Pentaho情報
Pentahoとは
Pentaho(ペンタホ)とは、オープンソースの統合ビジネスインテリジェンス(BI)製品(※1)です。
Pentahoは、従来の商用BI製品と同等の機能と性能を提供している統合BIスイート製品であり、ETL、多次元情報分析(OLAP)、クエリー&レポーティング、インタラクティブ分析、ダッシュボード、データマイニング、BI プラットフォームといった、データ統合とビジネスインテリジェンスのあらゆる機能を網羅しています。
商用のBI製品ベンダー出身の専門家や、オープンソースプロジェクトの技術者らによって開発され、2005年にバージョン1が発表されたPentahoはオープンソースでありながら本格的かつプロフェッショナルなBI製品として、ダウンロード数は500万以上、10,000以上のデプロイメント、さらに航空会社や半導体通信機器メーカー、流通小売店、ソフトウェアベンダーなどの大手企業、官公庁などの政府系組織、大学など、さまざまな分野や業種で2000以上の有償版導入実績があります。
Pentahoの開発元であるPentaho社は、2015年に米日立データシステムズ社に買収され、2016年9月に新たに発足した日立ヴァンタラ社の一員となりました。
Pentahoは、コミュニティによって提供される無償版の「コミュニティ・エディション(CE)」のほか、有償版「エンタープライズ・エディション(EE)」があります。
有償版ソフトウェアであっても、従来の非常に高価な商用BI製品と比較すると、コスト削減効果は高いと試算されています。
日立ヴァンタラは、年間契約で保守サービスを提供する形式のサブスクリプションの販売、および障害対応などの有償サポートの提供といったビジネスモデルを展開しています。
(※1)ビジネスインテリジェンス(BI)製品:業務システムなどから生じる、企業内の膨大なデータを、蓄積・分析・加工して、経営の意思決定に活用するためのソフトウェアです。企業の競争優位を確立し、経営や業務、ビジネスリスクなどの見える化を可能にするため、このBIソフトへの関心が一段と高まっています。
主な機能
アナライザー機能
- 高速ROLAP(リレーショナルOLAP)エンジン「Mondrian」による多次元分析
- インタラクティブ(対話形式)にデータを検索、分析レポートを提供
- ドリリング、ダイシング(集計軸の入れ替え)でのスピーディな集計表示
レポーティング機能
- 100%Javaで拡張性の高い定型レポーティング
- RDBやOLAP、XMLベースのデータソースを含む、幅広いデータソースをサポート
- PDF、HTML、Microsoft Excelやリッチテキスト、プレーンテキスト等各種出力形式に対応
- Webベースでのレポート作成
ダッシュボード機能
- Adobe Flashベースのチャート・グラフを含むリッチでインタラクティブなダッシュボード
- ダッシュボード・デザイナーとダッシュボード・フレームワーク
- セルフサービス型のダッシュボード・デザイナ機能(有償版のみ)
- ワークフロー、アラート、モニタリング機能も搭載
データ統合機能
- ドラッグ&ドロップ形式のGUIツールによるグラフィカルなETL定義
- 30以上のさまざまな商用/OSSデータソースをサポート
Pentaho for Big Data MapReduce & Instaview
- 完全なデータ統合 & アナリティクス、あらゆるビッグデータに対応
- インスタントでインタラクティブな分析も可能
データマイニング&予測分析機能
- データ・マイニング・エンジン「Weka」を搭載
- 豊富なマイニング・スキームを用いて、データに隠れたパターンや相関関係を発見
Pentaho画面サンプルなど
主な特徴
主な特徴は以下のとおりです。
BIスイート製品 |
多次元情報分析(OLAP)やレポートに加えて、データ統合(ETL)やデータマイニング、ダッシュボード、セキュリティやスケジューリングといったBIシステム構築に必要な機能を網羅 |
---|---|
Javaベース |
Javaベースのアーキテクチャのため、同じくJavaベースで構築されていることが多い企業情報システムとの親和性が高く、比較的容易に他システムとの連携が行える |
高い拡張性 |
オープンソースポリシーによってソースコード・仕様が公開され、さらにあらかじめ拡張しやすい設計になっているため、機能の追加やカスタマイズが容易 |
マルチOS/マルチクライアント |
さまざまなサーバーOSおよびクライアント環境に対応 |
オープンスタンダードな技術の採用 |
Common Warehouse Metamodel(CWM)に準拠しており、HTML、Ajax、XML、Java、URL、CDF、各種プラグインを採用 |
直観的な操作 |
ウェブベースで、ドラッグアンドドロップにより簡単にデザインできる各種デザイナーや、アドホッククエリーおよびレポートを提供 |
充実した企業向け |
大容量データ分析の Hadoop との統合や企業のアジャイル BI の取り組みのサポートを含む企業向けデータサービスを幅広く提供するプラットフォーム |
