Apache OpenOfficeの概要
Apache OpenOffice(アパッチオープンオフィス)とは、世界中で広く使われているオープンソースの高機能オフィススイート製品です。
Apache OpenOfficeは、文書作成・表計算・プレゼンテーション・図形描画などのソフトウェアで構成され、オフィス統合環境の標準的ソフトといえるMicrosoft社の「Microsoft Office」と類似した操作性や機能を備えています。
また、Apache OpenOfficeは、「Microsoft Office」と高いデータ互換性を持ち、「Microsoft Office」のワードやエクセルのファイルの読み込み、修正、保存などができます。
Apache OpenOfficeで作ったファイルを、「Microsoft Office」のワードやエクセルで読み込み可能なファイル形式で保存することも可能です。
Apache OpenOfficeは、その前身であるOpenOffice.orgから、オフィスドキュメントのフォーマットに独自のOpenDocument Format※(ODF, OpenDocument Format for Office Applications)という共通規格を採用しています。
この規格が2006年にISO(国際標準化機構)に認定されたことから、数多くの海外の政府機関、自治体が、当時のOpenOffice.orgを導入しました。
Apache OpenOfficeは、OpenDocument Formatの他、Microsoft Office Formatにも対応しています。
日本でも2008年10月に、徳島県庁で部分的にOpenOffice.orgをインストールしての試用が開始され、2011年2月には、山形県が都道府県で初となる県庁の全パソコン約5600台に対してOpenOffice.orgを導入開始するといった、日本での大規模な導入事例も発表されました。
近年、コスト削減などを目的として、日本の様々な企業や自治体でのOpenOffice.org導入事例が増えてきたことから、後継プロジェクトのApache OpenOfficeについても今後の導入が進んでいくと思わていました。しかし、2016年9月、開発者不足のためApache OpenOfficeのプロジェクト終了が懸念されているというニュースが報じられました。現行でOpenOfficeを利用されている場合には、LibreOfficeなどへの移行を検討する必要があるかもしれません。
Apache OpenOfficeの現在の最新バージョン(GA)は、Apache OpenOffice3.4.1、4.0.1 、4.1.7です。
※OpenDocument Format(ODF, OpenDocument Format for Office Applications)とは、XMLをベースとしたオフィススイート用のファイル形式。特定のベンダーに依存しないオフィススイートのためのファイル形式としてOASIS(構造化情報標準促進協会)がOASIS標準として認定。2006年には国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)により国際標準(ISO/IEC 26300)として認定された。日本でも、2010年に日本工業規格JIS X 4401:2010として規格化されている。
Apache OpenOfficeのライセンス
Apache OpenOfficeのライセンスは、Apacheソフトウェア財団 (ASF) のソフトウェア向けライセンス規定であるApacheライセンスです。
Apache License(アパッチ・ライセンス)のコードが使用されていることの明記を条件に、ソースコードの自由な改変と公開が認められています。
Apache OpenOfficeの動作環境
前提となる動作環境は、以下のとおりです。(バージョン4.1.xの場合)
Microsoft Windows
- OS
Windows XP、Windows 2003、Windows 2012、Windows Vista、 Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、Windows 10 - メモリ
256 MB RAM (512 MB RAM 推奨) - ディスク容量
デフォルトインストールに最低650 MB (JRE含む)
インストール後、一時的におよそ440 MBのディスクが必要 - ディスプレイ解像度
1024 x 768ピクセルまたは、最低256色以上(1670万色を推奨)
GNU/Linux
- Linux カーネルバージョン
2.6以上 - glibc2バージョン
2.5以上 - メモリ
256 MB RAMの空きメモリ (512 MB RAM 推奨) - ディスク容量
400 MB以上 - ディスプレイ解像度
最低256色以上、1024 x 768ピクセル以上の解像度を持つXサーバ(1670万色を推奨)
※Apache OpenOfficeコミュニティにて、Linux (x86 RPM)、Linux (x86 DEB)、Linux (x86-64 RPM)、Linux (x86-64 DEB)ダウンロード可能
Mac OS X
- OS
Mac OS X 10.7 (Lion) 以上 - Intel Processor
- メモリ
512MB RAMの空きメモリ - ディスク容量
400 M B以上 - ディスプレイ解像度
1670万色で1024×768ピクセル以上の解像度
Java
- Java Runtime Environment (JRE)
1.5.x以上
※ Oracle Java 1.6.x, patch level 45またはOracle Java 7の最終バージョン及びLinuxユーザの場合、OpenJDK 6 , ビルド27、またはOpenJDK 7をもっとも推奨します。
すべてのプラットフォーム
- Java ランタイム環境
1.5以上 - その他
Linuxの場合GNOME 2.10以上のインストール
Apache OpenOfficeと同様の機能を提供する商品製品
商用ソフトウェア製品では、Microsoft Office、JUST Suiteが、Apache OpenOfficeと同様の機能を提供しています。
Apache OpenOfficeの主な機能、商用製品との機能比較
主な機能と同様の機能を提供する商用製品の対応は以下のとおりです。
Apache OpenOffice と Microsoft Office 製品名対応表
機能 | 製品名 | Microsoft Office 製品名 |
---|---|---|
表計算 | Apache OpenOffice Calc (カルク) |
Microsoft Excel (エクセル) |
文書作成 | Apache OpenOffice Writer (ライター) |
Microsoft Word(ワード) |
プレゼンテーション | Apache OpenOffice Impress(インプレス) | Microsoft PowerPoint (パワーポイント) |
図形描画 | Apache OpenOffice Draw (ドロー) |
Microsoft Draw(ドロー) Microsoft Publisher (パブリッシャー) |
データベース | Apache OpenOffice Base(ベース) | Microsoft Access(アクセス) |
数式エディタ | Apache OpenOffice Math (マス) |
Microsoft 数式 |
開発用プログラミング言語 | Apache OpenOffice (ベーシック) |
Microsoft Visual Basic (ビジュアルベーシック) |
Apache OpenOfficeの特徴
主な特徴は以下のとおりです。
オープン | Apache OpenOfficeは、国際標準規格(ISO/IEC 26300)、日本工業規格(JIS X 4401:2010)のOpen Document Format(ODF)を採用しています |
---|---|
マルチプラットフォーム | Apache OpenOfficeは Windows、Linux、MacなどのOSプラットフォームに対応しています |
「Microsoft Office」との 高い互換性 |
Apache OpenOfficeは、数あるオフィススイート製品の中で「Microsoft Office」との高い互換性を持っています |
多数のファイル形式に対応 | 「Microsoft Office」をはじめ、さまざまな拡張子のファイル読み込みが可能 また、pdfやswfといったファイル保存なども可能 |
コスト効果 | Apache OpenOfficeはライセンス費用がかからないため、商用製品に比べコストを削減することができます |
Apache OpenOfficeのダウンロード
Apache OpenOfficeのサポート
NRIではお客様のご要望に応じて様々な支援ができるサービスをご用意しました。
詳細は下記ページをご確認ください。