2012.07.24発行 Vol.59 ─────────────────────────────────── ◆◇ NRI OSSソリューションマガジン ─────────────────────────────────── こんにちは。株式会社野村総合研究所オープンソースソリューションセンター (OSSC)の私市(きさいち)です。 本格的な夏の到来です。今年も熱中症と体調管理に注意しながら暑い夏を乗り 切ってまいりましょう。 先日発表したニュースリリース「OpenStandiaクラウドサポート」で多くの反響 を頂きました。ありがとうございます。さらに、クラウド関連の新サービスを 近日中に発表予定です。今後もOpenStandiaにご注目ください。 今週号はコラムが2本(Vyatta、OSSライセンス)ございます。是非ご覧ください。 ※本メールは、NRI OSSCが主催・共催するセミナーに参加いただいたお客様や NRI OSSCメンバーと名刺交換をさせていただいたお客様、過去にNRI OSSC にお問い合わせいただいたお客様、OSSユーザコミュニティサイトの会員様に 配信しています。注意事項・配信停止方法は以下のURLをご確認ください。 https://openstandia.jp/site/mailmagazine.html ■目次 1.What's New ◆プレスリリース(2012.7.12) 「OpenStandiaクラウドサポート」 2.コラム 日本Vyattaユーザー会の紹介 ~クラウド環境で使うルータ・ファイアウォールソリューションに注目 3.コラム これならわかるOSSライセンス その5 4.横浜ガイド 第3回 5.最新イベント情報! (1)7/26&8/23 OSS BI(JASPERSOFT)、DB(MongoDB)のご紹介セミナー (2)8/3,4 オープンソースカンファレンス2012 Kansai@Kyoto (3)8/ 9 クラウド時代のOSS戦略セミナー ~シングルサインオン(OpenAM)、統合ID管理(LISM)など最新事例紹介~ (4)8/28 オープンソースERP ADempiere紹介セミナー ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.What's New ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ ─────────────────────────────────── ◆プレスリリース(2012.7.12) 「OpenStandiaクラウドサポート」 ─────────────────────────────────── ▼OpenStandiaクラウドサポートのサービス内容・価格体系はこちら https://openstandia.jp/services/cloud_support/index.html NRI OpenStandiaが提供するクラウド環境に適した新たなOSSサポートサービス 「OpenStandiaクラウドサポート」では、 ・実際に利用しているCORE数による課金 ・クラウド環境上に複数のシステムが稼働する場合であっても、クラウド環境 全体のCORE数を合算して、価格を算出 ・利用CORE数が多いクラウド環境においては、ボリュームディスカウント適用 といった特徴があり、仮想サーバ数が多い場合や複数システムが稼働するクラ ウド環境でのソフトウェアコストの削減が可能です。 ▽プレスリリースの詳細はこちらをご覧ください。 http://www.nri.com/jp/news/2012/120712.html ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2.コラム 日本Vyattaユーザー会の紹介 ~クラウド環境で使うルータ・ファイアウォールソリューションに注目 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 日本Vyattaユーザー会会長 近藤 邦昭 (株式会社まほろば工房 代表取締役) 「クラウド」という言葉が一般的になってからもう数年になります。これまで のクラウド環境と言えば、サーバーやストレージの仮想化に始まり、サービス を隠ぺい化されたネットワークに配置するなどが一般的だったと思います。 このようなクラウド環境で提供されるコンポーネントは、Webサーバやロード バランサ、データベースなどお決まりのもので、これに定型化されたネット ワークがくっついてきます。 もちろんこのような型にはまっていないサービスも多数ありますが、そういう 部分でもネットワーキングの部分は貧弱で、クラウド上に展開した社内サービ スを実際のオフィスまで持ち込むためのVPNは、物理的なルータ等に頼るケース もあります。つまり、「クラウドの中」のネットワークの自由度は制限された 状態にある訳です。 さて、Vyattaとは何でしょうか? Vyatta(ヴィヤッタ)は、米国Vyatta社が 提供する、いわゆる「ソフトウエアルータ」です。