Rancherの概要
Rancher(ランチャー)はRancher Labsが主導となって開発しているKaaS(Kubernetes-as-a-Service)を実現するプロダクトで、Multi-Cluster Kubernetes Management を行うためのOSSです。
Kubernetesクラスターをオンプレ・クラウド環境問わずGUIで作成及び管理することができるため、CUIの操作に慣れていない人でも簡単に扱うことができることも大きな特徴です。既存のKubernetesをインポートしてRancherで管理することも可能です。
また、Catalogサービス(Helm等)もデフォルトで内包されているため管理下のKubernetesに簡単に複数のサービスをデプロイすることが可能です。
現在、Rancherと同様の機能をもったOSSは見られませんが、クラウドサービスでは2019年4月にGoogleが発表したAnthosが同様のコンセプトのサービスとなるようです。
Rancherの特長
Rancher には以下の特徴があります。
- Multi-Platform
- セキュリティ
- Cloud Native Stack
- CI/CD
2019年4月現在RancherはEKS・GKE・AKS・RKE(オンプレ)のKubernetesクラスターに対応しています。
複数のサービスでKubernetesを利用している場合はRancherを利用することでそれらすべてを一括管理することができます。
RancherはWebコンソールからKubernetesクラスターの管理を行いますが、そのコンソールにログインするユーザごとに権限(ロール)を割り当てることができるためどのユーザがどのクラスターにどのような操作を許可するのかを設定することができます。
Kubernetesクラスターで必要となることの多いCloud Native サービス(Prometheus・Helm・fluentd・Istioなど)をサポートしているため、それらの導入を容易に行うことができます。
CI/CD機能が統合されているため別途CI/CDツールをインストールする必要がありません。RancherのCI/CDツールはパイプラインにJnekins、アーティファクトの保管にMinio、コンテナイメージの保管にDockerレジストリを利用しています。GitLabとGitHubとの連携も可能となっており、コードのプッシュやコミット等をトリガーにパイプラインの実行が可能です。
その他
Rancherは2019年4月現在2系が最新バージョンとなっており、1系からの仕様変更が大きいので2系から利用することをおすすめします。
開発も活発に行われており、Googleが発表したAnthosの影響でより今後、より注目が集まることが期待されています。
Rancher Labsはコンテナ関連のOSSを主に開発しており、Rancher以外にもRancherOSやk3sなどのプロダクトがあり、日本でもMeetupが頻繁に行われています。
参考サイト
サポート
- 現在、Rancherのサポートは提供していません。