技術調査・キャッチアップの入口として有用な「Awesomeリポジトリ」のご紹介 NRI OSSソリューションマガジン 2025.6.11発行 Vol.222
1.技術調査・キャッチアップの入口として有用な「Awesomeリポジトリ」のご紹介
ソースコード共有サービスで公開されている「Awesomeリポジトリ」をご存じでしょうか?
Awesomeリポジトリは、有志の開発者たちが特定の技術領域やテーマに関連するリソースを厳選し、優れたツールやライブラリ、資料などを体系的にまとめたものです。
Awesomeリポジトリの代表格であり起源とも言われている sindresorhus/awesome では多くのサブカテゴリへのリンクが展開されており、まさにポータル的な存在です。
その sindresorhus/awesome ではこう記されています。
「After all, it's a curation, not a collection.」
→コレクションではなく、キュレーションです。
「You should rather leave stuff out than include too much.」
→多くのものを含めるのではなく、むしろ除外していくべきです。
sindresorhus/awesome
https://github.com/sindresorhus/awesome
このことから、Awesomeリポジトリでは単なる収集がなされているというわけではなく、厳選されたコンテンツのみを残していくという基本方針であり、この考え方こそがAwesomeリポジトリの価値を高めています。
Awesomeリポジトリでは分野ごとに技術的な情報が網羅されています。
たとえば、
機械学習:josephmisiti/awesome-machine-learning
https://github.com/josephmisiti/awesome-machine-learning
フロントエンド開発:dypsilon/frontend-dev-bookmarks
https://github.com/dypsilon/frontend-dev-bookmarks
コンテナ関連:veggiemonk/awesome-docker
https://github.com/veggiemonk/awesome-docker
などが存在しています。
多くのリポジトリでは、公式ドキュメントや有用なブログ記事、実際のプロジェクトコードなどがカテゴリ分けされて紹介されており、学習や調査のスタート地点として非常に有用なコンテンツです。
また、Awesomeリポジトリは情報の鮮度や信頼性を保つために定期的に更新されており、プルリクエストによってコミュニティによる継続的な改善が行われています。
技術スタックの検討や、未経験領域のキャッチアップ、チームメンバーへの情報共有など、さまざまなシーンで活用ができますが、新しい分野に入門する場合でも、まずAwesomeリポジトリを確認するという習慣を持つだけで、効率的な情報収集が期待できます。
分野ごとに評価の高いツールが一覧化されているため、複数の選択肢を比較したいときにも便利です。
リポジトリのスター数や更新頻度も確認して信頼度の高いリポジトリであることを確認した上で、目的に合ったAwesomeリポジトリを選び、活用してみてください。
OpenStandiaではOSSの技術サポートを提供しています。
現在のサポート対象OSSは下記OpenStandiaサイトから確認できます。
◆OpenStandiaサポート対象OSS一覧
https://openstandia.jp/services/#supportlist
2.OSS紹介ページ 今月のアップデート(新規:1件、更新:7件)
(新規)
Dependency-Track (https://openstandia.jp/oss_info/dependency-track/)
(更新)
Apache Cordova (https://openstandia.jp/oss_info/cordova/)
CentOS (https://openstandia.jp/oss_info/centos/)
Fluentd (https://openstandia.jp/oss_info/fluentd/)
Jaspersoft (https://openstandia.jp/oss_info/jaspersoft/)
Jenkins (https://openstandia.jp/oss_info/jenkins/)
Jenkins X (https://openstandia.jp/oss_info/jenkins-x/)
Squid (https://openstandia.jp/oss_info/squid/)
3.OSS紹介ページ 今月のアクセスランキングTOP10
オープンソース情報ページ「OpenStandia OSS紹介」のアクセスTOP10をご紹介
→ 1位 (1位) Apache Tomcat (https://openstandia.jp/oss_info/tomcat/)
→ 2位 (2位) PostgreSQL (https://openstandia.jp/oss_info/postgresql/)
→ 3位 (3位) Apache HTTP Server (https://openstandia.jp/oss_info/apache/)
↑ 4位 (7位) PHP (https://openstandia.jp/oss_info/php/)
↓ 5位 (4位) MySQL (https://openstandia.jp/oss_info/mysql/)
↑ 6位 (9位) Red Hat Enterprise Linux (https://openstandia.jp/oss_info/redhatenterpriselinux/)
↑ 7位 (8位) Spring Framework (https://openstandia.jp/oss_info/spring/)
↓ 8位 (6位) Keycloak (https://openstandia.jp/oss_info/keycloak/)
↓ 9位 (5位) Nginx (https://openstandia.jp/oss_info/nginx/)
↑ 10位 (ランク外) Jaspersoft (https://openstandia.jp/oss_info/jaspersoft/)
※( )内は前月の順位
◆OSS総合情報ページ「OpenStandia OSS紹介」はこちら
https://openstandia.jp/oss_info/
4.今月注目のバグ&セキュリティ情報
【Grafana】 カスタムフロントエンドプラグインとオープンリダイレクトによるGrafana での XSS (CVE-2025-4123)
Grafana のカスタムフロントエンドプラグインの処理に欠陥が発見されました。
この脆弱性により、攻撃者はクライアントパストラバーサルとオープンリダイレクトの問題を悪用して XSS 攻撃を実行でき、任意の JavaScript 実行や悪意のあるウェブサイトへのユーザーリダイレクトにつながる可能性があります。
匿名アクセスが有効になっている場合、この攻撃は昇格された権限を必要とせずに実行できます。
本脆弱性の影響を受ける環境は下記となります。
・Red Hat Enterprise Linux 8 / CentOS 8
grafana-9.2.10-23.el8_10
・Red Hat Enterprise Linux 9
grafana-10.2.6-13.el9_6
・Red Hat Enterprise Linux 10
grafana-10.2.6-17.el10_0
・Grafana
10.4.18+security-01 ~ 10.4.19 より前
11.2.9+security-01 ~ 11.2.10 より前
11.3.6+security-01 ~ 11.3.7 より前
11.4.4+security-01 ~ 11.4.5 より前
11.5.4+security-01 ~ 11.5.5 より前
11.6.1+security-01 ~ 11.6.2 より前
12.0.0+security-01 ~ 12.0.1 より前
関連情報
・National Vulnerability Database
https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2025-4123
・Common Vulnerabilities and Exposures (CVE)
https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-4123
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◆OpenStandiaオープンソース年間サポートサービスのご紹介
https://openstandia.jp/services/