ソフトウエアルータのイ メージといえば、Linux上にインストールして使用し、そしてパフォーマンスは あまり期待できず、安定性もいまいち、というのが一般的なイメージですが、 Vyattaは、このようなイメージとは違います。 Vyattaは、Quaggaをはじめとするオープンソースの集合体であり、Vyatta社が 提供するCLIインタフェース等によって統合的に管理されるものです。この為、 提供形態は一般的なオープンソースとはことなり、「仮想アプライアンス」と して提供されます。つまり、ISOイメージで配布されるVyattaを仮想マシンの 起動時にマウントし、CD-ROMから仮想マシンに直接インストールしてしまい、 その仮想マシンは丸ごと「ルータ」として動作させられるのです。 このようなVyattaはクラウド環境の中に「ルータ」や「ファイアウォール」 として配置することができ、これまでハードウエアに頼ってきて部分をすべて クラウド環境の中で解決し、ネットワークの自由度を提供してくれるのです。 最近のVyattaは、バージョンが6.4まで上がり、安定度も上がっています。 クラウド環境ではありませんが、Vyattaをサーバに直接インストールした状態 では、使用環境により10Gbps 以上のパフォーマンスを記録したレポートも 上がっているほか、地方のISPでは実際にバックボーンで使用している事例も あり、安定性も上がってきています。 特徴的なのは、Vyattaには無料で配布されるVyatta Coreと有償版でサポート 等がしっかりついてくるVyatta Subscription Editionの2つがあり、ユーザー はここから選べます。また、Vyatta Coreはオープンソース化されており、 自分で新しい機能を追加していくことも可能です。 このVyattaを日本のコミュニティで活用・情報交換するための会が2010年6月 に「Vyattaユーザー会」として設立され、活動を行っています。会合は年に 1~2回開催されるほか、地方でも個別に研究会などが実施されています。 最近では、4月に開催され、その様子が日経ITProでも紹介されています。 (下記URL) Vyattaのような、クラウド向けネットワーキングコンポーネントは、クラウド 環境では不可欠な存在となりつつあります。是非、みなさんと情報交換できれ ばと思います。 ◆リンク集 - 日本Vyattaユーザー会 http://www.vyatta-users.jp/ - 2012年4月開催のミーティングの紹介(日経ITProより) http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20120509/395341/?ST=network - Vyatta Subscription Editionとサポートサービスについて http://www.ate-mahoroba.jp/vyatta/ - [書籍] Vyatta入門 - 実践ルーティングから仮想化まで http://gihyo.jp/book/2011/978-4-7741-4711-6 ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.コラム これならわかるOSSライセンス その5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 行政書士/管理本部長 ワークブレイン・ジャパン株式会社 (IPA国際標準化センター主査リーガルワーキンググループ 主査)江端 俊昭 OSSは特徴として、そのソフトウェアの「配布」を行うことができるとされて います。 ソフトウェアの「配布」とは、ソフトウェアを固定した媒体を他人に供給する こと(この場合、我が国の著作権法で言えば「譲渡権」又は「貸与権」若しく は「公衆送信権等」といった権利行使がなされる)、言い換えれば他人が当該 ソフトウェアを利用できる状態におくことをいい、これは当該ソフトウェアの 複製媒体による供給、ネットワーク(LAN、WANにかかわらず)を通じた供給あ るいは当該ソフトウェアが格納されたサーバーに対するアクセス権の付与等、 形式形態にはこだわりません。 ところで、我が国の著作権法第30条では、個人的に又は家庭内その他これに 準ずる限られた範囲内における使用(私的な使用)を目的とするときには、著 作権者の許諾を要することなく著作物を複製(及び配布)することを認めてい ますが、企業の内部的使用のために複製(及び配布)は、私的使用の範囲に該 当しない(東京地判昭和52年7月22日)とされています。 しかし、OSSライセンスの多くは法の規定とは多少異なる概念を有し、一企業 ・団体内における内部的使用も私的使用の範囲として、複製した著作物を社内 で使用しても「配布」の権利を行使したことにはあたらないとしています。 また、企業がソフトウェア開発を外部の企業に委託する際、委託元の企業が有 するOSSを使って委託先企業が開発する場合や、委託先企業がOSSを使って開発 したシステムを委託元企業に納品する場合が生じますが、これらの場合におい ても、当該OSSについては「配布」の権利が行使されたとはみなされないとさ れているのが、一般的です。 