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KeycloakがAuthZENに対応。認可の標準化が進む理由とは? NRI OSSソリューションマガジン 2026.8.5発行 Vol.236

1. KeycloakがAuthZENに対応。認可の標準化が進む理由とは?

今回は、オープンソースのIdentity and Access Management(IAM)製品として世界中で広く使われている「Keycloak」に関する、最新アップデート情報をお届けします。
Keycloakコミュニティはバージョン26.7.0より、標準化仕様である「OpenID AuthZEN Authorization API 1.0」の試験的サポートを開始したと発表しました。

■「AuthZEN」とは?

AuthZENは、動的できめ細かな認可方式について、導入のしやすさ、拡張性、相互運用性を向上させ、現代の情報セキュリティにおけるベストプラクティス要件に、より適切に対応することを目的とした、OpenID Foundationのワーキンググループです。
今回Keycloakが試験的にサポートしたのは、AuthZENで策定されている仕様の一つである「OpenID AuthZEN Authorization API 1.0」です。
この仕様は、アクセス制御を適用するPolicy Enforcement Point(PEP)が、ポリシーに基づいてアクセス可否を判断するPolicy Decision Point(PDP)に対して、共通の形式で問い合わせを行い、その判定結果を受け取るための標準APIを定義しています。
今回のサポートにより、KeycloakはPDPとして動作し、任意のアプリケーション(PEP)が標準API経由でKeycloakの認可判定を利用できるようになります。

■なぜ今「AuthZEN」が注目されているのか?

これまで、認証についてはOpenID ConnectやSAMLという共通規格が普及したことで、異なるシステム間でもスムーズに連携できるようになりました。
しかし、認可については、各ベンダーやシステムが独自のAPIやプロトコルを採用しており、バラバラな状態が続いていました。
そのため、一度システムを組み込むと別の製品への移行が難しくなる「ベンダーロックイン」が大きな課題でした。
AuthZENは、この認可の領域に共通の標準規格を定義し、ベンダーに依存しないシームレスな連携を目指すワーキンググループです。

■AuthZENサポートによる3つの大きなメリット

KeycloakがAuthZENに対応することで、以下のようなメリットが期待されます。

・ベンダーロックインの解消
アプリ側は共通API(AuthZEN)を実装するだけで、裏側にあるさまざまなベンダーのPDPとシームレスに連携できるようになります。

・アクセス権判定モデル(RBAC、ABAC、ReBACなど)を一つのプラットフォームに統合
異なるポリシーモデルでも同じリクエスト形式に対応できるため、相互運用性が向上します。

・認可ポリシーの一元管理
アプリのコード内に認可ロジックを分散させず、Keycloakに集約・外部化できるため、監査やポリシーの更新が容易になります。

今回の機能はまだ試験的な段階ですが、すでに公式のPlaygroundがGitHub上に公開されており、実際に動作を試すことが可能です。
https://github.com/keycloak/keycloak-playground/tree/main/authzen

ぜひこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。

OpenStandiaではOSSの技術サポートを提供しています。
現在のサポート対象OSSは、下記OpenStandiaサイトからご確認いただけます。

◆OpenStandiaサポート対象OSS一覧
https://openstandia.jp/services/#supportlist

2.OSS紹介ページ 今月のアップデート(新規:1件、更新:1件)

(新規)
Graphiti (https://openstandia.jp/oss_info/graphiti/)

(更新)
Apache Spark (https://openstandia.jp/oss_info/spark/)

3.OSS紹介ページ 先月のアクセスランキングTOP10

オープンソース情報ページ「OpenStandia OSS紹介」のアクセスTOP10をご紹介

↑ 1位 (ランク外) Jaspersoft (https://openstandia.jp/oss_info/jaspersoft/)
↑ 2位 (ランク外) Squid (https://openstandia.jp/oss_info/squid/)
↓ 3位 (2位) PostgreSQL (https://openstandia.jp/oss_info/postgresql/)
↓ 4位 (3位) Apache Tomcat (https://openstandia.jp/oss_info/tomcat/)
↓ 5位 (1位) Ollama (https://openstandia.jp/oss_info/ollama/)
↓ 6位 (4位) Spring Boot (https://openstandia.jp/oss_info/springboot/)
↑ 7位 (8位) MySQL (https://openstandia.jp/oss_info/mysql/)
↓ 8位 (5位) Nginx (https://openstandia.jp/oss_info/nginx/)
→ 9位 (9位) Red Hat Enterprise Linux (https://openstandia.jp/oss_info/redhatenterpriselinux/)
→ 10位 (10位) PHP (https://openstandia.jp/oss_info/php/)

※( )内は前月の順位

◆OSS総合情報ページ「OpenStandia OSS紹介」はこちら
https://openstandia.jp/oss_info/

4.今月注目のバグ&セキュリティ情報

【Apache Tomcat】RewriteValve における URL デコードの不備によるセキュリティ制御迂回 (CVE-2026-59083)

Apache Tomcat のリライトバルブにおける URL エンコーディング (16 進数エンコーディング) の不適切な処理の脆弱性により、一部の構成で、特定リソースへのアクセスを制限する目的で設定したセキュリティ制約を回避できる可能性があります。
この問題は、Apache Tomcat の 11.0.0-M1 ~ 11.0.23、10.1.0-M1 ~ 10.1.56、9.0.0‐M1 ~ 9.0.119、8.5.0 ~ 8.5.100 に影響します。
サポート終了となった他のバージョンも影響を受ける可能性があります。
ユーザーは、この問題を修正したバージョン 11.0.24、10.1.57、または 9.0.120 にアップデートすることをお勧めします。
本脆弱性の影響を受ける環境は下記となります。

・Apache Tomcat
8.5.38 ~ 8.5.100
9.0.0-M1 ~ 9.0.119
10.1.0-M1 ~ 10.1.56
11.0.0-M1 ~ 11.0.23

関連情報
・National Vulnerability Database
https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-59083

・Common Vulnerabilities and Exposures (CVE)
https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2026-59083

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