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Pacemaker

サポート対象

NRIのOpenStandiaが提供するPacemaker最新情報

Pacemaker情報

Pacemaker とは

Pacemaker(ペースメーカー)とは、オープンソースの高可用性(High Availability)を実現するHAクラスタリングソフトウェアです。

Pacemakerは、最も利用実績の多いHAクラスタリングソフトウェアHeartbeat(ハートビート)のリソース制御機能(CRM※)でしたが、2008年に開発者であるAndrew Beekhof(アンドリュー・ビーコフ)氏により別のプロジェクトとして分離され、Heartbeat の実質的な後継ソフトウェアとなりました。

※CRM(Cluster Resource Management)とはクラスタ上で動作するリソース(サービス、IPアドレス、データへのアクセスなど)の配置を調整して最適化するリソース制御機能です。

Pacemakerは、冗長化構成を組んでいるシステムにおいて、本番稼動しているサーバで故障が発生しサービスができなくなった際に、待機系のサーバマシンへと自動的な切替えを行い(フェイルオーバ)、サービス停止時間を可能な限り短縮します。
Pacemakerは、ノード2台の小規模から、最大約32ノードの大規模クラスタまで、多彩なHAクラスタに適応することができます。

Heartbeatには、クラスタ制御機能とPacemakerの元であるリソース制御機能(CRM)がありましたが、Pacemakerは、クラスタ制御機能に Heartbeat または実績のあるOpenAISプロジェクトが開発するCorosyncのどちらかを選択し、組み合わせて使用することが出来ます。

Pacemaker 1.1.12以降では、クラスタ制御機能はHeartbeatではなくCorosyncが推奨されるようになりました。
株式会社野村総合研究所(NRI) OpenStandiaでは、最も実績があり安定稼働するPacemaker(安定バージョン)とCorosync(安定バージョン)の組み合わせでHA構成を提供しています。
Pacemakerのリソース制御にはRA(Resource Agent)と呼ばれるスクリプトを実装します。
このRAにはOCFスクリプトとLSBスクリプトの2種類があります。
OCFスクリプトの情報は以下となります。

主な機能

主な機能は、以下のとおりです。

ノード監視機能

  • 最大約32ノードまでの多彩なノード構成(1+1, N+1, N+M 等)に対応
  • ノードの生死を確認するため、一定間隔で通信(ハートビート通信)を行い、ハートビート通信に失敗すると、ノードがダウンしたと判断してフェイルオーバなどのクラスタ制御を実施する

リソース監視機能

  • ノード故障、ディスク故障、ネットワーク障害を監視
  • リソースの起動(start)、停止(stop)、監視(monitor)し、
     正常動作していないと判断した場合にリソースの  フェイルオーバ処理を実施

提供されているリソースエージェント例

  • DB:PostgreSQL、MySQL、Oracle
  • Webサーバ:Apache、Nginx
  • APサーバ:Apache Tomcat
  • FTPサーバ:Pure-FTPd、ProFTPD
  • バックアップ:NetVault
  • データ同期:DRBD、rsync
  • 仮想化:Xen(VirtualDomain)、KVM
  • その他:ファイルシステム、仮想IPアドレス、Samba、LVM、syslog-ng、NFSサーバなど

スプリットブレイン対応機能

(スプリットブレインの際に、サービスを正しく起動させるための各種機能)

  • STONITH機能(強制電源断)
  • sfex(共有ディスク排他制御)
  • Quorum機能(ノード数に基づくリソース制御)
  • VIPcheck(サービス用仮想IPアドレスに基づくリソース制御)など

主な特徴

主な特徴は以下のとおりです。

多彩なクラスタ構成

1+1(アクティブ/アクティブ、アクティブ/パッシブ)、N+1、N+M、N 対 1、N 対 Nといったさまざまな形式のクラスタ構成を実現できます

主要アプリケーションの監視に対応

Linuxを使用したシステムでの主要なアプリケーション(PostgreSQL、MySQL、Apache Tomcat、NetVault、Pure-FTPdなど)の監視、制御ができます
DRBDのような待機系でも稼働するアプリケーションの監視、制御も可能です

豊富な導入実績

Linuxで最も実績のあるクラスタサービス「Heartbeat」の後継ソフトウェアとして、Pacemakerも多くの導入実績があります

スプリットブレイン対応

共有ディスクへの排他制御機能などといった、スプリットブレインの際にサービスを正しく起動させるための各種機能が用意されています

複数OSSとの組み合わせたHA環境

Pacemakerは共有ディスク方式もサポートしますが、とくにDRBDと組み合わせることによって、単一障害点(SPOF)を持たない理想的なシェアードナッシング・クラスタシステムを構築できます

