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Ubuntuとは

Ubuntuとは、オープンソースのオペレーティングシステム(OS)です。

Ubuntuは、南アフリカ共和国のズールー語で「献身、他者との関わり」にフォーカスした哲学的な意味を持ち、2004年にオープンソースのDebian GNU/Linuxの派生ディストリビューションとしてリリースされました。

Ubuntuは、英国Canonical社の支援を受けながら、コミュニティ中心に開発が進められ、半年ごとに最新技術を取り込んだ定期的なバージョンアップリリースがされています。

Ubuntuは、デスクトップとネットブックだけでなく、サーバにも利用できます。(※1)
さらに、スマートフォン用Ubuntuを搭載したスマートフォンも販売されています。

Ubuntuは、無償セキュリティアップデートが少なくとも9ヶ月間提供される通常版(デスクトップおよびサーバ)と、5年間提供される長期サポート(LTS)版があります。
いずれの版も、完全に無償で利用することができ、長期サポート(LTS)版への更新も無償です。

Ubuntuには幾つかの派生バージョンがあり、公式にはデスクトップ環境や目的により構成パッケージが異なる複数のバージョンがサポートされています。以下はその代表的なものになります。

  • Kubuntu : KDEを標準デスクトップ環境としたバージョン
  • Lubuntu : LXDEを標準デスクトップ環境としたバージョン
  • Xubuntu : Xfceを標準デスクトップ環境としたバージョン
  • Edubuntu : 教育向けリリースバージョン
  • Ubuntu for Android : Android端末上での動作を目的としたバージョン
  • Ubuntu Studio : マルチメディア編集に特化したバージョン

また、Ubuntu Japanese Teamによる日本語環境に必要とされるパッケージを収録した Remixイメージと仮想ハードディスクイメージも作成・配布されています。

Ubuntuは、シンプルな画面、完成度が高くスタイリッシュなユーザーインターフェイス、インストールやアップデートが簡単、完全に無償で利用できる、無償のセキュリティアップデートが付くなどの特徴を持ち、世界中で2000万人を超えるユーザーが日常的に利用している人気No.1のLinuxディストリビューションとなっています。
日本でも、この数年間でUbuntuの注目度、利用率が高まっています。

Ubuntuリリースバージョン・サポート期間表(サポート期間が残っているものに限定)

リリースバージョン

コードネーム

リリース月

サポート期間

主な特徴

20.04(LTS)

2020年4月

2025年4月

Ubuntu Desktop, Ubuntu Server, Ubuntu Cloud, Ubuntu Coreは、5年の長期サポート、その他の派生プロダクトは3年のサポート

22.04(LTS)

2022年4月

2027年4月

GNOME42を採用、リモートデスクトップ機能が強化

24.04(LTS)

2024年4月

2029年4月

GNOME46を採用

24.10

2024年10月

2025年7月

GNOME47を採用

  • Ubuntuサーバは、堅牢なサーバとして定評のあるDebianがベース

主な機能

主な機能は以下のとおりです。

機能

詳細

ウェブ閲覧(Firefox)

24.04では、Firefox 129.0を採用
自動セキュリティアップデート、アンチフィッシング技術、ウイルスやマルウェアに対する対策がされている

Officeアプリケーション(LibreOffice)

24.04では、LibreOffice 24.2を採用
文書、スプレッドシート、プレゼンテーションの閲覧と編集が可能で、Microsoft Officeとの互換性あり

音楽とモバイル

Android携帯やiPhone同様、あらゆる一般的な携帯音楽プレーヤーが動作

電子メール(Thunderbird)

24.04では、Thunderbird 128.1を採用
アドレス帳やカレンダーの利用も可能

ウェブアプリ

Facebook、GmailやFlickrなどのWebアプリケーションをデスクトップ上のランチャーに表示してシングルクリックで起動、Webアプリケーションを一般的なアプリケーションのように利用可能

オンライン検索(Dash)

自分のPC内だけでなく、あらゆるオンラインアカウント(Flickrの写真やGoogle Driveドキュメントなど)を検索可能

写真(Shotwell)