コスト効果 |
ライセンス費用がかからないうえ、ユーザ数に依存しない価格体系(サーバ課金)であるため、将来のユーザ数増加時にも対応しやすく、商用製品に比べて大幅に導入コストを削減可能 |
導入事例
Pentahoは、オープンソースでありながら本格的かつプロフェッショナルなBI製品として、ダウンロード数は500万以上、10,000以上のデプロイメント、さらに航空会社や半導体通信機器メーカー、流通小売店、ソフトウェアベンダーなどの大手企業、官公庁などの政府系組織、大学など、さまざまな分野や業種で2000以上の有償版導入実績があります。
類似プロダクト
商用ソフトウェア製品では、Oracle Business Intelligence、SAP BusinessObjectsシリーズ、IBM Cognos、Dr.Sum EA、Microsoft SQL Server 2008 の Reporting Serviceが、Pentahoと同様の機能を提供しています。
同じオープンソース製品では、 Jaspersoftが Pentahoと同様の機能を提供しています。
商用製品との機能比較
商用製品との機能の比較は以下のとおりです。
Pentaho BI スイートエンタープライズエディションの製品群
機能 |
Pentaho |
商用製品A |
商用製品B |
商用製品C |
---|---|---|---|---|
レポーティング | ||||
レポート作成 |
○ |
○ |
○ |
○ |
ブラウザベースのレポート作成 |
○ |
○ |
○ |
|
レポート管理 |
○ |
○ |
○ |
|
アドホックレポート |
○ |
○ |
○ |
○ |
セマンティックレイヤー統合 |
○ |
○ |
○ |
|
レポートスケジューリング |
○ |
○ |
○ |
○ |
メタデータ管理/セマンティックレイヤー | ||||
セマンティックレイヤー |
○ |
○ |
○ |
|
データディクショナリとの統合 |
○ |
○ |
||
レポート作成統合 |
○ |
○ |
○ |
○ |
ダッシュボード作成統合 |
○ |
○ |
○ |
|
ダッシュボード | ||||
ダッシュボードとレポートの統合 |
○ |
○ |
○ |
○ |
ポータル統合 |
○ |
○ |
○ |
○ |
レポートへのドリルダウン |
○ |
○ |
○ |
○ |
KPIやゲージ |
○ |
○ |
○ |
○ |
地図のサポート |
○ |
○ |
○ |
|
セキュリティモデルとの統合 |
○ |
○ |
○ |
○ |
エンドユーザによるダッシュボード作成 |
○ |
○ |
○ |
|
アラート |
○ |
○ |
○ |
|
OLAP/分析 | ||||
OLAP可能なプラットフォーム |
○ |
○ |
○ |
○ |
キューブデサイン |
○ |
○ |
○ |
|
分析ツール付属 |
○ |
○ |
○ |
○ |
レポーティング環境との統合 |
○ |
○ |
○ |
|
セキュリティ | ||||
グループ、ロール、パーミッション Yes |
○ |
○ |
○ |
○ |
SSOサポート |
○ |
○ |
○ |
○ |
ローレベルセキュリティ |
○ |
○ |
||
カラムレベルセキュリティ |
○ |
○ |
○ |
|
ETL | ||||
ETL機能 |
○ |
○(オプション) |
○(オプション) |
|
スケジューリング機能 |
○ |
○(オプション) |
○(オプション) |
|
クラウド/Webサービス連携 |
○ |
|||
BIプラットフォームとの連携 |
○ |
○ |
||
その他 | ||||
統合ワークフロー他 |
○ |
|||
レポートバースト(バッチレポート) |
○ |
○ |
○ |
|
Java API |
○ |
○ |
○ |
|
.NET API |
○ |
○ |
○ |
|
拡張性 |
○ |
○ |
○ |
○ |
インフラ | ||||
Apacheサポート |
○ |
○ |
○ |
|
JBossサポート |
○ |
○ |
||
IISサポート |
○ |
○ |
○ |
○ |
SQL Serverサポート |
○ |
○ |
○ |
○ |
Oracleサポート |
○ |
○ |
○ |
○ |
Linuxサポート |
○ |
○ |
○ |
|
Windowsサポート |
○ |
○ |
○ |
○ |
動作環境
前提となる動作環境は、以下のとおりです。
<サーバ>(バージョンPentaho 9.2 の場合)
OS 64bit
- Microsoft Windows 2016 Server
- CentOS 7 & 8
- Red Hat Enterprise Linux 7 & 8
- Ubuntu Server 16.04 LTS & 18.04 LTS
- SUSE Linux SLES 12
必要メモリ容量
- Server:8GB以上(Pentahoサーバ:4GB
必要ディスク容量
- Server:20GB以上
プロセッサ
- Intel EM64T または AMD64 Dual-Core
