Ionicの概要
Ionic(アイオニック)とは、2013年にDrifty 社によって開発が始まったHTML5を活用したハイブリッドなモバイルアプリケーションを開発するためのオープンソースのJavaScriptフレームワークです。
ハイブリッドなアプリケーションとは、WebアプリケーションのようにHTML、JavaScript 、CSSで開発可能であるのと同時に、あたかもネイティブアプリケーションのようにプラットフォーム層にアクセスすることもできるアプリケーションのことを指します。
プラットフォーム層にアクセスすることによって、OSに搭載されている機能を利用することができるのでカメラやセンサを使ったアプリケーションも開発可能です。
ボタン、タブ、メニューバーなどのモバイルアプリケーションのためのコンポーネントが提供されている他、滑らかなアニメーションなど幅広く実現可能となっており、開発するアプリケーションをより魅力的にするためのフロントエンドのフレームワークといえます。加えて、Ioniconsというiconが提供されており、デザイナーがいなくてもかなり綺麗なUIのアプリを作ることができます。
IonicはHTML5を利用したフレームワークなので、ネイティブアプリケーションとして実行するためにIonic Native が用意されています。Ionic NativeはCordovaやWebViewを介してネイティブ機能を使用するためのCordovaプラグインです。
Ionicで開発されるアプリケーションの大部分は、HTML、JavaScript、およびCSSのみを用いて開発することが可能です。ただし、作り込みが必要な場合はIonic Native を使用してネイティブ層へアクセスすることも可能です。
また、Ionicはフレームワークのコア機能には主にAngularを使用しています。CSSを編集するだけでもアプリケーションに独自のデザインを適用することできますが、公式サイトによれば今日のブラウザベースのアプリケーションを構築するための最良の方法の一つとして、Angularを活用することを勧めています。
2015年3月にIonic 1、2017年1月に Ionic 2、2017年4月に Ionic 3、2019年1月にIonic 4、2020年2月にIonic 5 がリリースされ、現在も速いペースで開発が進められています。現在の最新バージョンは Ionic 5.3.1 です。(2020年7月現在)
Ionic 5がサポートしているプラットフォームは、iOS 11.0+、Android 5.0+、デスクトップブラウザ用は、Chrome、Safari、Edge(79+)、Firefoxをサポートしています。(2020年7月現在)
Ionicの特徴
Ionicには次のような特徴があります。
- Angularをベースとしている
- Cordovaをネイティブラッパーとしてサポートしている
- GUIベースでIonicアプリのテンプレート(UI)が作成可能な、Ionic Studioを提供している
- SASS(Syntactically Awesome Style Sheets)を採用しているので独自のUIを手軽に実装できる。Ionic 4からはCSS4 variablesもサポートされた。
- 他の類似プロダクトと比較して公式のコミュニティが活発で、StackOverflowなどの投稿も多く情報が探しやすい
こんなお客さまにIonicの導入をオススメ
次のようなお客様に、Ionicの導入をオススメします。
- 美しいモバイルアプリケーションを少ない工数で作りたい
- モバイルアプリケーションをOSに依存せず効率良く作りたい
- Webアプリケーション開発のノウハウをモバイルアプリケーションに生かしたい
- Angularの扱いに慣れている
Ionicのライセンス
Ionicのライセンスは、MITライセンスです。
ソースコード公開の有無に関わらず、自由な再利用が認められています。
Ionicと同様の機能を提供する製品
Flutter、React Native、Famo.us、Framework7、OnsenUIがIonicと同様の機能を提供しています。
いずれもオープンソースのフレームワークです。
Ionicのダウンロード
Ionicのサポート
NRIではお客様のご要望に応じて様々な支援ができるサービスをご用意しました。
詳細は下記ページをご確認ください。