写真を迅速かつ簡単にインポート、整理、編集し、ソーシャルネットワーク上で共有

主な特徴

主な特徴は以下のとおりです。

直観的な操作

スタイリッシュでシンプルなインターフェイスであるため、初心者でも使いやすく、直観的な操作が可能

すぐに使える

Live CD環境から再起動の必要なしにハードディスクへのUbuntuインストールができ、それだけで基本的なセットアップ作業が完了し、すぐに使用可能

セキュリティ対応

組み込みのファイアウォールやウイルス対策、フィッシング対策が用意されているほか、自動セキュリティアップデートが提供
長期サポート(LTS)も利用可能

充実の機能

デフォルトでブラウザ(Mozilla Firefox)、メールソフト(Mozilla Thunderbird)、オフィススイート(LibreOffice)や、音楽、ビデオ、写真編集、カレンダーなどのアプリケーションがインストールされ、アドオンで利用できる無料または有料のアプリケーションが豊富パッケージ数は76,000以上

インストールや更新が容易

デスクトップ版はグラフィカルインストーラがあり、インストールが早くて容易
セキュリティフィックスやバージョンアップグレードなどのアップデートはアップデートエリアに表示されるのをクリックするだけで更新可能

互換性

MP3プレーヤー、カメラやプリンタ接続のためのプラグインや、Microsoft Officeドキュメントとの互換性があるオフィススイートを用意

多言語対応

40以上の言語で利用可能で、日本語環境に必要とされるパッケージを収録したRemixイメージと仮想ハードディスクイメージの作成・配布

半年ごとのリリース

半年ごとに定期的なバージョンアップリリースが提供され、常に最新技術を取り込むことが可能

コスト効果

Ubuntuはライセンス費用がかからないため、商用製品に比べて大幅に導入コストを削減

メリット・デメリット

Ubuntuのメリット・必要性

Ubuntuは、ユーザーフレンドリーなインターフェースを持つLinuxディストリビューションで、多くの人に支持されています。
メリットとしては、まず、オープンソースであるため、自由に使用・改良ができ、利用料がかかりません。
また、多くのソフトウェアが無料で利用できるのも大きな魅力です。
さらに、公式リポジトリには豊富なアプリケーションが揃っており、簡単にインストールできます。
セキュリティも高く、定期的にアップデートが行われ、新たな脅威に対して迅速に対処されます。
コミュニティも活発で、問題に直面した際のサポートが充実しています。
また、デベロッパー向けの環境が整っているため、プログラミングを行う際にも非常に便利です。加えて、Ubuntuは軽量バージョンも存在し、古いハードウェアでも快適に動作する特徴があります。

Ubuntuのデメリット・注意点・課題

Ubuntuにはいくつかのデメリットも存在します。
一つは、特定のハードウェアとの互換性が問題になることがある点です。特に、新しいデバイスや特殊な機器が正しく認識されない場合があります。
また、一般的な商業ソフトウェアがLinuxに対応していないことが多く、WindowsやmacOS専用のアプリケーションを利用できない場合があります。
さらに、初めてLinuxを触るユーザーにとっては、ターミナル操作やコマンドラインの知識が求められることがあり、学習曲線が急に感じられることもあります。また、ゲームの対応状況が劣るため、ゲーマーには不向きなこともあります。
加えて、公式サポートが必要な場合にはコストが発生する可能性がある点も考慮する必要があります。

導入事例

Ubuntuは、オープンソースのオペレーティングシステムとして、デスクトップ・サーバともに、中小から大規模までさまざまな業種で幅広く利用されています。

Canonical社のページでは、フランス全体の国家警察が85000台のPCをUbuntuに切り替えたと記載されています。

同様の機能を提供する商用製品

商用ソフトウェア製品では、Microsoft Windows、macOSが、Ubuntuと同様の機能を提供しています。

商用製品との機能比較

商用製品との機能等の比較は以下のとおりです。

機能

Ubuntu

Microsoft Windows

macOS

ウェブ閲覧

Firefox

Microsoft Edge

Safari

Officeアプリケーション

LibreOffice

×(※1)

