OpenLDAPの概要
OpenLDAP(オープンエルダップ)は、ディレクトリ・サービスに接続するために使用されるプロトコルであるLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)を実装したオープンソースのディレクトリ・サーバーソフトウェアです。ミシガン大学で開発されてから20年以上の歴史があり、同種のオープンソースソフトウェアの中では最も導入実績があります。現在も多くのLinuxディストリビューションに含まれています。
ディレクトリ・サービスは、ネットワークを利用するユーザ名やマシン名など、ネットワーク上に存在するさまざまな資源(リソース)や情報をツリー構造のデータベースを用いて一元的に管理し、検索するためのサービスです。また、管理する情報に対するアクセスコントロールも提供します。
このディレクトリ・サービスは、Windows、Linux、UNIXなどのさまざまなOSが混在するサーバ環境では、OSやプラットフォームごとに仕様 が異なる場合があります。このような場合、例えばユーザアカウント情報をサーバごと、プラットフォームごとに管理するため、セキュリティや管理負荷の面で多くの課題が指摘されていました。
OpenLDAP(オープンエルダップ)は、このようなマルチプラットフォーム環境でもOSやプラットフォームに依存せずにサーバ間・システム間で認証連携し、ユーザ情報データベースを統合管理してシングル・サインオンを実現することができる共通基盤のオープンソースとして注目されています。
OpenLDAPの主な特徴
OpenLDAP(オープンエルダップ)は、次のような特徴があります。
- ライセンス費用はゼロで、無料で使用できる(有償保守サポートを依頼する場合は別途費用がかかる)
- Unicodeによる国際化対応などを盛り込んだLDAP v3に準拠
- 数多くのLinuxディストリビューションで標準のLDAPサーバとして採用されている
- 様々なアプリケーションとの連携が可能
OpenLDAPの動作環境
OpenLDAPは、BSD系OS、AIX、HP-UX、macOS、Solaris、Windowsなどで動作します。
OpenLDAPと同類のソフトウェア
商用ソフトウェア製品では、IBMのDirectory Server、MicrosoftのActive Directory、Sun MicrosystemsのSun Java System Directory Server、NovellのNovell Directory Service、アップルのOpen Directory、Red HatのRed Hat Directory Serverが同様の機能を提供しています。
OpenLDAPのライセンス
OpenLDAP(オープンエルダップ)のライセンスは、OpenLDAP Public Licenseというライセンスです。OpenLDAP Public Licenseは、GPLと同等に、改変や再配布を誰でも自由に行うことができます。
OpenLDAP(オープンエルダップ)のライセンスについてご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。