Traefik情報
Traefikとは
Traefik (トラフィック) は、クラウドネイティブ環境向けに設計されたオープンソースのリバースプロキシおよびロードバランサです。主にコンテナ化されたアプリケーションに特化しており、Docker、Kubernetes、Consul、Nomadなどの各種オーケストレーションツールとシームレスに統合可能です。Traefikはデプロイされたアプリケーションへのトラフィックを簡素化し、スケーラブルかつ高度に自動化されたソリューションを提供します。
主な特徴
Middleware機能 |
認証、リダイレクト、ロードバランシングポリシーなど、トラフィックに対する処理を柔軟かつ簡単にカスタマイズ可能です。 |
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オートディスカバリ |
コンフィギュレーション自動検出機能を備えており、DockerやKubernetes環境内の新しいサービスを動的に検出して即座にプロキシ設定に反映します。 |
ACME対応 & Let’s Encryptサポート |
HTTPS対応や無料で利用できるSSL/TLS証明書の自動発行および更新を大規模な運用環境でも簡単に実現します。 |
多様なバックエンドサポート |
Traefikは、幅広いバックエンド(Kubernetes、Docker、Consul、Nomad、ECSなど)をサポートしており、多くの環境に適用可能です。 |
ダッシュボード& モニタリング |
内蔵のWebダッシュボードにより、プロキシの状況やトラフィックフローの可視化ができ、Prometheusなどのツールを使ったメトリクス収集にも対応しています。 |
メリット・デメリット
メリット・必要性
- シンプルなセットアップ
- 動的構成の自動更新
- クラウドネイティブ向け設計
- コスト効率が高い
- 多機能で幅広い拡張性
初期構築が比較的簡単で、YAMLやTOMLベースの設定が分かりやすい。
サービスのスケールイン・スケールアウト時にも即対応可能で手動設定を最小限化。
Kubernetesなどのオーケストレーションツールにネイティブ対応し、開発から本番環境に至る全工程で活用可能。
オープンソースのため初期コストが多くかからない。
Middleware機能やプラグインを用いた機能追加が容易。
デメリット・注意点・課題
- 大規模環境(高トラフィック環境下)でのパフォーマンス
- 学習コスト
- リクエストのオーバーヘッド
- プラグインの限界
小規模な環境では優れた性能を発揮するが、大規模環境では(高トラフィック環境下)パフォーマンスが低下する場合がある。
初めて使用する際には、DockerやKubernetesの前提知識やTraefikの仕様を理解する必要があり、時間がかかることがある。
Traefikの内部ミドルウェア処理が多い場合、リクエスト処理のパフォーマンスに影響を与える可能性がある。
提供されるプラグインやMiddleware機能が特定の要件を満たさない場合、カスタム構築が必要になることもある。
動作環境
Traefikは以下の環境で動作します。
- ホストOS: Linux、MacOS、 Windows
- コンテナオーケストレーションツール: Docker、Kubernetes、Consul、Nomad、ECSなど
- ハードウェア: 大規模環境では十分なCPUとRAMリソースを持つことを推奨
- 依存関係: Dockerモードの場合はDockerエンジン、Kubernetesモードの場合はKubernetesクラスタ
Traefikのライセンス
TraefikはMITライセンスのもと提供されています。MITライセンスは数あるソフトウェアライセンスの中で最も制約が少なく、ソースコードを無償で使用できるほか、改変、再配布することも認められています。
参考情報
Traefikの公式情報やドキュメント、事例紹介は以下のサイトで確認できます。
オープンソース年間サポートサービス
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