万全なサポート

Pacemakerは開発元のLINBIT社と、パートナー企業提供によるハイレベルで正式な保守サポートが提供されます
NRIでは、「オープンソース・ワンストップサービスOpenStandia(オープンスタンディア)」で、Pacemakerを含む約50種類のオープンソースをワンストップでサポートします

コスト効果

Pacemakerは高機能なクラスタ管理ソフトウェアでありながら、ソフトウェアのライセンスコストを削減することができます
さらに、Pacemakerのほか、Heartbeat、Corosync、OpenAIS、DRBDなど複数のOSSを組み合わせて実現するHA構成の場合は、ハードウェアもSANディスクといった高価な機器を必要とせず、商用製品を利用したクラスタリングソリューションよりもさらに低コストでDBの冗長構成が実現できます

導入事例

Pacemakerは、オープンソースAクラスタリングソフトウェアとして、中小から大規模まで、さまざまな業種で幅広く利用されています。

同様の機能を提供する商用製品

同様の機能を提供する商用製品としては、以下のようなものがあります。

  • NEC CLUSTERPRO
  • 東芝ソリューション ClusterPerfect
  • 富士通 PRIMECLUSTER
  • Veritas Cluster Server
  • HP Serviceguard
  • SIOS Technology LifeKeeper
  • Red Hat Cluster Suite

商用製品との機能比較

商用製品との機能等の比較は以下のとおりです。

機能

Pacemaker

商用製品A

商用製品B

最大ノード数

32ノード(※)

16 ノード(Fibrechannel 共有ストレージ の場合。SAS/iSCSI共有ストレージの場合は 2 ノード)

32 ノード(データミラー型の場合は 8ノード)

アプリケーション監視

ノード監視

ディスク監視

ネットワーク監視

スプリットブレイン対応

リソース監視

自動フェイルオーバ

IPv6対応

×

複数ノードでの同時アプリケーション実行

マルチノードパッケージまたはシステムマルチノードパッケージにより可能

×

設定・管理方法

コマンドライン

Webブラウザによる管理画面またはコマンドラインインターフェース

Java ベースのGUI 管理画面またはコマンドラインインターフェース

アプリケーション保護情報の管理

保護対象アプリケーションごとにパッケージ構成ファイル、パッケージ制御スクリプトを作成して管理する

LCD(LifeKeeper構成情報データベース)を各ノードに配置し管理する

データミラー型クラスタのサポート

×

○ (DataReplication ARK必要)

スプリットブレインリカバリー

ロック LUN または Quorum Server

SCSI-3 PR または Quorum Server(Version7.3 より)

ナレッジベース

×

メンテナンス・リリース、バグ修正、パッチ、アップデートの提供

(※)Corosync選択時の検証済みノード数

Pacemakerの動作環境

前提となる動作環境は、以下のとおりです。(バージョン1.1.12の場合)

<ハードウェア>

CPU

  • x86系

メモリ

  • 512MB以上

仮想メモリ

  • 512MB以上

ディスク領域

  • 6GB以上

ネットワーク

  • ギガビット以上のNIC×3以上

<ソフトウェア>

OS

  • Red Hat Enterprise Linux 5、6、7(32、64ビット)
  • CentOS 5、6、7(32、64ビット)
  • SUSE Linux Enterprise Server 10、11(32、64ビット)
  • Debian GNU/Linux5、6(32、64ビット)
  • Ubuntu Server Edition10.04 LTS (32、64ビット)
  • Fedora 12 (32、64ビット)
  • OpenSUSE 11 (32、64ビット)

※バージョンによって異なりますので、詳細はお問い合わせください。

Pacemakerのライセンス

PacemakerのライセンスはGPLv2ライセンスです。 (一部、ヘッダとライブラリはLGPLv2、OpenAIS/Corosync プラグインを作る必要がある少数のファイルはBSDライセンス)

Pacemakerは個人・企業を問わず、ライセンス費用はかからず、無償で利用できます。ダウンロード、利用、ソースの改変、配布することもできます。

Pacemakerのライセンス形態はGPLv2ですが、バイナリファイルは2種類あります。コミュニティが提供するものと、開発元のLINBIT社が提供するものです。

開発元のLINBIT社が提供するバイナリファイルは、PacemakerのほかにDRBD、Heartbeat、リソースエージェント等を一括して入手できるパッケージ(Linux-HA)で、LINBIT社が動作確認をしてコンパイルを実施したものです。
日本では、LINBIT社認定パートナーであるサイオステクノロジー株式会社、もしくはそのパートナー企業であるNRIと有償のサブスクリプション契約を結ぶことによって動作保証されたバイナリファイルのほか、最新のパッチファイル、バージョンアップファイル、技術サポート、コンサルティング、トレーニング、ドキュメントなどが提供されます。

オープンソース年間サポートサービス

OpenStandiaではOSSを安心してご利用いただけるように、オープンソース年間サポートサービスをご提供しております。
サポートしているOSSは下記ページをご参照ください。

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