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iDempiere

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iDempiere情報

iDempiereとは

iDempiere(アイデンピエレ)は、オープンソースのERPパッケージ(統合業務パッケージ)ソフトウェアです。
受注から出荷までの一連のサプライチェーンマネージメント(SCM)と管理会計、財務会計人事管理を含めた企業の基幹業務、顧客管理機能(CRM)などもサポートします。

iDempiereは、OSSのERPパッケージであるADempiereに、OSGi(※1)などの新機能を追加した後継製品です。
iDempiereのコミュニティサイトでは、「iDempiere = OSGi + ADempiere」との記載があり、ADempiereよりもさらに拡張性が高まったと言われています。

iDempiereは、販売管理、購買管理、在庫管理、生産管理、固定資産管理、人事給与管理、財務会計といった基幹業務機能を提供しているだけでなく、それらの機能や情報を相互に連携することで、業務の効率化、見える化も推進できるソフトウェアであり、世界で最も高機能なオープンソースERPのひとつとして近年注目が集まっています。

iDempiereは、下記のようなプロセスで開発が進められてきました。

(1)Compiere(コンピエール):世界で高い知名度と導入実績があるオープンソースのERP。無償のCommunity Editionでは、WebベースUIが含まれず、機能の制限あり。

(2)ADempiere(アデンピエレ):2006年にCompiereから分岐したオープンソースプロジェクト。WebベースUI、Oracle XEとPostgreSQLへの対応もスタート。

(3)iDempiere:ADempiereに、OSGi(プラグインの仕組み)などの新機能を追加し、ERP/CRM/SCMなどのビジネススイートとして開発中。

iDempiereの開発は、sourceforge.netのiDempiereコミュニティで行われています。
世界中のオープンソースプロジェクトが集まっているsourceforge.netで、世界中の優秀なERP開発者やシステム開発会社がBazaar方式で開発に参加しています。

iDempiereの現在の最新バージョン(GA)は、iDempiere 1.0c、v2.1、v3.1、v4.1、v5.1、v6.2、v7.1 です。(2019年11月現在)

  • OSGiは、オープンソースのIDE(ソフトウェア開発ツール)として有名なEclipseでも採用されているプラグイン構造を実現するための仕様です。

iDempiereは、EquinoxというOSGi実装を使ってプラグイン構造を実現しています。

主な機能

主な機能は以下のとおりです。

機能

詳細

取引先管理

仕入先、顧客(販売先)、従業員の3つを「取引先」として、登録・管理することができます。
各取引先の与信情報を、販売管理、購買管理の機能と連動して管理することができます。

購買管理

商品の見積、発注、仕入(受入)などを管理することができます。
発注や仕入の状態により在庫情報が自動で更新されます。
各データを完了状態にすると、仕訳データを送信することができます。
また、製品、取引先、日付等を条件にして売上高等のレポートを生成することもできます。

販売管理

商品の受注、在庫の予約(引当)、出荷、請求などの管理をすることができます。
購買管理と同様に、仕訳データの送信やレポートの生成ができます。

製品管理

材料を含む、取り扱っている製品を登録・管理することができます。

在庫管理

製品の受入による在庫の増加、出荷による在庫の減少などをシステムで管理することができます。
生産管理システム、購買管理システムと密接に関係しています。

財務会計

企業の経営活動の成果を記録、報告、分析する為の会計システムです。
財務諸表の作成も行います。すべての伝票は、リアルタイムに統合されています。

主な特徴

主な特徴は以下のとおりです。


ERPパッケージ(統合業務パッケージ)

iDempiereは、ERPパッケージ(統合業務パッケージ)であり、販売管理、購買管理、在庫管理、生産管理、固定資産管理、人事給与管理、財務会計、といった必要な全ての業務機能を提供し、かつそれらの機能や情報(データ)を相互に連携します。そのため、既存の会計、人事、購買等の単機能の業務パッケージを利用する場合に発生する以下のような問題を解決します。

  • データの整合性が取れない
  • 月次決算など、経営指標の算出が遅れてしまい、経営判断に生かせない
  • 各システムが途切れていて、データの連携がされていない
  • データの二重入力の手間がかかり無駄な作業が発生する

高機能

iDempiereは、取引先管理、製品品目管理、購買管理、販売管理、在庫管理など、企業の業務を総合的に管理するための機能を持っています。

オープンソース

オープンソースとして公開されており、ライセンス費用がかからないためにソフトウェアコストを大幅に削減することができるうえ、Linux、PostgreSQLなどのオープンソース・プラットフォーム上で稼動します。また、BitBucketというサイトでソースコードが管理され、積極的なバグフィックスや機能追加が行われています。

マルチプラットフォーム

iDempiereは、サーバでは Red Hat Enterprise Linux、CentOS、FreeBSD、Microsoft Windowsなど、さまざまなOSプラットフォームに対応しています。クライアントでは、OSの種類を問わず、さまざまなブラウザの種類とバージョンに対応しています。

カスタマイズが容易

拡張性の高いフレームワークを採用しており、アドオン開発を簡単に行うことが可能です。

ウェブベースのユーザーインターフェイス

ZK Web UI(ZKウェブUI)というajaxフレームワークを使った、ブラウザからアクセスできるUI(ユーザーインターフェース)を利用することができます。
既存のJavaベースクライアントとほぼ同等の機能があります。
JavaベースクライアントとZK Web UIのどちらも、複数の人が同時にデータ入力などの作業することができます。

