バージョンアップ情報
Red Hat Runtimes情報
Red Hat Runtimesとは
Red Hat Runtimes は、Red Hat が提供する クラウドネイティブアプリケーションの開発・デプロイ・管理を支援するランタイムおよびツールを1つにまとめたスイート です。
特に コンテナや Kubernetes 環境などの分散化されたクラウドアーキテクチャ での実行を想定して最適化されています。
モダンなアプリケーション開発のためのランタイムとツールを提供するプラットフォーム であり、特に OpenShift / Kubernetes 上でのアプリケーション運用を想定 した最適化がされており、クラウドネイティブな開発を加速します。
主な特徴
クラウドネイティブ対応
- OpenShift や Kubernetes 上での動作を想定した最適化
- マイクロサービスアーキテクチャのサポート
多様なランタイム環境とフレームワークを提供
- Java(Quarkus、Spring Boot、Thorntail、OpenJDK など)
- Node.js
- Vert.x(リアクティブプログラミング向け)
- Reactive Messaging(AMQP、Kafka などと統合可能)
DevOps & CI/CD 向けツールの統合
- OpenShift Pipelines、Tekton、Jenkins などと統合
- Red Hat Application Services(Kafka、AMQ、Data Grid など)と連携
高パフォーマンス & 軽量
- Quarkus(クラウド向け Java フレームワーク)により高速起動・低メモリ消費
- GraalVM との統合でネイティブコンパイル対応
分散型インメモリキャッシュ
-
Red Hat Runtimes に含まれる 分散型インメモリキャッシュ とは、Red Hat Data Grid(旧 JBoss Data Grid)のことを指します。
これは 高性能・スケーラブルな分散型キャッシュ &データストア であり、特にクラウドネイティブ環境でのデータ管理を最適化するために設計されています。
エンタープライズ向けサポート
- Red Hat による公式サポートとセキュリティパッチ提供
主要コンポーネント
コンポーネント |
説明 |
---|---|
Quarkus |
軽量・高速なクラウドネイティブ Java フレームワーク |
Spring Boot |
既存の Spring アプリケーションを Red Hat 環境で実行 |
Node.js |
JavaScript/TypeScript のバックエンド開発向け |
Vert.x |
リアクティブプログラミング対応の軽量フレームワーク |
OpenJDK |
Red Hat によるサポート付き JDK |
Data Grid |
インメモリデータグリッド(分散キャッシュ) |
AMQ |
高性能メッセージング(Apache ActiveMQ / Kafka ベース) |
活用例
- マイクロサービスの開発(Spring Boot / Quarkus + Kubernetes)
- リアルタイム処理(Vert.x + Kafka)
- 軽量・高速なクラウドネイティブアプリ(Quarkus + OpenShift)
- API ゲートウェイ & メッセージング(Node.js + AMQ)
メリット・デメリット
メリット・必要性
Kubernetes / OpenShift によってアプリを簡単にスケールアップ・スケールダウンでき、コンテナ化 & マイクロサービス開発が容易 に出来ます。
また、分散型インメモリキャッシュでリアルタイムデータ処理が可能でDB ボトルネックを解消し、アプリのパフォーマンスを向上 させます。
Spring Boot / Quarkus / Node.js / Vert.x / OpenJDK など、様々なフレームワークをサポート しているので既存の Java / Node.js アプリをクラウドに移行しやすいです。
デメリット・注意点・課題
JavaベースでSpring Boot / Quarkus などに最適化されているため、他の技術スタック(Go, Python, .NET)とは相性が悪い場合がある。 クラウドネイティブ向けのツールが多いため、設定が複雑になりやすい。Quarkus, Data Grid, AMQ, Kafka などを組み合わせると、各ツールの設定や連携に時間がかかる。などがあります。
動作環境
カテゴリ |
詳細 |
---|---|
対応 OS |
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7 / 8 / 9 推奨 |
対応プラットフォーム |
OpenShift(推奨)、Kubernetes、VM、オンプレ、パブリッククラウド |
コンテナ環境 |
Docker, Podman, Kubernetes, OpenShift |
パブリッククラウド |
AWS, Azure, GCP 公式対応 |
必須ソフトウェア |
OpenJDK, Quarkus, Spring Boot, Data Grid, AMQ など |
ハードウェア要件 |
2 vCPU / 4GB RAM 以上(用途による) |
参考情報
サポートOSS一覧
OpenStandiaではOSSを安心してご利用いただけるように、オープンソース年間サポートサービスをご提供しております。
サポートしているOSSは下記ページをご参照ください。
関連OSS
-
サポート対象
Spring Boot
スプリング ブート。Springフレームワークのアプリケーションを簡単に開発できるオープンソースのJavaフレームワークです。
-
サポート対象
OpenJDK
オープンジェイディーケー。JavaSE(Java Platform, Standard Edition)のオープンソースのリファレンス実装で、Oracle Java SE と同等の機能を持っています。
-
サポート対象
Kubernetes
クーバネティス。Dockerをはじめとするコンテナ化されたアプリケーションの展開、スケーリング、管理を行うオープンソースのプラットフォームです。