Unbound情報
Unboundとは
Unbound(アンバウンド)はオランダのNLnet Labs社により開発されたオープンソースのDNS(ドメインネームシステム)キャッシュサーバです。NLnet Labs社は、いくつかのDNSルートサーバでも使用されているNSD(Name Server Daemon)の開発元でもあります。
2001年当時、13あるルートサーバ全てにDNSサーバであるBIND(バインド)が使用されており、もしBINDに不具合が見つかった場合、インターネット全体に影響が出ることが懸念されました。
DNSにBIND以外の選択肢が必要であるとの考えからルートサーバの管理者の一人がNLnet Labs社に新たなDNSの実装を依頼したことが、同社がDNSソフトウェアを開発するきっかけとなりました。
Unbound は、2006年にスウェーデンKirei社、英国Nominet社、米国Verisign、英国ep.net社のメンバーによりJavaによるプロトタイプが作成され、各社の協力の元NLnet Labs社がC言語に書き直し、2008年5月20日にバージョン1.0がリリースされました。
2019年12月には、セキュリティ専門プロバイダーによる厳しい監査を受けており、さらに堅牢な物になっています。
DNSには自らのドメイン内のサーバの情報を保持して問合せに応答するDNSコンテンツサーバと、問合せ内容に応じて別のDNSコンテンツサーバへ問合せを行い、その結果を返しつつ一定期間キャッシュするDNSキャッシュサーバがあります。
Unbound はDNSキャッシュサーバであり、DNSコンテンツサーバとしての機能は限定されたものしか持っていません。
主な特徴
- シンプルでモダンな設計による高速な動作
- シンプルな設定ファイル形式
- DNS通信の改ざんを防ぐための仕組みである DNS over TLS、DNS over HTTPS、DNSCrypt をサポート
- DNSデータを検証する仕組みであるDNSSECをサポート
- FreeBSD(バージョン10以上)、OpenBSD(バージョン5.6以降)では標準でBINDの変わりにUnboundがインストールされています。
- DNSコンテンツサーバ機能は限定されたものに留めてあります。
- IPv4/IPv6ネットワークに対応したDNS64のサポート
Unbound 以外のDNSソフトウェア
- BIND
カリフォルニア大学バークレー校で1980年代に開発された、最も多く利用されている DNSソフトウェアの実装
- Djbdns
Qmail, daemontoolなどを開発した ダニエル バレンタイン氏によるDNSソフトウェアの実装
- Microsoft DNS
Microsoft Windows serverに組み込まれたDNSソフトウェアの実装
動作環境
Unboundは、FreeBSD、OpenBSD、MacOS、Linux、Microsoft Windows などで動作し、多くのプラットフォーム向けパッケージが用意されています。
Unboundのライセンス
Unboundのライセンスは、BSDライセンスです。 BSDライセンスでは無保証であることの明記と著作権およびライセンス条文の表示を条件にコードの自由な改変・頒布が認められています。
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