多数のファイル形式に対応

LDAP、Active Directory、リレーショナルデータベース、CSVファイルといった様々な形式で管理されているID情報の一元管理が可能です。

レポート出力

iDempiereに登録したデータをレポートとして出力することができます。レポートにはiDempiere独自のレポート機能とJasperReportsを使ったレポート機能があります。
JasperReportsを使ったレポート機能では、iReportsというGUIツールを使ってレポートのフォーマットを作成できます。

財務諸表の出力

記録した仕入、販売などのデータを基にして貸借対照表と損益計算書を出力することができます。

日本語対応

iDempiereは日本語文字コードとしてEUC、Shift-JIS、UTF8に対応しているため、それぞれのシステムについて適切な文字コードを設定することで、氏名の漢字表記など正しく日本語を扱うことができます

多言語、多通貨に対応

iDempiereの前身であるADempiereは、海外で広く利用されており、多言語、多通貨に対応しています。iDempiereもログイン時に表示言語を選択することができ、通貨の変換レートを設定すれば、複数の通貨で表示を行うことができます。グローバル企業での利用にメリットがあります。

コスト効果

iDempiereはライセンス費用がかからないため、商用製品に比べコストを削減することができます

また、Adempiereと比較して、iDempiereでは以下のような特徴があります。

OSGi実装

EquinoxというOSGi実装を使ってプラグイン構造を実現しています。

ZK Web UIのバージョン7.0を利用

iDempiereプロジェクトでは、AdempiereにZK Web UIを実装した、メンバーが参加しているため、ZK Web UIのバージョンアップにあわせて利用するZKのバージョンを上げており、バージョン7.0を利用しています。

JasperReportsを利用

帳票作成ツールとして、最新のJasperReportsを利用しています。

Java11対応

iDempiere v6.2ではJava11に対応しています。

サーバーの起動の高速化

アプリケーションサーバにJBossではなく小型で軽量なJettyを使用しているため、ADempiereに比べてサーバーの起動時間とメモリの使用量が少なく抑えられています。

Manufacturing Liteを採用

iDempiereの前身であるADempiereは、MRPとしてLibero Manufacturingを採用していましたが、iDempiereでは品質向上を目的としてオーストラリアAdaxa社製のMRPであるManufacturing Liteを採用しています。

BitBucketを利用したソースコードの管理とパッチの受付

BitBucketというサイトを利用してコミュニティメンバーでソースコードを管理しています。

Bug修正、機能追加

JIRAというチケット管理システムでBug情報を管理していて、ADempiereの360個のBugチケットが解決しています。

導入事例

iDempiereは、オープンソースのERPパッケージとして、中小から大規模まで、さまざまな業種での利用が可能です。
下記は、iDempiereの前身である、ADempiereの導入事例です。
ADempiereはすでに世界中のさまざまな業種での導入が進んでおり、その後継であるiDempiereも、今後、国内外において本格的な導入が進んでいくことが予想されます。

製造業

製造業向けに、販売管理、購買管理、在庫管理、(一部生産管理)、債権債務管理の機能を提供。財務会計は次フェーズで導入予定。
ERPを導入することで、「発注管理、納期管理を中心とした調達業務の効率化」、「在庫管理業務との連携による入荷管理業務の効率化」、「在庫勘定を用いての棚卸資産のリアルタイム評価」などを実現。

ECサイト

ECサイト向けに、販売管理、購買管理、在庫管理の機能を提供。
財務会計は既存システムを利用。ADempiereと接続。
「在庫がリアルタイムで更新されない」、「購買管理が手作業であり、会計システムと連携されない」、「情報やデータが社内に散在し、2重入力や不整合が発生」といった現行システムの問題点をERPを導入することで解決し、売上データ、仕入データ、債権データ、債務データ、棚卸資産データ、原価計算も新システムで管理。

類似プロダクト

商用ソフトウェア製品では、SAP ERP、Oracle JD Edwards、Microsoft Dynamics、富士通 GLOVIA、SuperStreamが、オープンソース製品では、Compiere、ADempiereがiDempiereと同様の機能を提供しています。

動作環境

前提となる動作環境は、以下のとおりです。(バージョン6.2の場合)

サーバ

OS

Windows(64bits)
Linux(64bits)
Debian(64bits)

JDK

Java 11

DBMS

PostgreSQL 9.6以降
Oracle

対応ブラウザ

ブラウザ

FireFox、Google Chrome、Opera

iDempiereのライセンス

iDempiereのライセンスはGNU General Public License Version2(GPL v2)です。iDempiereは個人・企業を問わず、ライセンス費用はかからず、無償で利用できます。GPLの条件下で、ダウンロード、利用、ソースの改変、配布することもできます。

iDempiereの主な業務領域

主な業務領域は以下のとおりです。

  • Enterprise Resource Planning (ERP) 統合業務管理
  • Supply Chain Management (SCM) 企業間供給管理
  • Customer Relationship Management (CRM) 顧客情報管理
  • Financial Performance Analysis 財務成績分析
  • Integrated Point of sale (POS) solution 販売時点情報管理
  • Integrated Web Store ウェブ店舗

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