LibreOfficeの概要
LibreOfficeとは、世界中で広く使われているオープンソースの高機能オフィススイート製品である「OpenOffice.org」の派生プロジェクトおよび製品です。
2010年1月、Sun Microsystems社がOracle社に買収されたことにより、「OpenOffice.org」の主要開発メンバーが独立した新組織「The Document Foundation」を立ち上げ、派生プロジェクト「LibreOffice」が誕生しました。2011年1月には、初の安定版「LibreOffice 3.3」がリリースされています。
「LibreOffice 3.3」では、「OpenOffice.org 3.3」の機能に加え、新たに開発された機能も加っています。
LibreOfficeは、Windows、Linux、Macのマルチプラットフォームに対応したオープンソースプロジェクトとして開発されています。
LibreOfficeは、オフィス統合環境の標準的ソフトといえるMicrosoft社の「Microsoft Office」と高いデータ互換性を持ち、「Microsoft Office」のワードやエクセルのファイルの読み込み、修正、保存などができます。また、OpenOffcie.orgで作ったファイルを、「Microsoft Office」のワードやエクセルが読み込み可能なファイル形式で保存することができます。
LibreOfficeは、文書作成・表計算・プレゼンテーション・図形描画などのソフトウェアで構成され、「Microsoft Office」と類似した操作性や機能も備えています。
LibreOfficeは、「OpenOffice.org」と同様にオフィスドキュメントのフォーマットにOpenDocument Format※(ODF, OpenDocument Format for Office Applications)という共通規格を採用しています。この規格が2006年にISO(国際標準化機構)に認定されたことから、数多くの海外の政府機関、自治体が「OpenOffice.org」を導入しています。
近年、日本でもコスト削減などを目的として企業や自治体での「OpenOffice.org」導入事例が増えていますが、今後は「OpenOffice.org」の派生プロジェクトLibreOffice導入実績も増えていくものと思われます。すでに、「OpenOffice.org」を導入している福島県の会津若松市では、LibreOfficeの試用も開始されています。
LibreOfficeの現在の最新バージョン(GA)は、LibreOffice (安定版) 5.1.6、LibreOffice (最新版) 5.2.3、5.2.4 です。(2017年1月現在)
※OpenDocument Format(ODF, OpenDocument Format for Office Applications)とは、XMLをベースとしたオフィススイート用のファイル形式。特定のベンダーに依存しないオフィススイートのためのファイル形式としてOASIS(構造化情報標準促進協会)がOASIS標準として認定。2006年には国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)により国際標準(ISO/IEC 26300)として認定された。日本でも、2010年に日本工業規格JIS X 4401:2010として規格化されている。
LibreOfficeのライセンス
LibreOfficeのライセンスはGNU Lesser General Public License(LGPL)です。LibreOfficeは個人・企業を問わず、ライセンス費用はかからず、無償で利用できます。ダウンロード、利用、ソースの改変、配布することもできます。
LibreOfficeの動作環境
前提となる動作環境は、以下のとおりです。(バージョン3.3の場合)
- Microsoft Windows
・Microsoft Windows XP SP3、Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows 8、Windows Server 2012、Windows10
・Pentium互換PC (Pentium IIIやAthlon、またはこれらのものより新しいものを推奨)
・メモリ 256 MB (512 MB以上を推奨)
・1.5 GB のハードディスクの空き容量
・解像度 1024x768 (またはこれ以上のものを推奨), 256色以上
- GNU/Linux
・Linux カーネル 2.6.18 またはそれ以降
・glibc2 2.5 またはそれ以降
・gtk 2.10.4 またはそれ以降
・Pentium互換PC (Pentium IIIやAthlon、またはこれらのものより新しいものを推奨)
・メモリ 256 MB (512 MB以上を推奨)
・1.55 GB のハードディスクの空き容量
・解像度 1024x768 (またはこれ以上のものを推奨), 256色以上で設定されたXサーバー
・Gnome 2.16 またはそれ以降。
(Gnome上で障碍者向けの支援技術を利用するためには、gail 1.8.6 と at-spi 1.7 をインストール) また、KDEなどの他のデスクトップ環境でも使用することは可能です. - Apple Mac OS X
・Mac OS X 10.8(Mountain Linon)またはそれ以降
・Intel プロセッサ
・メモリ 512 MB
・800 MB のハードディスクの空き容量
・解像度 1024x768 (またはこれ以上のものを推奨), 256色以上
LibreOfficeと同様の機能を提供する商品製品
商用ソフトウェア製品では、Microsoft Officeが、LibreOfficeと同様の機能を提供しています。
LibreOfficeの主な機能、商用製品との機能比較
主な機能と同様の機能を提供する商用製品は以下のとおりです。
LibreOffice と Microsoft Office 製品名対応表
分類 | 製品名 | Microsoft Office 製品名 |
---|---|---|
表計算 | LibreOffice Calc (カルク) | Microsoft Excel (エクセル) |
文書作成 | LibreOffice Writer (ライター) |
Microsoft Word(ワード) |
プレゼンテーション | LibreOffice Impress (インプレス) |
Microsoft PowerPoint (パワーポイント) |
図形描画 | LibreOffice Draw (ドロー) |
Microsoft Publisher (パブリッシャー) |
データベース | LibreOffice Base (ベース) |
Microsoft Access(アクセス) |
数式エディタ | LibreOffice Math (マス) | Microsoft 数式 |
グラフ | LibreOffice Charts(チャーツ) | |
ソフトウェアプラグイン | LibreOffice Extensions(イクステンションズ) | |
カスタムテンプレート | LibreOffice Templates(テンプレーツ) | Microsoft Officeホームページなどで掲載されているテンプレート(無料) |
開発用プログラミング言語 | LibreOffice Basic (ベーシック) |
Microsoft Visual Basic (ビジュアルベーシック) |
LibreOfficeの特徴
主な特徴は以下のとおりです。
オープン | LibreOfficeは、国際標準規格(ISO/IEC 26300)、日本工業規格(JIS X 4401:2010)のOpen Document Format(ODF)を採用しています |
---|---|
マルチプラットフォーム | LibreOfficeは Windows、Linux、MacなどのOSプラットフォームに対応しています |
「Microsoft Office」との 高い互換性 |
LibreOfficeは、数あるオフィススイート製品の中で「Microsoft Office」との高い互換性を持っています |
多数のファイル形式に対応 | 「Microsoft Office」をはじめ、さまざまな拡張子のファイル読み込みが可能です また、pdfやswfといったファイル保存もできます |
コスト効果 | LibreOfficeはライセンス費用がかからないため、商用製品に比べコストを削減することができます |
LibreOfficeのダウンロード
LibreOfficeのサポート
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