以上、「複製」「改変」「配布」とOSSライセンスが規定する著作権の代表的 な許諾の実際について述べてきましたが、「複製」「改変」と「配布」には 著作権者に対する影響度において若干の差異があります。 たとえば、一般的な著作物においても、許諾した相手が、自身のためにだけに 複製することは勿論のこと、改変(仮に違法でも)して、当該著作物を使用し ても、著作権者に、与える実態上影響は実際それほど大きくありません。 しかし、これを第三者に配布するとなると、影響は(それが、合法違法に関わ らず)異なってきます。 したがって、ソフトウェアを使用(実行)するための条件に言及した多くの商 用ソフトウェアライセンスとは異なり、OSSライセンスは、ソフトウェアの( 改変を含む)再利用を公平かつ広く遍く即すことを前提としていることから、 「配布」の権利行使については、当該ライセンスごとに、その条件規定が多様 です。 一方、OSSは、その使用(改変を行うことの有無にかかわらず)が個人あるい は一企業・団体内にとどまるならば、ライセンス内容を、それほど意識するこ となく利用できるソフトウェアとも言えるでしょう。 【ご参考URL】 http://moe3.co.jp/archives/39 ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4.横浜ガイド 第3回 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 3回目の横浜ガイドは、横浜駅東口にある老舗百貨店 そごう横浜店の屋上を ご紹介します。子供から大人まで楽しめて、意外にのんびりできる空間です。 5/11(金)~9/23(日)は、海が見えるビアガーデンも開かれています! ================================================== 「そごう横浜店屋上」 ================================================== ・人工芝の広場 ・人工芝の小山(トンネル付き) ->ショッピングに飽きた子供たちが思い切り走り回ったり、遊べることができ 広場はかなりの広さです。日光浴をしているカップルもいます。 ・噴水(岡本太郎作"太陽"のモニュメント) ->天気のいい日は、水面を眺めているだけで気持ちいいです。 ・FUTSAL POINT YOKOHAMA Shunsuke Park(フットサルコート、スクール) -> 横浜Fマリノス中村俊輔選手プロデュースのスクールとレンタルコート。 ・ガーデンギャラリー「ハーベストファーム」 ・自動販売機コーナー (おまけ) 「バー シーガーディアンIII そごう横浜店」そごう横浜店 10階 http://www.hotel-newgrand.co.jp/restplan/out_seaguardian.html サザンの歌でも有名なバーの姉妹店で、こちらは夜景がポイントなのだとか。 バータイムにはまだしばらく行けそうもないので、17時までのティータイムに 行ってみたいと思います! ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 5.最新イベント情報! (1)7/26&8/23 OSS BI(JASPERSOFT)、DB(MongoDB)のご紹介セミナー (2)8/3,4 オープンソースカンファレンス2012 Kansai@Kyoto (3)8/ 9 クラウド時代のOSS戦略セミナー ~シングルサインオン(OpenAM)、統合ID管理(LISM)など最新事例紹介~ (4)8/28 オープンソースERP ADempiere紹介セミナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ ┌────────────────────────────────── │今注目のMongoDBの概要と特徴を、XMLデータ検索アプリを事例に紹介! │<7月、8月開催> OSS BI(JASPERSOFT)、DB(MongoDB)のご紹介セミナー └────────────────────────────────── 日時:2012年7月26日(木) 13:30~15:30(受付開始 13:15~) 2012年8月23日(木) 13:30~15:30(受付開始 13:15~) 会場:TKP赤坂ツインタワーカンファレンスセンター7階 カンファレンスルーム 7B 費用:無料 定員:39名 (事前登録制) ※定員に達した時点で申込みは終了といたします 講演内容: ・MongoDBで作るXMLデータ検索アプリ ・OSSでここまでできるビジネスインテリジェンス (「データ分析できない社員はいらない」他、著書多数の平井 明夫氏による講演) ▼イベントの詳細やお申し込みはホームページをご覧ください。 <7/26 開催> https://openstandia.jp/event/event20120726.html <8/23 開催> https://openstandia.jp/event/event20120823.html ┌────────────────────────────────── │ オープンソースの「今」を伝えるオープンソースカンファレンス2012 │ 8/3,4 Kansai@Kyoto開催 └────────────────────────────────── 日時:2012年8月3日(金)、4日(土) 10:00~17:00 場所:京都リサーチパーク(KRP) (JR嵯峨野線(山陰線)「丹波口駅」より西へ徒歩5分、 「京都駅/西院駅/大宮駅/五条駅」からタクシーで約10分) 費用:無料 主催:オープンソースカンファレンス実行委員会 講演内容: ・クラウド時代のOSS戦略 ~シングルサインオン(OpenAM)、統合ID管理(LISM)など最新事例紹介~ ▼イベントの詳細やお申し込みはホームページをご覧ください。 https://openstandia.jp/event/event20120803.html ┌────────────────────────────────── │ 毎回ご好評いただいている短時間セミナー、お気軽にご参加ください! │ 8/9 クラウド時代のOSS戦略セミナー │ ~シングルサインオン(OpenAM)、統合ID管理(LISM)など最新事例紹介~ └────────────────────────────────── 日時:2012年8月9日(木) 14:30~15:30(受付開始 14:00~) 会場:TKP赤坂ツインタワーカンファレンスセンター7階 カンファレンスルーム 7B 費用:無料 定員:39名 (事前登録制) ※定員に達した時点で申込みは終了といたします 講演内容: ・「クラウド時代のOSS戦略 ~シングルサインオン(OpenAM)、 統合ID管理(LISM)など最新事例紹介~ 株式会社野村総合研究所 オープンソースソリューションセンター長 寺田 雄一 ▼イベントの詳細やお申し込みはホームページをご覧ください。 https://openstandia.jp/event/event20120809.html ┌────────────────────────────────── │ ADempiereを使った実業務のデモンストレーションもあります! │<初登場> 8/28 オープンソースERP ADempiere紹介セミナー └────────────────────────────────── 日時:2012年8月28日(火) 16:30~18:00(受付開始 16:15~) 会場:TKP赤坂ツインタワーカンファレンスセンター7階 カンファレンスルーム 7B 費用:無料 定員:39名 (事前登録制) ※定員に達した時点で申込みは終了といたします 講演内容: ・オープンソースERP ADempiereの紹介とデモ MEL Consulting 宮口 家治 氏(日本ADempiereの会) ・日本ADempiereの紹介 高田浩一設計事務所 高田 浩一 氏(日本ADempiereの会) ▼イベントの詳細やお申し込みはホームページをご覧ください。 https://openstandia.jp/event/event20120828.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編┃集┃後┃記┃ ━┛━┛━┛━┛━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最後までご覧いただき、どうもありがとうございました。 高校野球にロンドンオリンピックと、スポーツの見どころ満載の夏がやってき ました。最近、体を動かす楽しみを再発見したので、選手たちの熱いプレーを 見て元気をもらいながら、トレーニングを頑張りたいと思っています。 そういえば、8月7日に発表されると報じられたiPhone5は、結局秋(10月頃?)の 発売になるそうですね。NTT Docomoのスマホに替えてまだ1年なのに、早くも iPhoneに戻したい気持ちがムクムクと…(笑)。我が家はSoftBankの電波の入り が悪かったから次回はau?にしようかな、家族でキャリアが違うと面倒かな? なんて考えながら、新発売を心待ちにしています! 次回もどうぞよろしくお願いいたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※注意事項・配信停止方法は以下のURLをご確認ください。 https://openstandia.jp/site/mailmagazine.html 商品・サービスに関するお問い合わせ:ossc@nri.co.jp OSSソリューションマガジンに関するお問い合わせ:magazine-ossc-ext@nri.co.jp 発信元:株式会社野村総合研究所オープンソースソリューションセンター https://openstandia.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━