バージョンアップ情報
qmail情報
qmailとは
qmail(キューメイル)とは、オープンソースの電子メールサーバソフトウェア(MTA:Mail Transport Agent)です。
qmail(キューメイル)は、MTAの実質的標準として非常に長い歴史と多くの導入実績を持つsendmailの問題点の反省を踏まえて 米イリノイ大学のD.J.Bernstein 氏が開発し、1997年に公開されました。
qmail(キューメイル)は、Maildir方式の採用、sendmailに比べてインストールが簡単である、設定ファイルの書き方が簡潔・容易で運用管理がしやすい、効率的かつシンプルである、セキュリティや処理能力が優れているなどの特徴があります。
1998年にリリースされた最新のバージョン1.03は、2004年にはじめて作者以外の第三者によって脆弱性が発見されました。それ以降も脆弱性の報告が極めて少なく、セキュリティが堅牢なソフトウェアとして評価されています。
(作者のD.J.Bernstein 氏は、セキュリティホールを見つけた人に$500の賞金を出すと発表しています)
1998年のバージョンを機に開発が終了となっていますが、その後、コミュニティによって様々なパッチが開発されており、qmailの派生といえる netqmail(1.0.5) も公開されています。
qmail(キューメイル)の最新バージョンはqmail 1.03(2016年9月時点)です。
主な機能
主な機能は以下のとおりです。
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 機能  | 
 概要  | 
|---|---|
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 設定機能  | 
 UNIXなどのOSの種類に応じた自動設定やホスト毎の自動設定など  | 
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 メッセージ作成  | 
 アドレスグループのサポート、アドレスリストのRFC 822形式への自動変換、ホストマスカレードなど  | 
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 SMTPサービス  | 
 ローカルIPアドレスの自動認識、認証済みクライアントへの中継とメッセージ書き換えなど  | 
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 キュー管理  | 
 リトライスケジュール、安全な自動キューイング、自動キューのクリーンアップ、キュー参照など  | 
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 バウンス  | 
 QSBMFバウンスメッセージ、HCMSSCサポートなど  | 
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 ドメインによるルーティング  | 
 任意のローカルホスト名、任意のバーチャルドメイン名、ドメインのワイルドカード、UUCPフックなど  | 
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 転送とメーリングリスト  | 
 ハッシュ化された転送データベース、sendmailの/ etc / aliasesファイル互換性、アドレスワイルドカードなど  | 
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 ローカル配信  | 
 信頼性の高いNFS配信(maildir)、mbox形式の配信、procmailなどのユーザ制御プログラム配信、条件付きフィルタリングなど  | 
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 POP3サービス信  | 
 UIDLサポート、APOPフックなど  | 
主な特徴
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 セキュリティ  | 
 セキュリティをもっとも意識して開発されたOSSであり、脆弱性の報告が極めて少なく、セキュリティが堅牢なソフトウェアとして評価されている  | 
|---|---|
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 高速  | 
 メールを複数のプログラムに分割して処理するため低メモリで実現でき、sendmailよりもはるかに高速な処理が可能  | 
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 信頼性  | 
 一度システムに受け入れられたメッセージは、失われることがない  | 
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 独自に設計されたMaildir形式  | 
 デフォルトは独自に設計されたMaildir形式であるが、mboxでも運用可能  | 
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 豊富なインターフェイス  | 
 外部メール・プロセッサのための強力なインターフェースが提供されている  | 
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 sendmailとの互換性  | 
 sendmailの後発のオープンソースMTAであり、sendmailの代替として採用できる  | 
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 導入・運用しやすい  | 
 オープンソースでライセンス費用がかからないうえ、シンプルな構造で設定ファイルの書き方が簡潔・容易である、仮想ドメイン対応やユーザ制御のメーリングリストが実現できるなど、運用管理もしやすい  | 
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 豊富な導入実績  | 
 オープンソースMTAとして、国内外を問わず多数の採用実績がある  | 
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 コスト効果  | 
 ライセンス費用がかからないため、商用製品に比べて大幅に導入コストを削減可能(有償保守サポートを依頼する場合は別途費用が必要)  | 
導入事例
qmailは、オープンソースの電子メールサーバソフトウェアとして、中小から大規模まで、さまざまな業種・システムで世界中で幅広く利用されています。
類似プロダクト
商用ソフトウェア製品では、商用版sendmail、Microsoft Exchange Serverが同様の機能を提供しています。同じOSS製品では、sendmail、Postfixなどが、qmailと同様の機能を提供しています。
※電子メールサーバソフトウェアの分類では、オープンソースのsendmail、qmail、Postfixのシェアが圧倒的に多くなっています。
動作環境
前提となる動作環境は、以下のとおりです。
OS
- ほとんどすべてのUNIX系OS
 - AIX
 - BSD系OS
 - FreeBSD
 - HP / UX
 - Irix
 - Linux
 - NetBSD
 - OpenBSD
 - OSF / 1
 - SunOS、Solaris
 
※Windows NTは未サポート
qmailのライセンス
qmailのライセンスは、パブリックドメインです。
qmailは、パッケージの変更や、修正版などの再配布を自由に行えます。
オープンソース年間サポートサービス
OpenStandiaではOSSを安心してご利用いただけるように、オープンソース年間サポートサービスをご提供しております。
サポートしているOSSは下記ページをご参照ください。

