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Apache Tomcat

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Apache Tomcat情報

Apache Tomcatとは

Tomcatは、世界中で広く使われているオープンソースのWEBコンテナです。

Tomcatの正式名称は「Apache Tomcat」ですが、単に「Tomcat」と言っても多くの人が認知できるほどで、今やWEBコンテナのデファクトスタンダートと言っても過言ではありません。Tomcatは、Javaで書かれており、Javaが動作する多くのプラットフォームで利用可能、安定していて軽快、性能が良い等の理由から、日本のエンタープライズシステムにおいても数多く採用されています。
Tomcatは、Javaサーブレットおよび「JSP(Java Server Pages)のリファレンス実装としてサン・マイクロシステムズ社で開発が始まり、1999年にApache Software Foundation(Apacheソフトウェア財団、ASF)に寄贈された後、初期バージョンとして3.0が発表されました。

Tomcat「雄猫」という名前は単独で行動し戦えるというイメージから来たもので、開発者のジェームズ・ダンカン・デヴィッドソンにより名付けられました。

現在も積極的なバージョンアップが繰り返され、Apache Software Foundationが保有するトップレベルプロジェクトの1つとして現在でも進化し続けています。

日本においては、動作が安定しているため、保守サポートに入らずに過去バージョンのTomcatを長期間に渡って利用し続けている企業も多いようです。

主な特徴

Tomcatは、性能や安定性の高さだけではなく、次のような特徴があります。
JSP/Servletコンテナとしての機能や性能、導入実績などは、商用製品に負けていないため、「よりオープンスタンダードである」「よりコストを削減できる」という点が、Tomcat採用の決め手になっているようです。

JSP/Servlet標準仕様

Tomcatは、JavaサーブレットとJSPの公式なリファレンス実装として開発・実装されています
Tomcat単体で、Webサーバ(httpd)としても動作しますが、通常はApacheやIISと組み合わせて利用します

軽快な動作、安定性

Tomcatは動作が安定していて軽快であるため、商用製品のようにハイスペックなハードウェアを要求することもなく、インストールも簡単です

マルチプラットフォーム

TomcatはRed Hat Enterprise Linux、SUSE Linux、Solaris、HP-UX、Microsoft Windows、AIXなど、さまざまなOSプラットフォームに対応しています

世界中で利用されている

世界中で広く利用されているWebコンテナのデファクトスタンダードであり、日本でも数多くの導入事例があります

高機能・高性能

JSP/Servletコンテナとしての機能は商用製品と同等で、性能は商用製品と同等か、むしろ速いです

技術者を集めやすい

Tomcatは世界中で利用されているため、大人数で開発するプロジェクトやオフショア開発の際などにも技術者を集めやすいといえます。また、環境構築や開発に余分な教育コストがかからない、知的資産を共有しやすいなどのメリットもあります

長期間に渡って利用可能

通常商用製品のサポートは3~5年間ですが、Tomcatは動作が安定しているためノンサポートでも長期間に渡って利用できるケースが多く見られます

コスト効果

Tomcatは高機能なWEBコンテナでありながら、ライセンスコストがかからない(無料である)ため、気軽に試すことが可能であり、また商用製品に比べコストを大幅に削減することができます

メリット・デメリット

メリット・必要性

メリット

軽量性

  • 最小限の設定で迅速に起動可能
  • リソース消費が比較的少ない

安定性と信頼性

  • セキュリティアップデートが頻繁に提供される
  • 長年の実績があり、多くの本番環境で使用されている

オープンソース

  • コストが不要(Apache License 2.0)
  • コードの透明性が高い

必要性

レガシーアプリケーションの維持

  • 古いJavaアプリケーションの多くがTomcatで動作するよう設計されている

デメリット・注意点・課題

デメリット

限定的な機能セット

  • Java EE仕様の一部のみをサポート
  • 高度な機能は別途設定や追加が必要

スケーラビリティの制限

  • 大規模アプリケーションでは、追加の設定やツールが必要になることがある
  • クラスタリング機能は基本的なものに限定される

パフォーマンスチューニングの複雑さ

  • 最適なパフォーマンスを得るには、詳細な知識と経験が必要

注意点・課題

セキュリティ設定

  • デフォルト設定では、セキュリティが十分でない場合がある
  • 適切なセキュリティ設定には専門知識が必要

バージョン互換性

  • Tomcatのバージョンアップデート時に、既存アプリケーションとの互換性問題が発生する場合がある

ログ管理

  • デフォルトのログ設定では、大規模環境での効率的なログ管理が難しい場合がある

設定ファイルの管理

  • 複数の設定ファイルがあり、適切な管理が必要
  • 環境間での設定の一貫性維持が課題になることがある

ユースケース

Apache Tomcatは、その軽量性、使いやすさ、安定性により、幅広いユースケースに適用可能です。小規模なプロジェクトから中規模のエンタープライズアプリケーションまで、様々な場面で活用されています。特に、開発環境やプロトタイピング、レガシーアプリケーションの維持、そしてマイクロサービスアーキテクチャの一部としての使用が顕著です。

ただし、非常に大規模で複雑なエンタープライズアプリケーションや、完全なJava EE仕様が必要な場合は、より高機能なアプリケーションサーバー(例:WildFly, WebSphere)の使用を検討する必要があります。

動作環境

Apache Tomcatは以下のOSで動作します:

  • Windows (32-bit/64-bit)
  • Linux (32-bit/64-bit)
  • Mac OS X
  • Unix系OS (Solaris, FreeBSD, etc.)

Apache Tomcatのライセンス

Apache Tomcatのライセンスは、「Apacheライセンスバージョン2」(Apache License version2)というライセンスに基づいて公開され、営利、非営利を問わず、誰でも自由かつ無償で利用・改変・再配布できるようになっています。

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