AR/VRの開発もできるゲーム業界で注目のOSS「Godot」のご紹介 NRI OSSソリューションマガジン 2021.2.24発行 Vol.170
1.AR/VRの開発もできるゲーム業界で注目のOSS「Godot」のご紹介
いつもOpenStandiaのメールマガジンを購読いただき誠にありがとうございます。
コロナ禍による巣ごもり需要は、ゲーム業界への大きな追い風となっています。
今月はゲーム制作時に使用されるゲームエンジン、中でもOSSのゲームエンジンである「Godot」についてご紹介します。
Godot公式サイト(英語)※外部リンク
https://godotengine.org
ゲームエンジンとはゲーム開発に使用されるソフトウェアの総称で2D/3Dグラフィックスや物理演算を効率的に処理してくれます。
Godotの最新バージョンは 3.2.3 (2021年2月時点) となっており以下のような特徴があります。
●複数の開発言語をサポート
Godotは C#、GDScript、VisualScriptなど複数言語による開発が可能となっています。
また言語バインディングと呼ばれる方法により、C、C++、D、Kotlin、Nim、Python、Rust言語によっても開発が可能となっています。
●マルチプラットフォームで動作
Godotは Windows、Linux、macOS上で動作し、環境や外部ソフトウェアへの依存度が小さいという特徴を有します。
プラグアンドプレイの考えから、GodotをUSBメモリに入れたまま実行することも可能です。
●マルチプラットフォームデプロイ
以下のプラットフォームへ向けたデプロイが可能となっています。
デスクトップ: Windows、Linux、macOS、UWP、BSD
モバイル : iOS、Android
コンソール : Nintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One
ウェブ : HTML5/WebAssembly
●XRサポート
OpenVR、OpenXR、Oculus SDKs、ARKitなどをサポートし、クロスプラットフォームな AR/VR 開発が可能となっています。
Godotは2021年にバージョン4.0がリリースされると見込まれており以下のようなアップデートが予定されています。
●レンダリングエンジンVulkanの導入
●グラフィックス品質の向上
●エディタのマルチウィンドウ対応
また、今後のロードマップはGitHubレポジトリでも公開されています。
Godotロードマップ ※外部リンク
https://github.com/godotengine/godot-roadmap
ゲームエンジンは、機能や性能の向上によりゲーム制作だけでなく医療、教育、エンターテイメント、エンジニアリング、映像製作などあらゆる分野で活用されています。
GodotはUnityやUnreal Engineなどのプロプライエタリなゲームエンジンと比べると、機能面や性能面で劣る部分は多くあります。
しかし、GodotのGitHubレポジトリは2021年2月の時点でおよそ1,300名のコミッターが存在し、3万6千以上のスターが付けられており非常に活発に開発が行われています。
また、2020年12月にFacebook Reality Labsから支援を受けることを発表し、今後ますます発展が期待されるOSSとなっています。
Godotコミュニティページ(英語)※外部リンク
https://godotengine.org/community
2.OSS紹介ページ 今月のアップデート(新規:1件、更新:7件)
(新規)
PyCaret (https://openstandia.jp/oss_info/pycaret/)
(更新)
Angular(AngularJS) (https://openstandia.jp/oss_info/angularjs/)
Apache Camel (https://openstandia.jp/oss_info/apachecamel/)
Go (https://openstandia.jp/oss_info/go/)
GlusterFS (https://openstandia.jp/oss_info/glusterfs/)
Kotlin (https://openstandia.jp/oss_info/kotlin/)
OpenLDAP (https://openstandia.jp/oss_info/openldap/)
Unbound (https://openstandia.jp/oss_info/unbound/)
3.OSS紹介ページ 今月のアクセスランキングTOP10
オープンソース情報ページ「OpenStandia OSS紹介」のアクセスTOP10をご紹介
→ 1位 (1位) MySQL (https://openstandia.jp/oss_info/mysql/)
↑ 2位 (3位) Apache HTTP Server (https://openstandia.jp/oss_info/apache/)
↓ 3位 (2位) PostgreSQL (https://openstandia.jp/oss_info/postgresql/)
→ 4位 (4位) Apache Tomcat (https://openstandia.jp/oss_info/tomcat/)
↑ 5位 (6位) PHP (https://openstandia.jp/oss_info/php/)
↓ 6位 (5位) CentOS (https://openstandia.jp/oss_info/centos/)
→ 7位 (7位) Ruby on Rails (https://openstandia.jp/oss_info/rubyonrails/)
↑ 8位 (ランク外) Squid (https://openstandia.jp/oss_info/squid/)
↑ 9位 (10位) Keycloak (https://openstandia.jp/oss_info/keycloak/)
↓ 10位 (8位) Ubuntu (https://openstandia.jp/oss_info/ubuntu/)
※( )内は前月の順位
◆OSS総合情報ページ「OpenStandia OSS紹介」はこちら
https://openstandia.jp/oss_info/
◆OpenStandiaサポート対象OSS一覧
https://openstandia.jp/services/#supportlist
◆OpenStandiaオープンソース年間サポートサービスのご紹介
https://openstandia.jp/services/
◆OpenStandiaオープンソース導入サービスのご紹介
https://openstandia.jp/services/
◆OpenStandia各種サービスのご相談は以下からお問合せください。
https://openstandia.jp/site/contact.html
4.編集後記
最後までご覧いただきありがとうございます。
野村総合研究所の前原です。
野村総合研究所では、2/14、20、21の3日間でハッカソンイベントをオンラインで実施しました。
ハッカソンとは、エンジニアやデザイナーが協力してアプリやWebシステムを期間内につくりあげるイベントです。
https://bitconnect.nri.co.jp/
今年度のテーマは「NEW STYLE」でした。
様々なチームが5年後の近未来について色々と考え、つくりあげた作品は魅力的なものばかりでした。
作品について興味ある方は、ぜひ下記リンクから各作品の紹介ページをご覧ください。
https://protopedia.net/event/6
※外部リンク
また参加者の中には、2021年になってから話題にのぼりだし最近メディアでも取り上げられている、音声SNSであるClubhouseを用いてメンバーを募ったチームもおりました。
ハッカソンへの参加方法自体も「NEW STYLE」となっている様子は非常に見ていて面白かったです。
来年度も継続してハッカソンイベントを開催する予定ですので、もし興味もたれた方がいましたら、ぜひ来年度のハッカソンにご参加ください!
<ハッカソンお問い合わせ先>
「bit.Connect」事務局:connect-ext@nri.co.jp
今後も、「NRI OSSソリューションマガジン」をどうぞよろしくお願いいたします。