2010.09.28発行 Vol.39 ─────────────────────────────────── ◆◇ NRI OSSソリューションマガジン ─────────────────────────────────── こんにちは。株式会社野村総合研究所オープンソースソリューションセンター (OSSC)の私市(きさいち)です。先週からようやく涼しくなりました!エアコン を付けずに安眠できてうれしいです。さて、毎回ご好評いただいているセミナー 「OSSで実現するSSOとID管理」はすぐに満席になってしまいます。参加の お申し込みはお早めにお願いします!また、NRIが事務局を務めるOBCIでは 「クラウド時代のRDBMS&分散ストレージ7製品のロードマップを一挙紹介!」 セミナーも実施します。こちらも要チェックですよ! ※本メールは、NRI OSSCが主催・共催するセミナーに参加いただいたお客様や NRI OSSCメンバーと名刺交換をさせていただいたお客様、過去にNRI-OSSCに お問い合わせいただいたお客様、OSSユーザコミュニティサイトの会員様に 配信しています。注意事項・配信停止方法は以下のURLをご確認ください。 https://openstandia.jp/site/mailmagazine.html ■目次 1.What's New ◆OSS紹介 Dovecot、OpenOLAPページ公開 2.コラム 今話題の、PostgreSQL新版9.0 3.コラム ご存知でしたか?OSSと自治体のイベント OSC2010 .Government 4.最新イベント情報! (1)10/14 オープンソースで実現するSSOとID管理 (2)10/27 オープンソースで実現するCMS/文書管理セミナー (3)10/28 OBCIの会員限定プレミアムセミナー ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.What's New ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ ─────────────────────────────────── ◆OSS紹介 Dovecot、OpenOLAPページ公開 ─────────────────────────────────── NRI-OSSCがサポートしているOSSの概要や機能、優位性や導入事例などの 情報をまとめている「OSS紹介ページ」において、Dovecot、OpenOLAP のページを追加公開しました。 2010年9月現在、41種類のOSSをご紹介しています。今後も順次公開予定です。 OS/データベース/WEB 系・スクリプト言語系/Java 系/ネットワーク・ インフラ系/アプリケーション系というようにカテゴリ別にも参照することが できます。ぜひご覧ください。 ▽OSS紹介 Dovecot関連サービスページ https://openstandia.jp/services/dovecot/index.html ▽OSS紹介 OpenOLAP関連サービスページ https://openstandia.jp/services/openolap/index.html ▽OSS紹介 対象OSS一覧ページ https://openstandia.jp/oss_info ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2.コラム 今話題の、PostgreSQL新版9.0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ SRA OSS,Inc.日本支社 支社長 石井 達夫 皆様こんにちは。昨年3月以来ご無沙汰しておりました、SRA OSSの石井と 申します。 以前お伝えしたように、私どもの会社は、PostgreSQLというオープンソース DBに力を入れているのですが、今回は今話題のPostgreSQLの新版9.0につい てお伝えしたいと思います。 # 従来のPostgreSQLでは... PostgreSQLは単体としての機能や性能では、他のOSS DBはもちろん、商用 DBにも引けを取らないレベルに達しています。そうなると、情報系など周辺 のシステムで利用するだけでなく、企業の中枢部の基幹システムでも使えない か、と考えるのが人情です。そうした部分ではライセンス料が高額になる商用 DB製品を使うことが多いからです。もしここにPostgreSQLを導入できれば コスト削減効果は非常に大きなものになるでしょう。 しかし、そこで従来障害になっていたのがレプリケーションやクラスタを構成 する機能が PostgreSQL本体に無いことでした。ミッションクリティカルな システムでは、ディスク障害などでDBがクラッシュしたからと言って、のん びりとバックアップから再構築することなどあり得ません。なんらかの方法で 代替機に常にDBのコピーを取り、万が一の場合には素早くその代替機に切り 替えて、データベースの運用を再開するなどの方法を取るのが普通です。 