Electronの概要
Electron(旧称:Atom-Shell)とは、2013年にGitHub社によって公開されたマルチプラットフォーム(Windows, Mac, Linux)なデスクトップアプリケーションを開発できるオープンソースライブラリです。
2019年4月時点でバージョン4.1.4まで公開されており、現在も活発に開発が進められています。
元々はAtomエディタ(※1)を開発するために作られたライブラリですが、現在では、Microsoft社のVisual Studio Codeを始め、多くのアプリケーションがElectronを利用して開発されています。
Electronを用いたデスクトップアプリケーションの開発には、HTML・JavaScript・CSSを用いるため、Web開発者が容易にデスクトップアプリケーションを開発することができます。
また、見た目の優れたUIを容易に導入できるUIツールキットのPhoton(※2)など、Electronの拡張要素も多数存在しています。
※1
https://atom.io/
※2
http://photonkit.com/
Electronの主な特徴
1.マルチプラットフォームデスクトップアプリケーション
ElectronはOS毎の仕様を考慮することなく、Windows・Mac・Linuxの各OSで共通して動作するデスクトップアプリケーションを開発することができます。
この特徴は、ElectronがChromium(※3)・Node.js・ネイティブAPIによって構成されることで実現しており、Chromium・Node.js・ネイティブAPIはそれぞれ以下の役割を持っています。
Chromium | アプリケーションのUIや動的要素を実現する |
---|---|
Node.js | ファイルシステムやネットワークへのアクセスを実現する |
ネイティブAPI | クリップボードやウィンドウなどのネイティブ要素へのアクセスを実現する |
※3 オープンソースのウェブブラウザ。 Google ChromeもChromiumをベースに開発されています。 https://www.chromium.org/
2.Web技術による開発
Electronでは、アプリケーションの開発にHTML・JavaScript・CSSを利用するため、Web開発者が容易にデスクトップアプリケーションの開発に取り組むことができます。
また、既存のJavaScriptライブラリを導入することも可能なので、手軽にリッチなアプリケーションを開発することもできます。
Electronの動作環境
Electronのサポートプラットフォームは以下の通りです。
- macOS 10.11 (El Capitan) 以降
- Windows 7以降
- Linux
- Ubuntu 14.04 以降
- Fedora 24 以降
- Debian 8 以降
Electronのライセンス
Electronのライセンスは、MITライセンスです。
MITライセンスは、X Window System (X11)などのソフトウェアに適用されていることから、X11ライセンス、またはXライセンスとも表記されます。
MITライセンスは、数あるソフトウェアライセンスの中で最も制約が少なく、ソースコードの無償の使用のほか、改変、再配布することも認められています。
Electronの類似ソフトウェア
Electronの他にも、NW.jsなどが同類のソフトウェアとして存在します。
Electronのダウンロード
Electronのサポート
NRIではお客様のご要望に応じて様々な支援ができるサービスをご用意しました。
詳細は下記ページをご確認ください。