2008.02.14発行 Vol.7 ─────────────────────────────────── ◆◇ NRI OSSソリューションマガジン ─────────────────────────────────── 株式会社野村総合研究所オープンソースソリューションセンター(OSSC)の 私市(きさいち)です。今回は、企業ITを支える根幹「電子メールシステム」の 安全な移行ソリューションをご紹介します。 ※本メールは、NRI OSSCが主催・共催するセミナーに参加いただいお客様や、 NRI OSSCメンバーと名刺交換をさせていただいたお客様、過去にNRI-OSSCに お問い合わせいただいたお客様、OSSユーザコミュニティサイトの会員様に 配信しています。注意事項・配信停止方法は以下のURLをご確認ください。 https://openstandia.jp/site/mailmagazine.html ■目次 1.ニュースリリース 電子メールサーバソフト「sendmail」から「postfix」への移行サービス 2.コラム 「Asterisk(アスタリスク)って知ってますか?」 3.コラム 「SIerにとってのオープンソース」 4.最新イベント情報! ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.ニュースリリース 電子メールサーバソフト「sendmail」から「postfix」への移行サービス ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ NRIでは、2月7日に電子メールサーバソフト「sendmail」から「postfix」 への移行支援サービス開始のニュースリリース発表いたしました。 「sendmail」はオープンソースのメールサーバソフトウェアで、全世界で最も よく利用されています。しかし、歴史が古いこともあって、近年ではセキュリ ティやパフォーマンスなどの課題が指摘されています。内部統制の強化を進め る中で問題となり、対策が必要になるケースも多いようです。 お客様の抱える課題と、NRIがご提案する解決策とは… 詳細は、以下のWebサイトでご覧ください。 https://openstandia.jp/solution/mailserver/index.html ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2.コラム 「Asterisk(アスタリスク)って知ってますか?」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 日本Asteriskユーザ会 高橋隆雄 皆さん初めまして。日本Asteriskユーザ会の高橋です。皆さんはAsterisk をご存知でしょうか?いま注目を集めているオープンソースのひとつです。 オープンソースの波はテレフォニーにも オープンソースといえばLinuxを代表とするOSやApacheのようなWebサーバ、 MySQLのようなデータベースなどがよく知られています。このためか人によって はオープンソースといえばサーバと思っている場合もあるようです。 しかしながら今やオープンソースは例えばOpenOffice.orgのようなオフィス アプリケーションもありますし、ほとんどのソフトウェアのジャンルを網羅し ていると言えるでしょう。 ところが空白地帯とも言える分野がありました。それがテレフォニー分野で す。テレフォニー分野というと一般のユーザにも企業ユーザにもあまり馴染み がなく、手を出しにくい分野と思われていますが、実際にはそうではありませ ん。 このテレフォニー分野のオープンソース化に先鞭を付けたのがAsteriskです。 テレフォニーって何だ? では、そもそもテレフォニーとは何でしょうか?企業ユーザの皆さんにもっ とも馴染みが深いのはPBX(Private Branche eXchange:構内交換機)ではないで しょうか。PBXと言うとわかりにくいかもしれませんが、皆さんが会社で使っ ている電話のことです。内線番号を回せば(回すという表現はもう古いですが) 内線通話ができますし、外線通話で一般の電話や携帯電話とも通話できますね。 この処理を行っているのがPBXです。 PBXのような処理は一般的には電話交換と呼ばれます。ですから「交換機」 というわけですね。昔はこれは人手で行っていた作業で、会社には「電話交換 手」と呼ばれる人が居ました。 テレフォニーの範疇にはこの電話交換作業だけではなく、例えばコールセン ターや音声メニュー(IVR:Interactive Voice Response)も含まれます。 音声 メールや通話録音もこのテレフォニー分野に含まれます。 Asteriskで何ができるの? ではAsteriskでカバーできるテレフォニーの分野とは何でしょうか?実は上 に挙げた全ての処理が実現できます。電話交換はもちろんコールセンターの構 築から通話録音もできます。そしてAsteriskはオープンソース(GPL2)です。 そんな都合の良いオープンソースのソフトウェアが本当にあるのかと勘ぐり たくなるかもしれませんが、それがAsteriskなのです。 Asteriskは"Asterisk: An Open Source PBX"と呼ばれているために、どちら かといえば電話交換機のイメージが先行してしまい、一般のユーザには関係の ないものと捉えられがちなのですが、実はAsteriskは家庭から企業まで幅広く 応用することのできるオープンソースのひとつです。極端なことを言えば、家 庭の電話システムをAsterisk化することで超高機能な留守番電話にすることも できますし、今話題のモバイルセントレックス化することもできます。 どこを見ればわかるの? 日本国内ではAsteriskの情報はまだそれほど多くありません。高橋のやって いるVoIP-Info.jp Wikiが事実上の情報源となっています。コミュニティ活動を まとめようということで、昨年の5月に日本Asteriskユーザ会が発足しましたが 現在のところは単なるユーザ会です。 ・VoIP-Info.jp Wiki http://voip-info.jp/ ・日本Asteriskユーザ会 http://asterisk.gr.jp/ Asteriskの魅力や何ができるのかについては、本コラムでまたご紹介したいと 思います。 ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.コラム 「SIerにとってのオープンソース」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ NRI オープンソースソリューションセンター長 寺田雄一 SIerにとって、オープンソースはどのようなインパクトがあるだろうか? 様々なプロダクトを組み合わせて、システムを構築し、お客様に提供すると いう「システムインテグレーター」のビジネスの中で、「プロダクトのライセ ンスを販売する」というビジネスが締める割合は決して小さなものではない。 (各社で事情は異なるだろうが)オープンソースが普及し、「ライセンス費」 のビジネスが無くなると、売上が小さくなってしまう、という危惧はあるだろ う。この点で、オープンソースの活用にあまり積極的ではないSIerも少なくな い。 しかし、オープンソースの流れは止まらない。 ある統計によると、75%の企業でなんらかのオープンソースを既に導入して いる。その1年前の統計では50%であったので、年に25%というスピードで普及 が進んだことになる。(もちろん、「なんらかの」という部分で、Linuxのみ 利用しているケースも多いと思われるが。 それでもオープンソース普及の、 大きな流れは表している。) また、最近のオラクル社によるLinuxビジネスへの参入や、サン・マイクロ システムズ社によるMySQLの買収など、大手ITベンダーもオープンソースビジ ネスに参入し、 エンタープライズ分野においても、ますますオープンソース が使われるようになるのは間違いない。 SIerは今、「オープンソースが普及するかどうか」ではなく、「オープン ソースが普及するのは間違いない。 では、SIerとしてどう行動するのか?」 が問われている。 デメリットばかりではない。 SIerであれば、商用プロダクトの不具合について、「コールセンターに問い 合わせたが、日本にはエンジニアがおらず、米国に質問がまわされ、解決まで に数週間かかった。」といった対応に悩まされた経験は誰しもあるだろう。 オープンソースは、これまでブラックボックスで手が付けられなかったOSや、 ミドルウェアについて、自社に「コントロールを取り戻す」チャンスだ。また オープンソースを上手に活用すれば、自社ソリューションを短期、かつ低コス トで開発することも可能だ。 ただ、オープンソースを利用するスキルは、商用プロダクトのそれとさほど 変わらないが、ソースコードレベルで対応するスキルは難易度が高く、また 「より上流へ」というSIerの今後の方向性とも相反するところがある。 このような部分で、弊社のオープンソースサポートサービス「OpenStandia」 が、多くのSIerのお役に立つことを願っている。 ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4.最新イベント情報! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ ┌────────────────────────────────── │OSS導入をご検討のIT 管理者様、必見!デル、インテル、NRI、OSSTech主催 │ │「今からはじめるオープンソース ~ OSS事例&実践セミナー」 │ 2008/03/11(火)開催 └────────────────────────────────── 本セミナーでは、製造業やECサイト、金融機関や大学などへの導入成功事例、 OSS導入のキーポイントなど、これから本格的にOSS導入を検討されている企業 のIT 管理者様のお役に立つOSSソリューションをご紹介します。 日時:2008年3月11日(火)13:30~17:00(受付開始 13:30~) 場所:野村総合研究所 丸の内総合センター 9F 定員:50名 費用:無料(完全事前登録制) セミナー詳細、お申し込みはホームページをご覧ください。 https://openstandia.jp/event/event20080124_2.html ┌────────────────────────────────── │~ 次世代ネットビジネスを勝ち抜くマーケティング戦略 特別無料セミナー │ 2008/03/11(火) 福岡にて開催決定! └────────────────────────────────── セミナーの詳細は、近日中にホームページに掲載いたします。 もうしばらくお待ちください。 https://openstandia.jp/event/ommerce.html OpenStandia年間サポートサービスのご相談は、以下からお問い合わせください。 https://openstandia.jp/site/contact.html ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 最後までご覧いただき、どうもありがとうございました。 先月末、中国の論語ブームの火付け役でもある北京師範大学の于丹教授が来日 されたそうです。ちょうど本屋で「論語力」という新書を見つけて読み始めた 時期でした。中国の論語ブームは、「目覚しい発展でモノがあふれる中、精神 的な喪失感を抱く中国人の心の核となった」ためと言われています。私も現在 の年齢になって、以前とは違った認識を持って読み直しています。2000年以上 経った現代社会でも共通する、精神的なヒントがたくさんあるものですね。 次回もどうぞよろしくお願いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※注意事項・配信停止方法は以下のURLをご確認ください。 https://openstandia.jp/site/mailmagazine.html 商品・サービスに関するお問い合わせ:ossc@nri.co.jp OSSソリューションマガジンに関するお問い合わせ:magazine-ossc-ext@nri.co.jp 発信元:株式会社野村総合研究所オープンソースソリューションセンター https://openstandia.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━