実はそうしたことがPostgreSQLでできないわけでは決してなく、他のOSS、 たとえばSlony-Iやpgpool-IIといったミドルウェアを併用するなどすれば実現 できていたのですが、外部プログラムであるがゆえの構築の難しさや機能の制 限(たとえば、Slony-Iでは、テーブルの追加や削除はレプリケーションされま せん)があったりして、二の足を踏んでいた方がいらっしゃったのも事実です。 # ついにレプリケーション機能を搭載、PostgreSQL 9.0 そうした悩みを一挙に解決するのが、PostgreSQL 9.0です。 PostgreSQL 9.0では、最初からレプリケーション機能が組み込まれており、 簡単な設定だけですぐにレプリケーションをはじめることができます。 # ここがすごい、PostgreSQL 9.0のレプリケーション機能 万を持して登場しただけに、PostgreSQL 9.0のレプリケーション機能は、 外部ソフトで提供されていたものより優れているところがたくさんあります。 o 完全なレプリケーションを保証 トランザクションログ(DBの変更記録)を転送することによってレプリケー ションする「ストリーミングレプリケーション」という方式なので、プライマ リ(大元のDBをこう呼びます)に加えられた変更はすべてスタンバイ(レプ リケーション先をこう呼びます)に漏れなく伝わります。たとえば、Slony-I ではレプリケーションできなかったテーブルの生成、削除もレプリケーション できます。それどころか、VACUUM処理(PostgreSQL固有のガーベジコレ クション)もレプリケーションされるので、スタンバイサーバではVACUUM は行う必要がありません。 o スタンバイサーバを有効活用 トランザクションログを転送するというと、PostgreSQL に詳しい方なら 「ウォームスタンバイ」を思い浮かべるかもしれません。ウォームスタンバイ とストリーミングレプリケーションの決定的な違いは、待機サーバ(スタンバ イサーバ)に検索問い合わせを投げることができるという点にあります。 つまり、スタンバイサーバをうまく活用すれば、検索処理を効率よく行うこと が可能です。しかも、スタンバイサーバは1台だけでなく、何台も追加できる ので、負荷に応じてスタンバイサーバを増やしていくことができます。また、 スタンバイサーバに負荷がかかっても、更新処理を司るプライマリには影響を 与えないので安心です。 o レプリケーションの遅延が少ない 検索専用のサーバを持てるという点では、Slony-Iにも似ていますが、大きな違 いはレプリケーションの遅延、すなわちプライマリに対して行われた更新が伝 播するのが素早いということです。また、遅延はスタンバイサーバを増やして もあまり変わりません。SRA OSSが行った検証では、3台スタンバイサーバを 追加しても遅延はほとんど増えませんでした。 # pgpool-II 3.0と組み合わせてさらに有効活用 今のところ、PostgreSQL 9.0の組み込みレプリケーション機能には、プライ マリサーバがダウンしたときにスタンバイサーバに切り替えることや、更新処 理をプライマリに投げ、検索問い合わせはスタンバイサーバのどれかに投げる ような処理は含まれていません。 そこでおすすめしたいのが PostgreSQL専用のOSSミドルウェア pgpool-II の新版、3.0との組み合わせです。3.0は、開発にあたって PostgreSQL 9.0の ストリーミングレプリケーションの特長を最大に生かすように設計されており、 pgpool-II 3.0を追加するだけで上記の機能が実現できます。是非お試しくださ い。 # ソフトの入手先と追加情報 本稿で説明したソフトは以下から入手できます。 o PostgreSQL 9.0 http://www.postgresql.org o pgpool-II 3.0 http://pgfoundry.org/frs/download.php/2798/pgpool-II-3.0.tar.gz o PostgreSQL 9.0に関する情報 http://lets.postgresql.jp/documents/technical/9.0/1 http://www.sraoss.co.jp/technology/postgresql/9.0/ # 最後に お陰様で SRA OSSは本年で設立後丸5年がたちました。今後とも素晴らしい OSSを皆様に利用していただくサービスを提供していきますので、何卒ご声援 とご支援のほどをお願いします。 また、この間にたくさんのOSSな方々との出会いがありました。とりわけ、 OBCI理事、OpenStandia の寺田様には大変お世話になっております。今後 とも、OSSとOSSビジネスの発展に向けて是非ご一緒させていただければと 思います!今後ともよろしくお願いします。 ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.コラム ご存知でしたか?OSSと自治体のイベント OSC2010 .Government ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 先日開催されたオープンソースカンファレンス2010 Tokyo/Fall と同時に 「OSC2010 .Government」が開催され、会場に行ってきました。 