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大規模言語モデルとは?OSSにより解決を目指すAI倫理問題 NRI OSSソリューションマガジン 2022.9.28発行 Vol.189

1.大規模言語モデルとは?OSSにより解決を目指すAI倫理問題

OpenStandiaのメールマガジンをご購読いただき誠にありがとうございます。

今回は、世界的に活発化している大規模言語モデルのオープンソース化について、ご紹介いたします。

言語モデルとは、入力された単語の続きの単語を出現確率で予測することにより自然言語(人間が話したり書いたりする言葉)を自動生成するモデルです。いわゆる人工知能(AI)などで利用されています。

言語モデルは、大量のテキストデータを機械学習することで生成されますが、特に膨大なパラメータを用いて学習することで精度を高めた言語モデルは、大規模言語モデルといわれます。

2022年5月、Facebookを運営するMetaが大規模言語モデルである「OPT-175B」を研究者向けに無償公開しました。

また、2022年7月には、コミュニティ主導の非営利団体であるBigScienceが、大規模言語モデル「BLOOM」をオープンソースとして公開しています。

これら2つの言語モデルはどちらも、AIの研究所であるOpenAIが開発した代表的な大規模言語モデルである「GPT-3」に匹敵する規模(パラメータ数)のモデルです。

「GPT-3」については、以下の解説サイトをご参照ください。

GPT-3[NRI用語解説]
https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/gpt_3
※外部リンク

ところで、「GPT-3」の旧バージョンである「GPT-2」はオープンソースとして公開されていますが、「GPT-3」は、オープンソースではありません。
クラウドサービスを通じて利用できるAPIを使用することで一部の機能を利用することはできますが、モデルを構築するソースコードは公開されていません。

これには、どのような理由があるのでしょうか?

この理由として、開発元のOpenAIは、フェイクニュース生成などへの悪用の懸念を挙げています。

また、言語モデルは、学習データが持つ偏見を引き継いでしまうという問題があり、学習内容によって差別的な文章を生成してしまうという危険性を内包しています。いわゆる、AI倫理の問題です。

そのため、「GPT-3」のAPIは危険な結果にアラートを出し、出力されないようにするなど、対策をとっていたりします。

これに対して、MetaやBigScienceが行った大規模言語モデルのオープンソース化は、どのような狙いがあるのでしょうか?

実は、その狙いの1つに、この分野のオープンな研究開発を促進し、言語モデルの危険性の理解を深めることで、より健全なAI開発につなげていくという狙いがあります。つまり、AI倫理の問題に対する前向きなアプローチです。

大規模言語モデルのオープンソース化は、良くも悪くも革新的な試みであり、この分野の発展に少なからず影響していくことでしょう。今後も引き続き、動向をウォッチしていきたいです。

将来、AI、アンドロイドが普及する社会で、オープンソースがその基盤を担っているかもしれません。

3.OSS紹介ページ 今月のアクセスランキングTOP10

オープンソース情報ページ「OpenStandia OSS紹介」のアクセスTOP10をご紹介

→ 1位 (1位) MySQL (https://openstandia.jp/oss_info/mysql/)
→ 2位 (2位) Apache HTTP Server (https://openstandia.jp/oss_info/apache/)
→ 3位 (3位) Apache Tomcat (https://openstandia.jp/oss_info/tomcat/)
→ 4位 (4位) OpenShift (https://openstandia.jp/oss_info/openshift/)
↑ 5位 (6位) Fluentd (https://openstandia.jp/oss_info/fluentd/)
↓ 6位 (5位) PostgreSQL (https://openstandia.jp/oss_info/postgresql/)
↑ 7位 (8位) PHP (https://openstandia.jp/oss_info/php/)
↑ 8位 (10位) Keycloak (https://openstandia.jp/oss_info/keycloak/)
↑ 9位 (ランク外) Jenkins (https://openstandia.jp/oss_info/jenkins/)
↑ 10位 (ランク外) GitLab (https://openstandia.jp/oss_info/gitlab/)

※( )内は前月の順位


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4.編集後記

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

野村総合研究所の八十田です。
今回は、ブラウザ上で使用できるUIデザインツール「Figma(フィグマ)」についてご紹介します。

Figmaは、WebサイトやスマートフォンアプリのUIやプロトタイプなどを簡単に作成・シェアすることができ、利便性が高く近年注目を集めています。
2022年7月には日本語版のリリースが発表され、日本で利用者もますます増えていくのではないでしょうか。
このFigmaのメリットについて、3つご紹介します。

メリット1【ブラウザ上で利用できる】
似た機能を持つデザインツールのSketchやAdobe XDとは異なり、Figmaはブラウザ上で作成したデザインを呼び出すことができるため、インターネット環境さえあれば、場所に関係なく作業することができます。

メリット2【共同作業ができる】
FigmaではURLを共有するだけで、チーム内で画面を共有しながら、リアルタイム編集が可能です。
また、コメント機能を使用することで、情報共有やコミュニケーションを円滑に進めることができます。

メリット3【作成したデザインからソースコードに変換できる】
Figmaには何千という無料のプラグインが用意されており、作成したデザインをHTMLやReact・Angular・Vueなどの(Single Page Application)フレームワーク等のソースコードに変換することができます。

簡単にFigmaのメリットについてご紹介しましたが、Figmaは無料でデザイン制作が可能な試用プランが用意されています。
ご興味のある方はぜひお試しください。

Figma(外部サイトにリンクします)
https://www.figma.com/ja/

今後も、「NRI OSSソリューションマガジン」をどうぞよろしくお願いいたします。

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