Cephの概要
Ceph(セフ)は分散オブジェクトストレージ機能を提供する、オープンソースのストレージソフトウェアです。分散したコンピュータ上に配置したストレージ領域を1つのクラスターとして扱います。クラウド環境構築のためのOSSを集めた、OpenStackでは、Cephを使ったストレージを採用することが多く、OpenStackユーザへの調査では半数以上のユーザが、OpenStackのブロックストレージコンポーネント「Cinder」のバックエンドとしてCephを採用しているという報告がされています。また、CNCFがホストしているクラウドネイティブな分散ストレージを提供するRookも内部でCephを利用しており、分散ストレージにおいてCephは利用者の多いプロダクトだと言えます。
Cephの主な特徴
Cephは4つのコンポーネント(デーモン)から成り立っています。
1. Ceph Monitor (ceph-mon)
2. Ceph Metadata Server (ceph-mds)
3. Ceph OSD (object storage daemon (ceph-osd))
4. Ceph Manager (ceph-mgr)
クライアントは、上記の4つのコンポーネントと相互に連携しながら動作します。 Cephはストレージデータへの柔軟なアクセス方式を提供しています。Cephは次の3つの外部インターフェイスを備えています。
Cephの外部インターフェイス
1.オブジェクトストレージという名前の通り、オブジェクト単位でのアクセスを可能とするゲートウェイ(RADOSGW)で、Amazon S3 RESTFull API や OpenStack Swift API と互換性のあるインタフェースを提供しています。
2.ブロック単位のアクセスを可能とするブロックデバイス(RBD)
3. ファイル単位でのアスセスが可能なPOSIX互換のファイルシステム(Ceph FS)
クライアントは上記3つのインターフェイスを使ってクラスタストレージにアクセスすることが可能です。
Cephの動作環境
ハードウェア動作環境
Ceph(17.2.z Quincy)のMinimum Hardware Recommendations(最小スペック)
Process | Criteria | Minimum Recommended |
---|---|---|
ceph-osd | Processor | 1 core minimum |
1 core per 200-500 MB/s | ||
1 core per 1000-3000 IOPS | ||
RAM | 4GB+ per daemon (more is better) | |
2-4GB often functions (may be slow) | ||
Less than 2GB not recommended | ||
Volume Storage | 1x storage drive per daemon | |
Journal | 1x SSD partition per daemon (optional) | |
Network | 1x 1GbE+ NICs (10GbE+ recommended) | |
ceph-mon | Processor | 2 cores minimum |
1x 32-bit ARM dual-core or better | ||
RAM | 2-4GB+ per daemon | |
Disk Space | 60 GB per daemon | |
Network | 1x 1GbE+ NICs | |
ceph-mds | Processor | 2 cores minimum |
RAM | 2GB+ per daemon | |
Disk Space | 1 MB per daemon | |
Network | 1x 1GbE+ NICs |
OS動作環境
Ceph 17.2.z (Quincy)
Distro | Release | Testing |
---|---|---|
CentOS | 8 | A |
Debian | 11 | C |
Ubuntu | 20.04 | A |
OpenSUSE | 15.3 | C |
Testingの意味
A: Ceph はパッケージを提供し、パッケージ内のソフトウェアに対して包括的なテストを行っています。
C: Ceph はパッケージのみを提供します。これらのリリースではテストは行われていません。
Cephのライセンス
CephはLGPL2.1ライセンス及びLGPL3.0ライセンスによるデュアルライセンスのオープンソース・ソフトウエアです。LGPLライセンスの特徴は、次のようなものです。
- 私的組織内部や個人で(private)利用するにあたってのソースコード改変、再コンパイルには制限がない。
- LGPLで頒布されたプログラムを再頒布する際にはソースコードを公開する必要がある。
Cephの参考情報
Ceph メインサイト
Cephソースコード
Cephドキュメント
Cephインストールマニュアル
Cephのサポート
NRIではお客様のご要望に応じて様々な支援ができるサービスをご用意しました。
詳細は下記ページをご確認ください。