実行委員会のびぎねっと宮原さんにお話をうかがったところ、 「これまで全国各地域でOSCを開催してきましたが、ここ1年ぐらいは特に 地方自治体におけるOSS導入の気運が高まってきているように感じました。 そこで、まずはこれまでの先行事例を担当された方々にお集まりいただき、 OSS導入におけるノウハウやご苦労された点を一気にお話ししていただこう、 ということで今回の開催となりました。 ご参加いただいた方からの感想も 大変好評で、満足行く開催になったと感じています。今後も引き続き企画 開催して、様々な方に自治体でのOSS導入についてお話いただこうと思い ますので、ご期待下さい。」 とのことです。 地方自治体のOSS導入事例はこれまでも個別には紹介されていましたが、今回 のように各自治体のシステム導入の担当者が一堂に会し、OSSの活用について 議論するカンファレンスは日本初だったそうです。今後の開催も大きな感心を 集めそうです。さらに、このイベントをきっかけに、自治体システムでのOSS 導入事例の公開が進んでいくといいですね。 ◆「OSC2010 .Government」の参加自治体・団体・企業(順不同) IPA(独立行政法人情報処理推進機構)、会津若松市、大館市役所、 塩尻市振興公社、徳島県、長崎県庁、福岡県、箕面市役所、 一般社団法人オープンビジネスソフトウェア協会、 株式会社コミュニティ・クリエイション、株式会社日立製作所、 日立公共システムエンジニアリング株式会社、Joruri プロジェクト ◆「OSC2010 .Government」セミナー情報などの詳細はこちら。 http://www.ospn.jp/osc2010-gov/index.html NRI-OSSCのホームページでは、オープンソースミドルウェアを活用した自治 体システムでのアプリケーションサーバ、DBサーバ構築事例を掲載しています。 こちらも参考にご覧ください。 https://openstandia.jp/oss/index.html ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4.最新イベント情報! (1)10/14 オープンソースで実現するSSOとID管理 (2)10/27 オープンソースで実現するCMS/文書管理セミナー (3)10/28 OBCIの会員限定プレミアムセミナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ ┌────────────────────────────────── │ 2010/10/14 オープンソースで実現するSSOとID管理 │ ~AD連携、Salesforce/Google連携事例紹介セミナー~ 開催 └────────────────────────────────── ますます必要性が高まっているシングルサインオン(SSO)やID管理(IDM)。 本セミナーでは、従来高額な費用が必要だったシングルサインオンやID管理の 導入について、オープンソースを活用することで低コストでの導入を可能にし た事例を紹介します。 また、ActiveDirectoryとの連携や、近年ニーズが高まっているSalesforceCRM、 GoogleAppsとの連携事例についても解説します。 さらに、今回は特別講演もご用意しております!エクスジェン・ネットワークス 株式会社より、営業部部長の安田 健彦氏をお招きして、内部統制への対応強化 からセキュリティツール・IT統制ツールへといった、ID統合管理ツールの位置 付けの変化にも対応している「LDAP Manager」について、基本機能・デモン ストレーションを織り交ぜながらご紹介いただきます。 従業員数が多い企業や、コスト削減をしたい企業の担当者は必見です。 是非、ご参加ください。 日時:2010年10月14日(木) 16:30~18:10(受付開始 16:15~) 会場:野村総合研究所 丸の内総合センター 9F 会議室10 対象:SSOやID管理をご検討の方 費用:無料 定員:20名 (事前登録制) 講演内容: ・「オープンソースで実現するSSOとID管理 ~AD連携、Salesforce/Google連携事例紹介~」 ・「2年連続シェアNo.1!ID統合管理ツール『LDAP Manager』のご紹介」 イベントの詳細やお申し込みはホームページをご覧ください。 https://openstandia.jp/event/event20101014.html ┌────────────────────────────────── │ 2010/10/27 オープンソースで実現するCMS/文書管理セミナー │ ~CMS、文書管理、ワークフロー、マッシュアップで情報流通を加速!~ └────────────────────────────────── CMS、文書管理、アクセス制御、ワークフロー、情報分析(ダッシュボード) などの各種機能や、Notes/Domino、サイボウズ、 GoogleApps、さらに SalesforceCRMなどとの連携機能によって企業の情報流通を加速させる 「Liferay」、および「OpenStandia/Portal」について、事例を交えながら ご紹介します。 