その他動作環境
- Oracle Java 8
<サーバ>(バージョンPentaho 8.1 の場合)
OS 64bit
- Microsoft Windows 2012 Server R2 & 2016 Server R2
- CentOS 6 & 7
- Red Hat Enterprise Linux 6 & 7
- Ubuntu Server 14.04 LTS & 16.04 LTS
- SUSE Linux SLES 11 (SP3+)
必要メモリ容量
- Server:8GB以上(Pentahoサーバ:4GB
必要ディスク容量
- Server:20GB以上
プロセッサ
- Intel EM64T または AMD64 Dual-Core
その他動作環境
- Oracle Java 8
<サーバ>(バージョンPentaho 7.x の場合)
OS 64bit
- Microsoft Windows 2008 Server R2 & 2012 Server R2
- CentOS 6 & 7
- Red Hat Enterprise Linux 6 & 7
- Ubuntu Server 14.04 LTS & 16.04 LTS
- SUSE Linux SLES 11 (SP3+)
必要メモリ容量
- Server:8GB以上(Pentahoサーバ:4GB
必要ディスク容量
- Server:20GB以上
プロセッサ
- Intel EM64T または AMD64 Dual-Core
その他動作環境
- Oracle Java 7、8
<サーバ>(バージョンPentaho 6.1.x の場合)
- Pentaho Business Analysis Server
- Pentaho Data Integration Server
OS 64bit
- Microsoft Windows 2008 Server R2 & 2012 Server
- CentOS 6 & 7
- Red Hat Enterprise Linux 6 & 7
- Ubuntu Server 12.04 LTS & 14.04 LTS
- OSX 10.10 & 10.11
- Suse Linux SLES 11 (SP3+)
必要メモリ容量
- Server:8GB以上(Pentahoサーバ:4GB
必要ディスク容量
- Server:20GB以上
プロセッサ
- Intel EM64T または AMD64 Dual-Core
その他動作環境
- Oracle Java 7、8
<サーバ>(バージョンPentaho 5.4.x の場合)
- Pentaho Business Analysis Server
- Pentaho Data Integration Server
OS
- Microsoft Windows 2008 Server R2、2012 Server R2
- Apple Macintosh OS X Server 10.9 & 10.10
- CentOS Linux 5 & 6
- Red Hat Enterprise Linux 5 & 6
- Solaris 10
- Ubuntu Server 12.04 LTS & 14.04 LTS
必要メモリ容量
- Server:8GB以上(Pentahoサーバ:4GB
必要ディスク容量
- Server:20GB以上
プロセッサ
- Intel EM64T もしくはAMD 64 Dual-Core
- Apple Macintosh Pro Quad-Core もしくは Macintosh Mini Quad-Core
その他動作環境
- Oracle Java 6、7
<クライアント>(バージョンPentaho 9.2 の場合)
- Pentaho Aggregation Designer
- Pentaho Data Integration
- Pentaho Metadata Editor
- Pentaho Report Designer
- Pentaho Schema Workbench
OS 64bit
- Microsoft Windows 8 & 10
- Ubuntu Desktop 16.04 LTS & 18.04 LTS
- macOS 10.13, 10.14, & 10.15
必要メモリ容量
- デザインツール用に2GB、PDI向けに2GB以上
必要ディスク容量
- 2GB以上
ディスプレイサイズ
- 1280 x 960以上
プロセッサ
- Apple Macintosh Dual-Core
- Intel EM64T または AMD64 Dual-Core
<クライアント>(バージョンPentaho 8.1 の場合)
- Pentaho Aggregation Designer
- Pentaho Data Integration
- Pentaho Metadata Editor
- Pentaho Report Designer
- Pentaho Schema Workbench
OS 64bit
- Microsoft Windows 7 & 8 & 10
