BIND
BIND情報
BINDとは
BIND(バインド)は、Berkeley Internet Name Domainの略で、世界中でもっとも多く利用されているDNSサーバです。BINDは、カリフォルニア大学バークレー校で1980代に開発され、現在は、ISC(Internet Systems Consortium)という非営利団体によって開発が続けられています。
DNS(ドメインネームシステム)は、Internetにおける名前解決の重要な役割を果たす技術ですが、その機能を提供しているソフトウェアの1つがBINDです。
DNSはInternet以外でも、社内などのIntranetでも複数コンピューターをネットワークに接続・管理するためには欠かせない技術です。また、何らかのネットワークサービスを構築・提供する際も、システムにDNSサーバが存在することは必然的になっています。
BINDは、セキュリティの問題が度々指摘されてきました。
これはBINDが開発された時代背景に関連しています。
BINDが開発された時代にはInternetは現在ほどセキュリティに気を使わなくてもいい時代でした。
時代が流れるに連れてInternet を利用する人口が増えていき、悪意あるユーザによるさまざまなセキュリティ問題が現れてきました。
その度にBINDはBINDの持つセキュリティ・ホール に対しての対処を行ってきましたが、BINDの設計自体が1980年代に作られたものであることから、セキュリティ問題に対応するパッチにより継ぎ接ぎだ らけの状態でした。
そこで、最新のBIND9は、以前のコードから一新され、主にC言語とShellでゼロから書き直されました。
主な特徴
BIND(バインド)は、次のような特徴があります。
- 世界でもっとも普及しているDNSサーバソフトウェア
- 圧倒的事例数による信頼性
- バージョンアップによる強固なセキュリティ
- DNS管理に必要な機能を網羅
- 商用化および標準規格の制定に利用しやすいライセンス
BIND以外にもDNS機能を提供するソフトウェアは存在しますが、BINDを使用してDNS機能を提供しているサーバが殆どのため、他のソフトウェアの名前をあまり聞かないというのが現実です。しかし、他にも多数存在しています。下記が、BIND以外のDNSソフトウェアの一部になります。
-
Djbdns
Qmail, daemontoolなどを開発したダニエル・バーンスタイン氏によるDNSソフトウェアの実装 -
NSD / Unbound
オランダのNLnet Labs社によるDNSソフトウェアの実装 -
Microsoft DNS
Microsoft Windows serverに組み込まれたDNSソフトウェアの実装
導入事例
BINDは、世界中でもっとも多く利用されているオープンソースのDNSサーバのひとつとして、中小から大規模まで、さまざまな業種・システムで幅広く利用されています。
動作環境
ISCでは多くのオペレーションシステムとアーキテクチャで定期的にテストが行われていますが、開発リソース不足のため、一部の環境に対してはベストエフォートベースでの提供になっています。
定期的にテストされているプラットフォーム
下記のプラットフォームは、定期的にテストが行われており、完全にサポートされています(2024年2月現在、BIND 9.18)
- Debian 10 LTS、11、12
- Ubuntu LTS 18.04 LTS、20.04 LTS、22.04 LTS
- Fedora(latest) Red Hat Enterprise Linux 7、8、9/ CentOS 7、8、9
- FreeBDS 12、13
- OpenBSD(latest)
- Alpine Linux(latest)
amd64, i386, armhf , arm64 CPU アーキテクチャがフルサポートされています。
ベストエフォート
下記のプラットフォームでは動作することは確認されていますが、定期的にテストされていません。バグが残っているなどの制約があります。
- Debian 10
- macOS 11(Intel)
- Solaris 11
- NetBSD(latest)
- OpenWRT/LEDE 17.01以上
- Ubuntu 18.04 LTS
- その他のCPUアーキテクチャ(arm、arm64、mips64、ppc64、s390xなど)
サポートされないプラットフォーム
下記のプラットフォームでは動作しません。
- 最新のOpenSSL 1.0.2 ではないプラットフォーム
- Windows Server 2012 以下
- IPv6 Advanced Socket API (RFC 3542) をサポートしないプラットフォーム
- atomic operations (compiler または library) をサポートしないプラットフォーム
- NPTL (Native POSIX Thread Library)の無いLinux
- libuvをコンパイルできないプラットフォーム
BINDのライセンス
BINDはMozilla Public License, version 2.0で提供されているソフトウェアです。ユーザはそのソフトウェアの使用や頒布、修正、派生版の頒布をすることに制限を受けません。
オープンソース年間サポートサービス
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