JBoss EAPの概要
Red Hat JBoss Enterprise Application Platform (JBoss EAP) は、Java Enterprise Edition (Java EE ) のフルプラットフォームおよび Web プロファイル仕様の認定実装です。
JBoss EAP のメジャーバージョンはWildFlyコミュニティプロジェクトの機能の完全性が一定のレベルに達した時点で、コミュニティプロジェクトからフォークされます。
例えば、最新(2018/8時点)のJBoss EAP 7.1 は WildFly 11 の作業ブランチからフォークされています。
JBoss EAP はフォーク後に安定化、認定、及び改良が行われるため、WildFlyに比べ、エンタープライズに特化した製品と言えます。
同様の機能を提供する製品としては以下のようなものがあります。
特徴
JBoss EAP は、高可用性クラスタリング、メッセージング、分散キャッシュなどのオプション機能を提供します。ユーザーは JBoss EAP が提供するさまざまな API やサービスを使用して、アプリケーションをデプロイ、実行することができます。
以下に、JBoss EAPの主要機能を示します。
Java EE 準拠
Java Enterprise Edition 7 の フルプラットフォームおよび Web プロファイルは認定されています。
管理対象ドメイン
複数のサーバーインスタンスと物理ホストを一元管理することができます。設定、デプロイメント、ソケットバインディング、モジュール、拡張、およびシステムプロパティーをサーバーグループごとに管理します。アプリケーションセキュリティー (セキュリティードメインを含む) を一元的および簡単に管理します。
管理コンソール及び管理 CLI
管理インターフェースです。管理 CLI には、管理タスクをスクリプト化および自動化できるバッチモードも含まれています。
簡素化されたディレクトリーのレイアウト
モジュールディレクトリーにはすべてのアプリケーションサーバーモジュールが含まれています。ドメインディレクトリーにはドメインデプロイメントのアーティファクトが含まれ、スタンドアロンディレクトリーにはスタンドアロンデプロイメントの設定ファイルが含まれています。
モジュラークラスローディングの仕組み
モジュールは要求に応じてロード・アンロードされます。不要なモジュールのアンロードによりパフォーマンスの向上およびセキュリティーの強化が実現され、起動および再起動時間が短縮されます。
データソース管理の合理化
データベースドライバーは他のサービスと同様にデプロイされます。データソースは管理コンソールと管理 CLI を使用して作成・管理できます。
JBoss EAP を利用したシステムの実装例
この例では、JBoss EAP に2つのアプリケーションをデプロイし、
認証サーバとデータベースへ接続することを想定しています。
ユーザからのリクエストは undetow サブシステムによって処理され、
適切なアプリケーションに振り分けられます。
認証サーバとの接続は security 又は elytron サブシステムを利用することで実装でき、
データベースとの接続は datasource サブシステムを利用して容易に実装できます。
システム要件
Java仮想マシン | バージョン |
---|---|
Open JDK | 1.8 |
Oracle JDK | 1.8 |
IBM JDK | 1.8 |
HP JDK | 1.8 |
OS | アーキテクチャ |
---|---|
Red Hat Enterprise Linux 7 (最新アップデート) | x86_64 |
Red Hat Enterprise Linux 6 (最新アップデート) | x86・x86_64 |
Microsoft Windows Server 2016 | x86_64 |
Microsoft Windows Server 2012 R2 | x86_64 |
Microsoft Windows Server 2008 R2 | x86_64 |
Oracle Solaris 11 | SPARC64・x86_64 |
Oracle Solaris 10 | SPARC64・x86_64 |
HP-UX 11v3 | Itanium 64・x86_64 |
詳細は公式サイトをご参照ください