また、今回はエー・アンド・アイ システム株式会社の飯田 浩司氏を お招きして、既存のNotes資産を活かした新しいNotesの活用法をご紹介します。 是非、ご参加ください。 日時:2010年10月27日(水) 16:30~18:10(受付開始 16:00~) 会場:野村総合研究所 丸の内総合センター 9F 会議室11 対象:企業情報ポータルの新規構築/再構築をご検討の方 費用:無料 定員:20名 (事前登録制) 講演内容: ・「OpenStandiaソリューション/Notesエクステンションのご紹介」 既にNotesを導入されているお客様で、他のソリューションへ移行すべきか お悩みのお客様、また、Notesに低コストで機能をアドオンしたいお客様向け のセッションです。 既存のNotes資産を活かした新しいNotesの活用法をご紹介します。 ・「グループ/グローバル規模での情報共有/文書管理」 内部統制の強化や、競争力の強化といった観点から、グループ/グローバル 規模での情報共有や文書管理が求められています。数千、数万といった ユーザ数での利用の場合、商用製品では膨大なライセンス費用がかかって しまいますが、オープンソースを活用し低コストで実現するソリューション /事例をご紹介します。 イベントの詳細やお申し込みはホームページをご覧ください。 https://openstandia.jp/event/event20101027.html ┌────────────────────────────────── │ 2010/10/28 OBCIの会員限定プレミアムセミナー │ 「クラウド時代のRDBMS&分散ストレージ │ 7製品のロードマップを一挙紹介!」 └────────────────────────────────── NRIが事務局を務めるオープンソースビジネス推進協議会(OBCI)が、 会員限定のプレミアムセミナー「クラウド時代のRDBMS&分散ストレージ 7製品のロードマップを一挙紹介!」を開催いたします。 クラウド時代を向かえ、変わりつつある「データベース」の形。 OBCIプレミアムセミナーとして、先端を行くオープンソース7製品の ロードマップをご紹介し、「データベース」の未来を展望します。 是非、ご参加ください。 日時:2010年10月28日(木) 13:30~17:35(受付開始 13:00~) 会場:野村総合研究所 木場総合センターN棟1階大会議室 費用:無料 定員:100名 (事前登録制) ※OBCIの会員登録がお済みでない方は、会員登録<無料>の後に 参加申込となります。 ■講演内容 ・「超大規模Webの定番構成 - MySQL + memcached」 日本オラクル株式会社 梶山 隆輔氏 ・「(仮)distributed database daemon」(講師調整中) ・「KVSの基礎とTokyo Cabinet」 Tokyo Cabinet 平林 幹雄氏 ・「(仮)HadoopとApache Cassandra」(講師調整中) ・「PostgreSQLによるクラスタ構成の可能性」 SRA OSS,Inc日本支社 石井 達夫氏 ・ パネルディスカッション (モデレータ:OBCI理事 寺田 雄一、 パネリスト:各講演者および、OBCI理事) ※内容が変更される場合がございます。 最新情報は下記ページでご確認ください。 イベントの詳細、お申し込みはホームページをご覧ください。 https://openstandia.jp/event/event20101028.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編┃集┃後┃記┃ ━┛━┛━┛━┛━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最後までご覧いただき、どうもありがとうございました。 私がiPhone3GSを使い始めて1年ちょっとになりますが、最近は1年前よりも 街や電車などでスマートフォンを操作している人をよく見かけるようになった と思います。国内スマートフォン市場はますます拡大傾向にあるそうで、今後 も各社から新機種が続々と発表されるようです。直近では、iPhone4の対抗モ デルとしてNTTドコモから「ギャラクシーS」がこの10月に登場と発表されま した。どのような新機能を備えているか気になりますね。でも、私の場合は、 iPhone3GSからiPhone4に機種変更しようか悩んでいるぐらい、今のところ iPhoneの満足度が高いので、他社への乗り換えはまだまだ先になりそうです。 次回もどうぞよろしくお願いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※注意事項・配信停止方法は以下のURLをご確認ください。 https://openstandia.jp/site/mailmagazine.html 商品・サービスに関するお問い合わせ:ossc@nri.co.jp OSSソリューションマガジンに関するお問い合わせ:magazine-ossc-ext@nri.co.jp 発信元:株式会社野村総合研究所オープンソースソリューションセンター https://openstandia.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━