- Ubuntu Server 14.04 LTS & 16.04 LTS
必要メモリ容量
- デザインツール用に2GB、PDI向けに2GB以上
必要ディスク容量
- 2GB以上
ディスプレイサイズ
- 1280 x 960以上
プロセッサ
- Apple Macintosh Dual-Core
- Intel EM64T または AMD64 Dual-Core
<クライアント>(バージョンPentaho 7.x の場合)
- Pentaho Aggregation Designer
- Pentaho Data Integration
- Pentaho Metadata Editor
- Pentaho Report Designer
- Pentaho Schema Workbench
OS 64bit
- Microsoft Windows 7 & 8 & 10
- Ubuntu Server 14.04 LTS & 16.04 LTS
必要メモリ容量
- 2GB以上
必要ディスク容量
- 2GB以上
ディスプレイサイズ
- 1280 x 960
プロセッサ
- Apple Macintosh Dual-Core
- Intel EM64T または AMD64 Dual-Core
<クライアント>(バージョンPentaho 6.1.x の場合)
- Pentaho Aggregation Designer
- Pentaho Data Integration
- Pentaho Metadata Editor
- Pentaho Schema Workbench
- Pentaho Report Designer
OS 64bit
- Microsoft Windows 7 & 10
- Apple Macintosh OS X 10.10 & 10.11
-
Ubuntu Server 12.04 LTS & 14.04 LTS
- iOS 8.x
必要メモリ容量
- 2GB以上
必要ディスク容量
- 2GB以上
ディスプレイサイズ
- 1280 x 960
プロセッサ
- Apple Macintosh Dual-Core
- Intel EM64T または AMD64 Dual-Core
<クライアント>(バージョンPentaho 5.4.x の場合)
- Pentaho Aggregation Designer
- Pentaho Data Integration
- Pentaho Metadata Editor
- Pentaho Report Designer
- Pentaho Schema Workbench
OS
- Microsoft Windows 7 & 8
- Apple Macintosh OS 10.9 & 10.10 (※64bitのみ)
- Ubuntu Desktop 12.04 LTS & 14.01 LTS
- iPad 2、3 & Air(iOS7.x & 8.x)
必要メモリ容量
- 2GB以上
必要ディスク容量
- 2GB以上
ディスプレイサイズ
- 1280 x 960
プロセッサ
- Dual-core AMD64 もしくは EM64T
- Apple Macintosh Dual-Core(※64bitのみ)
Pentahoのライセンス
Pentahoは、オープンソースのコンテンツ管理ソフトウェア製品であり、利用者が利用用途に応じて無償の「GPLライセンス(GNU General Public License)」か、「商用ライセンス」のいずれかを選択する、「デュアルライセンスモデル」を採用しています。利用者は、その用途やシステム用件に応じて「GPLライセンス」か「商用ライセンス」を選択します。
GPLライセンスの「コミュニティ・エディション」(CE)では、Pentahoの使用にあたってGPLのライセンス使用条件に従う必要があります。商用製品として使用する場合などは使用条件を詳細に確認する必要があります。
商用ライセンスの有償版「エンタープライズ・エディション」(EE)は、品質が保証されたPentahoソフトウェアを1年間使用できるサブスクリプションライセンスです。ソフトウェアの使用のほかに1年間のテクニカルサポートが提供されます。また、ダッシュボード・デザイナーやアナライズ・レポートなど、EE独自の機能も利用できます。
オープンソース年間サポートサービス
OpenStandiaではOSSを安心してご利用いただけるように、オープンソース年間サポートサービスをご提供しております。
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サポート対象
Jaspersoft
ジャスパーソフト。PDFやHTMLなど様々な出力形式の帳票を作成することができるライブラリ
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Eclipse BIRT
エクリプス バート。BIRTとは、Business Intelligence and Reportting Toolsの頭文字で、Eclipse上で利用できるレポート開発環境です。