PowerDNSの概要
PowerDNS(パワーディーエヌエス)は、1999年に設立されたオランダのPowerDNS社(2015年よりOpen-Xchange社の傘下となっています)により開発されました。
PowerDNSは、C++で実装され、GPLの下でライセンスされたDNSサーバです。ほとんどのUnix派生のOSで動作します。負荷分散/フェールオーバーなどの豊富な機能があり、OSSのDNSサーバとして以前から有名な「BIND」と比較して、高性能でセキュアなため、代替ソフトウェアとして注目されています。「Poweradmin」という管理ウェブインタフェースによって管理できる点も特徴の一つです。
バックエンドのデータベースとして、単純なBIND形式のゾーンファイルだけでなく、MySQL、PostgreSQL、SQLite3、Oracle、Sybase、Microsoft SQL Serverなどの主要なRDBMSやOpenLDAPのようなLDAPサーバが利用可能です。
また、DNS応答にLua、Java、Perl、Python、Ruby、C、C ++ などの言語を使用することで、動的なリダイレクトやスパムのフィルタリングを行うことができます。
PowerDNSは、権威DNSサーバである「Authoritative Server」とキャッシュDNSサーバである「Recursor」の2つのソフトウェアで構成されます。
PowerDNSはもともと商用のプロプライエタリーな製品でしたが、2002年11月にオープンソースのGPL v2ライセンスの下でソースコードが公開されました。
PowerDNSの主な特徴
PowerDNSは以下のようにBINDと比較しても、機能的に劣っておらず、BINDより高速に動作するとされています。また、JSON/REST APIが提供されているため、他システムとの連携がしやすい点もBINDと比較してPowerDNSが優れた点と言えます。
PowerDNS | BIND | |
---|---|---|
権威DNS | ○ | ○ |
再帰 | ○ | ○ |
再帰ACL | ○ | ○ |
スレーブモード | ○ | ○ |
キャッシング | ○ | ○ |
DNSSEC | ○ | ○ |
TSIG | ○ | ○ |
IPv6 | ○ | ○ |
ワイルドカード | ○ | ○ |
OSS | ○ | ○ |
インターフェース | ○ | ○ |
分割地平線 | ○ | ○ |
PowerDNSのライセンス
PowerDNSのライセンスは、GPLv2(GNU General Public License Version2)です。PowerDNSは個人・企業を問わず、ライセンス費用はかからず、無償で利用できます。GPLの条件下で、ダウンロード、利用、ソースの改変、配布することもできます。
PowerDNSのライセンスについてご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
PowerDNSと同類のソフトウェア
DNSサーバとして最も有名なOSSは、BINDです。BINDは非常に歴史のあるソフトウェアで、主要なLinuxディストリビューションのDNSサーバソフトウェアとして採用されていますが、DNSキャッシュサーバと権威DNSサーバを完全に分離することができないため、セキュリティ上の問題が指摘されています。
関連OSS
参考情報
PowerDNSのサポート
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