膨張するSpring Bootアプリの複雑さを制御しよう!「Spring Modulith」のご紹介 NRI OSSソリューションマガジン 2026.4.8発行 Vol.232
1. 膨張するSpring Bootアプリの複雑さを制御しよう!「Spring Modulith」のご紹介
システム開発を続けていると、こんな経験はないでしょうか?
「複数人で開発を進めるうちに、クラス間の依存関係がどんどん複雑になってきた」「保守フェーズで改修しようとしたら、意図しない箇所にも影響が出てしまった」。
こうした状況は、コードの規模が大きくなるにつれて、設計当初の「ここまでしか触らない」という取り決めがいつの間にか崩れていくことで起きます。
しかし、コードレビューだけで取り決めを守り続けるというのは現実的ではありません。
解決策としてマイクロサービス化が挙げられますが、サービス間の通信や運用面など、導入のハードルは決して低くありません。
多くの現場では「そこまでは手が回らない」というのが正直なところではないでしょうか。
こうした課題に現実的な答えを提供するOSSが「Spring Modulith」です。
■Spring Modulithとは
Spring Modulithは、Spring Bootアプリケーション内にビジネスドメインごとのモジュール境界を定義し、「どこからアクセスしてよいか」という取り決めをコードで表現し、その違反をテストで自動検出できるライブラリです。
例えば、「受注」「在庫」「顧客」といったドメインごとにパッケージで分割することで、パッケージ構造をモジュール境界として扱い、公開範囲や依存関係を明示的に管理できます。
このように、単一のアプリケーション内をモジュールで構造化するアーキテクチャはモジュラモノリスと呼ばれます。
Spring Modulithは、このモジュール境界の取り決めをテストで自動的に検証することで、「設計をコードで守る」ことを可能にする点が特徴です。
2023年に1.0 GAがリリースされ、注目が高まっています。
■主な機能・特徴
・アーキテクチャの検証:`ApplicationModules.verify()` をテストに追加するだけで、モジュール間の循環依存や、内部用として宣言されたパッケージへの外部からのアクセスをテストで自動検出できます。
「取り決めがあるのに、コードでは守られていない」という状況を、テストで継続的に防ぐことができます。
・モジュール単体テスト:対象モジュールに限定したSpringコンテキストを起動してテストできます。
テストの実行が速くなるだけでなく、モジュールの境界を意識したテスト設計が自然と促されます。
・ドキュメントの自動生成:モジュール間の依存関係をコードから図として自動生成できます。
設計書とコードが乖離しがちな現場でも、常に最新の構造を把握できます。
Spring Bootアプリケーションの設計品質を継続的に保つ取り組みとして、Spring Modulithの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
Spring Modulithの詳細情報
https://openstandia.jp/oss_info/spring_modulith/
OpenStandiaではSpring Modulithの技術サポートを提供しています。
ご利用の際はお気軽にお問い合わせください。
現在のサポート対象OSSは、下記OpenStandiaサイトからご確認いただけます。
◆OpenStandiaサポート対象OSS一覧
https://openstandia.jp/services/#supportlist
2.OSS紹介ページ 今月のアップデート(新規:1件、更新:1件)
(新規)
Open Hands (https://openstandia.jp/oss_info/openhands/)
(更新)
Apache Axis2 (https://openstandia.jp/oss_info/apacheaxis2/)
3.OSS紹介ページ 先月のアクセスランキングTOP10
オープンソース情報ページ「OpenStandia OSS紹介」のアクセスTOP10をご紹介
↑ 1位 (2位) PostgreSQL (https://openstandia.jp/oss_info/postgresql/)
↑ 2位 (3位) Apache Tomcat (https://openstandia.jp/oss_info/tomcat/)
↓ 3位 (1位) Ollama (https://openstandia.jp/oss_info/ollama/)
↑ 4位 (ランク外) Spring Boot (https://openstandia.jp/oss_info/springboot/)
↓ 5位 (4位) MySQL (https://openstandia.jp/oss_info/mysql/)
↑ 6位 (10位) Apache HTTP Server (https://openstandia.jp/oss_info/apache/)
↑ 7位 (8位) PHP (https://openstandia.jp/oss_info/php/)
↓ 8位 (6位) NGINX (https://openstandia.jp/oss_info/nginx/)
↓ 9位 (7位) Keycloak (https://openstandia.jp/oss_info/keycloak/)
↑ 10位 (ランク外) Spring Framework (https://openstandia.jp/oss_info/spring/)
※( )内は前月の順位
◆OSS総合情報ページ「OpenStandia OSS紹介」はこちら
https://openstandia.jp/oss_info/
4.今月注目のバグ&セキュリティ情報
【Keycloak】IdentityBrokerService における無効化されたIDプロバイダの不適切な適用 (CVE-2026-3009)
Keycloak の IdentityBrokerService.performLogin エンドポイントに存在するセキュリティ上の欠陥により、管理者が ID プロバイダー (IdP) を無効化した後でも、IdP を使用した認証が実行できてしまう可能性があります。
IdP のエイリアスを知っている攻撃者は、以前に生成されたログイン要求を再利用することで、管理者の制限を回避できます。
これはアクセス制御の強制力を弱め、無効化された外部プロバイダーを介した不正認証を許してしまう恐れがあります。
本脆弱性の影響を受ける環境は下記となります。
・Keycloak
~ 26.5.5 より前
関連情報
・National Vulnerability Database
https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-3009
・Common Vulnerabilities and Exposures (CVE)
https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2026-3009
OpenStandia年間サポートサービスでは毎週、セキュリティアラートに関する情報、およびバグFIXに関する情報を提供しています。
◆OpenStandiaオープンソース年間サポートサービスのご紹介
https://openstandia.jp/services/
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