×(※2)

モバイル対応

電子メール

Thunderbird

メール

メール(Mail)

ウェブアプリ

Web apps

チャーム

各共有機能

オンライン検索

Dash

チャーム

Spotlight

写真

Shotwell

ピクチャ ライブラリ

iPhoto

動画

PiTiVi

ムービー メーカー

iMovie

  • プレインストールはされていない
     (メーカーによってはWindows Officeがプレインストールされているものもある)
     Windows Officeは別途有償のライセンスが必要
     その他、無償のオフィススイートの利用も可能
  • プレインストールはされていない
     Microsoft Office for Macは別途有償ライセンスが必要
     その他、無償のオフィススイートの利用も可能

動作環境

前提となる動作環境は、以下のとおりです。

Ubuntuのデスクトップ最新版(24.04) 推奨最小システム要件

  • CPU

    2 GHzデュアルコアプロセッサ
  • メモリ

    4GBのRAM
  • ハードディスクの空き容量

    25GB
  • その他

    インストールメディア用DVDドライブまたはUSBポートのいずれかが必要
    インターネット環境があればなお可

Ubuntu Server (CLI) インストール

  • CPU

    amd64/arm64/armhf/ppc64el/riscv64/s390xプロセッサ
  • メモリ

    1024 MiBのRAM
  • ハードディスクの空き容量

    5GB

ハードウェア

Ubuntuのライセンス

Ubuntuのライセンスは、特定のライセンス名称が定義されていません。それは、Ubuntuが数千のプログラムから成り立っており、それぞれのプログラムがそれぞれの別ライセンスの元にリリースされているからです。

Ubuntuのベースである「Debian GNU/Linux」では、「Debian フリーソフトウェアガイドライン (DFSG)」に従って、ソフトウェアの拡張、改造、修正、再配布を自由に認めています。
その派生プロジェクトであるUbuntuも、「Debian フリーソフトウェアガイドライン (DFSG)」と共通の内容を一部含みますが、「Debian フリーソフトウェアガイドライン (DFSG)」に従うとは明記されていません。

また、UbuntuのライセンスはGPLであると記載されているケースがありますが、Ubuntuを構成するLinuxカーネル等のライセンスがGPLであるだけで、Ubuntuプロジェクトのページでは、UbuntuのライセンスがGPLであるといった記述はありません。

Ubuntuプロジェクトのページでは、UbuntuプロジェクトがUbuntuOSにデフォルトで含めるソフトウェアを決定する際に従うプロセスを説明するライセンスポリシーとして、下記のような内容を掲載しています。
デフォルトでインストールされるアプリケーションソフトウェアの全てはフリーソフトウェアです。

  • Ubuntuは、さまざまなライセンスのプログラムやドキュメントの集合体であり、main、restricted、universe、multiverseの4つの主要なグループまたはコンポーネントで編成されている。
  • Ubuntuのmainコンポーネントに含まれる全アプリケーションがソースコードを含める必要があり、また、同じライセンスの下で変更されたコピーの改変および頒布を許可する必要がある。
  • main、restricted コンポーネントに含まれる全アプリケーションにおいて、再配布を許可し、再配布や改変に伴うロイヤリティ要求を禁止し、Ubuntuに固有のライセンスの下での配布を禁止する。

main、restricted、universe、multiverse各グループの違い

リポジトリ

メンテナー

ソースコード

LTSでのサポート

main

Canonical*

restricted

Canonical*

universe

Ubuntu Developer

Multiverse

外部開発者

*Canonical:Ubuntuの開発支援・資金援助を行っている企業。Ubuntuの創設者マーク・シャトルワースにより設立された。

その他、Ubuntuのライセンスポリシー詳細は、こちらのページをご覧ください。

製品ダウンロード

参考情報

Ubuntu は Canonical Ltd. の登録商標です。

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