています。

デメリット・注意点・課題

  • セルフホスティング版の場合はサーバ構築が必要

セルフホスティング版の場合、独自にサーバ構築する必要があり、セットアップとメンテナンスに関する一定の技術的知識が求められます。

  • クラウド版は有償

SaaS型サービスとして提供されるクラウド版ではサーバを立ち上げる等の手間がかからない一方、有料のサービスとなり、最低でも20ユーロ/月(2025年7月現在)のコストがかかります。

類似プロダクト

プロダクト名

OSS

ノーコード

有料プラン

特徴

Apache Airflow

×(コード中心)

×

エンタープライズ向け

Make (旧Integromat)

×

高度な条件分岐やルーティング機能が強み

Node-RED

△(GUIはあるが開発者向け)

×

エンタープライズ向け

Zapier

×

一般ユーザー向け

ユースケース

一般的な自動化の例

  • Webフォーム(例: Google Forms)に入力があったらSlackに自動で通知
  • Google Driveのファイルが更新されたらメールで通知
  • 会議参加者のGoogle Calendarに予定を書き込み
  • あるスプレッドシートに追加された行を別のデータベース等に反映しデータを自動的に同期

ビジネス領域での活用例

  • 毎週の売上レポートをShopifyなどから自動生成し、PDF化してメール送付
  • Webサイトアクセス情報をGoogle Analytics APIから取得しレポート作成→Slack、Notionなどに送信
  • 自社に関するXの投稿を監視
  • 営業メールから売上を抽出し、スプレッドシートに転記

AI機能を利用した活用例

  • AIアシスタントを活用して従業員からの問い合わせに自動対応し、その内容をDBに記録
  • Zendeskなどのカスタマーサポートに届いた問い合わせをChatGPTに渡して自動的に回答案を生成し、Slackで共有
  • Google Veo3でAI動画を作成し、Googleドライブに保存してYouTubeにアップロード

動作環境

動作環境は以下の通りです。

  • 対応プラットフォーム:Linux、macOS、Windows
  • 必要ソフトウェア:Node.js(18以降)、npm
  • データベース:SQLite(標準)またはPostgreSQL

なお、公式サイトではDockerを使った構築方法も紹介されており、Dockerを利用することによりホスト(OSやツール類)に依存しない動作環境を用意することができ、DBやその他環境の管理も容易にできます。

n8nのライセンス

n8nは「Fair-code(フェアコード)」モデルに基づいています。具体的には「Sustainable Use License(持続可能な利用ライセンス)」と「n8n Enterprise License(n8nエンタープライズライセンス)」を使用しています。
これはOSSの理念を保ちつつ、商用SaaSの再販などに一定の制限を設けるライセンスです。

  • 個人または自社での利用 → 無料・無制限
  • 再販・ホスティングして他社に提供 → 有料ライセンスが必要

また、n8n社はクラウド版のサービスも提供しており、インフラ管理不要で即利用可能です。こちらは商用サポートやスケーラビリティを重視するユーザー向けの有料プランとなっています。

オープンソースとの違い n8nのソースコードは「Sustainable Use License」の下で利用可能ですが、オープンソースイニシアティブ(OSI)によると、オープンソースライセンスは使用に関する制限を含むことができないため、n8n社は自身のプロダクトをオープンソースと呼んでいません。

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