Tomcatの概要
Tomcatは、世界中で広く使われているオープンソースのWEBコンテナです。
Tomcatの正式名称は「Apache Tomcat」ですが、単に「Tomcat」と言っても多くの人が認知できるほどで、今やWEBコンテナのデファクトスタンダートと言っても過言ではありません。Tomcatは、Java言語で書かれており、Javaが動作する多くのプラットフォームで利用可能、安定していて軽快である、性能が良い等の理由から、日本のエンタープライズシステムにおいても数多く採用されています。
Tomcatは、Java サーブレットおよびJSP(Java Server Page)のリファレンス実装としてサン・マイクロシステムズ社で開発が始まり、1999年にApache Software Foundation(Apacheソフトウェア財団、ASF)に寄贈された後、初期バージョンとして3.0が発表されました。
Tomcat「雄猫」という名前は単独で行動し戦えるというイメージから来たもので、開発者のジェームズ・ダンカン・デヴィッドソンにより名付けられました。
現在も積極的なバージョンアップが繰り返され、Apache Software Foundationが保有するトップレベルプロジェクトの1つとして現在でも進化し続けています。
最新バージョンの10.0.Xでは、Servlet 5.0、JSP 3.0、EL 4.0、Web Socket 2.0、HTTP/2などの機能が取り入れられています。現在開発中の次期バージョンの10.1.x では、Servlet 6.0、JSP 3.1、EL 5.0、Web Socket(バージョン未確定)、Authentication(JASPIC)(バージョン未確定) が実装されます。
日本においては、性能が安定しているゆえに、保守サポートに入らずに過去バージョンのTomcatを長期間に渡って利用し続けている企業も多いようです。しかし、システムトラブルが発生した際には、解決方法を聞く場所がないといった問題も発生していました。
しかし、近年では、Tomcatの普及に伴ってTomcatの保守・サポートサービスを提供するベンダーが登場し、エンタープライズシステムにおいてもこれまで以上に安心してTomcatを利用する環境が整ってきたと言えます。
野村総合研究所(NRI)では、過去バージョンや、Windows環境で利用するTomcatなどでもしっかりサポートいたします。7年間以上の長期間サポート、個別パッチの開発、周辺オープンソースとのワンストップサポートなど、ソースコードの修正まで行えるハイレベルなサポート専任エンジニアによるNRI独自の安心サポートサービスをご提供しています。
Tomcatのライセンス
Tomcatのライセンスは、「Apacheライセンスバージョン2」(Apache License version2)というライセンスに基づいて公開され、営利、非営利を問わず、誰でも自由かつ無償で利用・改変・再配布できるようになっています。
Tomcatは、サーブレット/JSP仕様に対応にしたリリースモジュールを使用します。
Tomcatの有償サポートについてご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
Tomcatと同類のソフトウェア
商用ソフトウェア製品では、WebLogic Express、WebSphere Application Server Expressが、Tomcatと同様の機能を提供しています。
Tomcatの主な特徴
Tomcatは、高性能や高い安定性だけではなく、次のような特徴があります。
機能や性能、実績などは、商用製品でもTomcatでもほとんど変わらないため、「よりオープンスタンダードである」「よりコストを削減できる」という点 が、Tomcat採用の決め手になっているようです。
JSP/Servlet標準仕様 | Tomcatは、JavaサーブレットとJSPの公式なリファレンス実装として開発・実装されています。 Tomcat単体で、Webサーバ(httpd)としても動作しますが、通常はApacheやIISと組み合わせて利用します |
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軽快な動作、安定性 | Tomcatは動作が安定していて軽快であるため、商用製品のようにハイスペックなハードウェアを要求することもなく、インストールも簡単です |
マルチプラットフォーム | Tomcatは Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux、Sun Solaris、HP-UX、Microsoft Windows、AIXなど、さまざまなOSプラットフォームに対応しています |
世界中で利用されている | 世界中で広く利用されているWebコンテナのデファクトスタンダードであり、日本でも数多くの導入事例があります |
高機能・高性能 | TomcatはJSP/Servlet標準仕様で機能は商用製品と同等で、 性能は商用と同等か、むしろ速いです |
技術者を集めやすい | Tomcatは世界中で利用されているデファクトスタンダードであるため、大人数で開発するプロジェクトやオフショア開発の際などにも技術者を集めやすいといえます。 また、環境構築や開発に余分な教育コストがかからない、知的資産を共有しやすいなどのメリットもあります |
長期間に渡って利用可能 | 通常商用製品のサポートは3~5年間ですが、Tomcatは動作が安定しているためノンサポートでも長期間に渡って利用できるケースが多く見られます NRIでは過去バージョンを含め、Tomcatを最長7年間(以降も応相談)でサポートできます |
コスト効果 | Tomcatは高機能なWEBコンテナでありながら、ライセンスコストがかからない(無料である)ため、気軽に試すことが可能であり、また商用製品に比べコストを大幅に削減することができます |
NRIのTomcatサポート(保守/サポートサービス)
NRIでは、これまでにオープンソースシステムの構築・運用・サポートを国内1000以上の企業数(プロジェクト数)に導入してまいりました。
なかでもTomcatは、 2003年にTomcatの有償サポートサービスを開始して以来、先進的なプロジェクトでの数多くの導入実績、保守サポート実績、ノウハウを持っています。
NRIでは、ハードウェアベンダーやOSを問わず、Linuxはもちろん、WindowsやSolaris上のTomcatもサポートすることができます。 また、すでにTomcatをご利用のお客様がそのままのバージョンで安心して長期間ご利用いただけるよう、過去バージョンのTomcat(5.5.x、6.0.x、7.0.x、8.0.x など)もサポートします。
Tomcatを中心に、アプリケーション開発フレームワークやJava共通部品群など、オープンスタンダードなコンポーネントで構成される、 JavaベースのWebアプリケーションサーバ OpenStandia/ApplicationServerを活用したシステム構築事例や、Tomcatサポート事例をご紹介しています。
詳細は「導入事例」「OSS基盤構築はおまかせ」をご覧ください。
Tomcatの保守サポートについてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
Tomcatサポート対応バージョン
- Tomcat 10.x
- Tomcat 9.x
- Tomcat 8.5.x
- Tomcat 8.0.x
- Tomcat 7.0.x
- Tomcat 6.0.x
- Tomcat 5.5.x
※Tomcatサポート対象の詳細バージョンはお気軽にお問い合わせください。
TomcatとServlet/JSPバージョン対応表
Apache Tomcatバージョン | Servlet Spec | JSP Spec | EL Spec | WebSocket Spec | JDK |
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10.0.x | 5.0 | 3.0 | 4.0 | 2.0 | 8以上 |
9.0.x | 4.0 | 2.3 | 3.0 | 1.1 | 8以上 |
8.5.x | 3.1 | 2.3 | 3.0 | 1.1 | 7以上 |
8.0.x(EOL) | 3.1 | 2.3 | 3.0 | 1.1 | 7以上 |
7.0.x(EOL) | 3 | 2.2 | 2.2 | 1.1 | 6以上 |
6.0.x(EOL) | 2.5 | 2.1 | 2.1 | - | 5以上 |
5.5.x(EOL) | 2.4 | 2 | - | - | 1.4以上 |
参照元:http://tomcat.apache.org/whichversion.html